168氏による強制肥満化SS

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じんじんと胸が痺れる。口を開ければ浅ましく涎がトロトロと零れ落ちる。
『あっ… はっ… んごぉ…』
夜が明けたのだろうか。ファティスがこちらに近寄りギュポン、と搾乳機を私の胸からもぎ取る。その刺激に、私は再び声をあげる。

 

「や〜… 残念ですねぇ。こう、出るもんだとばっかり思ってましたが…」
勿論、私は妊娠していない。刺激だけで母乳が出てしまってはファンタジーだ。
「そうですね…。やっぱり朝子さんには、乳牛ではなく肉牛になって頂くのがお互いの為なんじゃないかと思いました〜…」
クスクスと、分かっていながら私の事を弄っていたのだろう。
不思議と体に疲れは無いが、汗と汁で体中がベタベタする。

 

「それじゃぁ、牛になると認めた朝子さんに、ご飯をあげないと… ですね。」
目の前に置かれたのは、バケツ。中には牛丼らしき肉とタレの匂いがふんわりと漂う。
『ハァ… ちょっとぉ… フォアグラよりも… 美味しいご飯って…』
我ながら浅ましい事を言っているが、約束は約束だ。
ノルマの為にも、なるべくなら美味しいご飯を食べたいのが人情と言う物… と自分に言い聞かせる。
「まぁまぁ、食べてみて下さいって。多分美味しいですから」

 

手で掬って食べようとすると、ファティスが上に私の上におぶさり、乳肉をブルブルと震わせてくる。
「おやおや、牛さんなんですから。手なんて使っちゃダメですよ〜。その為のバケツご飯です。さぁ、たんと食べて下さい♪」
仕方無い、と割り切り四つん這いになり、口を付け、食べ易く一口サイズに切られた牛肉と米を口の中に入れた瞬間、甘味と旨味が口の中でじゅわぁ… と汁になり零れ落ちる。
『ガツ… ゲフ… けふっ、な、何よこのお肉! 今まで食べた事無いわよ!?』
確かに、これは今まで食べた高級牛のステーキや、フォアグラの旨味等とは全く比べ物にならない。別の食べ物と言って良い。
「秘密… と言いたい所ですが、朝子さんには教えてあげます。魔界の牛肉です。ミノタウロス、って言えば分かりますかね。引き締まった肉は成熟すると、とろける様なサシになり、食べてる草や肉も地上の牛さんとは大違いですから… って、聞いてますか〜?」

 

何も考えられない。旨味が染み込んだお米をクチャクチャと咀嚼しバケツの外側の脂をツゥッ、と舌で舐める。
その度に旨味と言う名前の快感が体中を走り抜ける。
気が付いたら、バケツは空になっていた。米の1粒も残っていない。
『げっぷ… お、お代わり… しても良いの?』
ぷはぁ、と漸く一息ついて、私はこんな贅沢をしても良い物か、とファティスにおずおずと聞き出す。
だが、ファティスは首を振り、クスクスと笑いながらこう告げる。
「お代わりは幾らでもありますが… ほら、頼み方ってあるじゃないですか。私のゲームに挑戦してる朝子さん。立場の違いを感じて下さい♪」

 

食べる為…。の、ノルマとか… 痩せる為とか…。
色々理由を付けながら私は四つん這いの姿勢のまま、今まで対等扱いしてきたファティスに初めての懇願をした。
『ハァ… お、お願いします…。ンッ… ご飯のお代わりを下さい…』
悔しい。悔しいがまた食べたいという欲求と、ここで時間を潰す訳にはいかない、という思いから言葉をプヨプヨになった喉の奥から搾り出す。
しかし、ファティスは首を振り
「違いますよ〜。私が聞きたいのはそんな言葉じゃありません。ほら…。朝子さんも牛さんなんですから。ね? 分かるでしょう♪」

 

人の尊厳とか、今まで生きてきた理由とか。全部飲み込み、私は声をひり出した。
『モッ、モォォ〜! ンモッ、モォッ! ハッ、ハァッ、ンモォォォォッ!』
ファティスが今までに無いくらい幸せそうな顔で、私の前のバケツにご飯を満たす。ぶるんぶるんと体中の肉を震わせて、私は齧り付く。
「ほらほら、体中の肉を揺さぶってくれたら、次のご飯出してあげますよ〜♪」
言われるままに、200はゆうに越えたであろうサイズのヒップを、だぷんだぷんと横に揺さぶる。
隣側に出てきたのは砂肝… だろうか。
躊躇わず齧りつくとこちらも牛丼と違わず、この世の物とは思えない旨味を醸し出す。
「最近コッカトリスの数も減ってきてるんですよ〜。朝子さんがしてる事はこの世でも屈指の贅沢なんですよ〜♪」
食べる毎にドッと汗が噴出す。旨味の中に詰まった精力が一噛みする毎に分かる。
こんな美味しい食べ物があったなんて…。

 

