裏道氏による強制肥満化SS
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あの『運命の日』から半年、街はあの頃が嘘のような姿に変わっていた。
(ある女子校、とある教室の談話)
「となり町の□□ちゃん、見た!?」
「見たよぉ・・・驚いたぁ、まだ痩せてる子が居たんだねぇ」
「半年前まで私達も同じ体型だった筈なのにねぇー……」
「うー…それはいわない約束だったじゃない〜」
このグループから少し離れた所で、二人の少女が晴れやかな顔で空を見ていた。
「今日は何をしようかな…」
黒髪の少女が呟くと
「こういう時は直感が大事よ?インスピレーション、インスピレーション♪」
金髪の少女が唄うように続く。
「......その、語尾を何でも繰り返す癖止めてくれる?」
「止められないわぁ。止められない、止められない♪」
二人はクラスから浮いていて、近づく者はいない。
それ故、誰も二人の会話に気付くことはなかった。
都心から数時間ほどにある田舎町。
『ある狂った悪魔』と『悪魔のような少女』の思惑が実を結んだ町。
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私はベリアに出逢ってからのこの半年――ベリアの力を持ってすればオールシーズンに見せかけるだけのことは出来るが――行ってきたその全てをレポートに纏めた。
誰のためでもない、私の自己満足だ。
決して中の人の予想以上に生活が忙しくなり、続行が困難になったわけではない。
内容を考えれば日記と称するのが一般的だと思うけれど、事細かに書いていったソレは、レポートといったほうがしっくりくるのだ。
さて、コレを『彼』に渡す前に少し見直すことにしよう−−
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レポートNo.12
〜スポーツ少女の改変記録〜
議題:熱中する力はいかほどのものか
桜もだいぶ散り緑の葉が顔を出した初夏の放課後、私は何をする訳でもなく学園敷地内をぶらついていた。強いて言えば、ターゲット探しだろうか。
そして、校舎から少し離れた辺りでの事だった。
「次!お願いします!!」
快活な声が響く。辺りを見回せば体育館から倒し合うような大きな物音が聞こえる。
『何かしら……』
ふと、興味を引かれて中を見てみると女子柔道部員達が汗を流しながら青春しているのが見て取れた。
何かに集中して努力する姿は素晴らしいと思う、思うが......
『暑い中よくやるわ……』
以前の私なら外に出るのも億劫なこの時期に、人間同士組み合うなんてもはや狂気の沙汰である。
「「やぁあー!!」」
そして再びぶつかり合う少女達。
『本当、見てるだけで暑苦しい......何か涼しそうなスポーツ無いかしら』
まぁ、無いか。なんて独り言をいいつつその日は家に帰る事にした。
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〜夜〜
【――――白鵬、見事な寄り切りでした。それでは、次の――】
ピッ
「うーん、白鵬は八百長してないわよね......?」
地デジ化対応の液晶の前で呟いた。
シルカ、シラナイ、知らない。
「......貴女には言ってないわ」
ヒヒッ
一応、傍聴者はいるが。
「相撲ねぇ、 相撲……そういえば、ウチの学園、当然だけど女子相撲部なんて無いわね」
まぁ、下手に作ったところであまり格好のつくようなものでもない。
寧ろ小馬鹿にされるぐらいの事はあろう。
......ただまぁ、『下手に作らな』ければいい話であって。
「ちょうどいい具合に筋肉の下地の在る部活もあるみたいだしね、せいぜいちゃんこ鍋でも囲んでもらいますか......」
そう言って、学園の方向に手を差し出して―――
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