「ほら、これでも食べて食休みしたらどうでしょう?」
ころり、と飴玉の様な物が床に転がる。
両方のバケツを平らげた後、ファティスが出した物だ。
口の中の米を飲み込み、ぽってりとした唇で加え、口の中で転がそうとした矢先、スゥッ、と溶けて甘味と酸味が心地良く通り抜ける。
「[100年後のお菓子]って奴ですね。どうです? ジーン、と来るでしょう?」
モォモォと私は喉を震わせ一風変わったデザートに癒される。

 

「さぁさぁ、メインディッシュですよ〜!!」
とファティスが床の皿にごとり・・・ と置いた物は巨大な骨付き肉だ。
ジュウジュウと音を立て、骨が一本ぴん、と端まで通った… いわゆる漫画肉、という物だろうか。
匂いだけでパンパンに張っていたはずのお腹は、むくむくとお尻や胸、お腹や顎… 体への肉になり、ぐぎゅぅ、と鳴いたお腹を沈める為に私は即座に肉へとかぶりつく。
じゅるじゅると肉汁と涎を垂らしつつ今まで食べた事の無い、牛でも鳥でも豚でもない食べ物に脳を揺さぶられながら無心にひたすら食べていく。

 

「ドラゴンステーキ、って幻想世界の中でも屈指のご馳走なんですよ。………まぁ、聞いてないかなぁ。さて、もうすぐかな〜……」
何も言われてないのに、私はお尻や巨大すぎる胸を震わせながら声も高く牛の真似をし続ける。
何か、別の食べ物が出てくるかもしれない。
『ンァァ… モォッ、ブモォッ! ンモォァ! モォォ〜〜ッ!』
ころり、と小さな粒が目の前に転がる。
カプセル? 疑問に思ったがファティスが緩やかな、いつも通りの口調で告げる。
「もうちょっとゆっくり食べた方が… 良いと思うんですよ〜…」
だがダメだ。私の食欲は全くと言って良い程止まらない。
カプセルを4〜5粒ぺろりと噛み砕き、飲み干す。
先ほどのお菓子の様な味を期待してたが、味はあまりな・・・い…

 

その瞬間、体の奥底から弾ける感触が全身を襲う。

 

『んっ、、、なぁっ、、、や、何、こ、これぇ!』
牛の鳴き声も忘れ声を荒げる。息が苦しい。お腹が破裂しそうだ。
ファティスが坦々と告げる。
「ほら。仙人様が食べる豆、って奴ですね。一粒で数日分のカロリーです。まとめてそんな一杯食べるから…。忠告してあげたのに〜…。」
『ちょっと、、、やめ、んごぉっ、、お、おな゛か、、、は、はれっ…』
ミヂミヂとお腹が膨らみ、今まで段々腹だった為に見えなかったお臍が丸見えなくらい、ぷっくりと丸くなっていく。
「そうですねぇ…。生命の危機を100としたら、今70くらい… ですね〜」
『や、び、びぬ゛ぅ… だ、だずげ、てぇ…』

 

にこり、と笑ってファティスが最後の通告を私に告げる。
「それじゃぁ、私の勝ち、で宜しいですか?」
こくこく、と首を縦に振る。その瞬間、膨れていた胃の中のカロリーがどっ、と体中に流れ込んでくる。
フトモモは人の胴体よりも丸太よりも太くなり、ぶよんぶよんの柔らかい感触の物体と化し、さっきまで臍が見えた球体のお腹はまたブクブクと膨らみ、段腹へと戻っていく。
ただし、上の段は下の段を覆い隠す程の肉付きに。
喉は3重か4重か数えるのも馬鹿らしいくらいタップタプ。
頬に付いた肉は数Kg、という辺り美貌と醜悪の両立を兼ねたがっていた(らしい。後にファティスから聞かされる事になる)ファティスなりの拘りか。

 

『あ、、、あぁ… わ゛だじの …体… ラ゛イ゛ンが・・・』
戻れない事を本能的に悟り、心にゆっくりとヒビが入る。
しかし、ファティスは容赦無く
「さぁ、これからが忙しいんですよ!一年間、たっぷりでっぷりと美味しい物を食べさせて、完全な肥満家畜にしてあげますからねぇ〜! ほら… 次は… 豚さんが良いですね。ほら、早く! 鳴いて下さいよ!」
ファティスが目の前にシチューを出す。きっと…美味しいのだろう。
私の喉から自然と漏れた声は、敗北と屈服を意味する物だった。

 

『フゥッ、フゴッ、ブゥッ、ブヒ、ブヒィッ!!』

 

 

 

〜エピローグ〜

 

○月×日。
人間界の珍味を与えてみる。反応は良好。
明日はそろそろ仕上げの段階に入ろうと思います。

 

○月△日。
魔界の料理を与え、反応を見てみる。
今までに無い反応を見せた為、更に与えつづけてみようと思いました…。

 

「さてと、これで夏休みの日記も終わり! ファタナエル先生、審査厳しいからなぁ…。ちゃんと金賞取れるかな〜♪」
ぴこぴことファティスが羽を動かし、意を決した様に机を立つ。
朝子に少しの間待つ様に命令し、時空の渦の中に飛び込む。

 

…ファト兄さ〜ん、飼いたいペットが居るんだけど、飼っても良いかな〜〜??

 

 

〜〜fin〜〜

 

 

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