315氏による強制肥満化SS

315氏による強制肥満化SS

前へ   3/3   次へ

 

 

 旅に疲れ、ガンドロフを失った悲しみに暮れていた一行は、山の麓近くの森の中にあるエルフの国で休んでいた。
エルフ族の中でも特に警戒心の強い彼らに最初は殺されかけたが、交渉の末何とか滞在を許可してもらったのだ。
 その夜、フロートが不意に目を覚ますと、エルフの王の奥方がどこかへ行こうとしていた。
好奇心の強いフロートは気になってその後をついて行った。
奥方は彼女に気付き、時を映し出す魔法の瓶(カメ)を見せてくれた。
 そこに映ったのは荒れ果てた大地や、殺戮、奴隷にされた人たち、鉄粉と噴煙が巻き散る、見るも無残なわが故郷の変わり果てた姿であった。
その瓶の中にはフロートもいた。
赤く燃え盛る山の麓にそびえたつ真っ黒な塔、その中に彼女はいた。
彼女の傍らには見るのも危ぶまれるような雰囲気を放つ、恐ろしげな鎧を着た者がいた。
何をしているのかとみてみれば、彼女のことを弄んでいるとも世話をしているとも見て取れる。
なにやら大事な、それもとびきり愛らしいものを手入れするかのようにフルートを扱っていた。
どうやら指輪の魔力が彼女と完全に同化してしまったようで、彼女が指輪そのもののような存在になってしまったようだ。
しかし、力を完全に制御できているわけではなさそうで、大きくなったっきり元に戻ろうとする気配は見られない。
また、完全に自我を失っているわけでもなさそうだ。
なぜなら、虚ろな目をして頬を染めながらも、真黒な者に対して抗議している様子が見られるからだ。
抗議といっても、眠たいときに飼い犬が起こそうとしてきて、それを諭すような程度の微々たる抵抗ではあったが、とにかく自分を見失ってはいないようだった。

また、それが同時に最大の不幸でもあった。
いっそ自我など消えてしまっていた方がよかったのかもしれない。
 見る者を魅了するかのように、きれいにま〜るく肥えきった彼女の体を、丁寧に丁寧にかの者が磨いていく。
その一連の行動にフロートは身をよじさせながら、顔を紅潮させ涙を流し、切なさに満ち溢れた声を上げていた。

 

「あなたが指輪を捨てなければ、いずれはこれが現実となるのです」
私が使命を果たさなければ、この拷問のような辱めが毎日延々と続いていくのだ、と聞かされたフロートは絶望した。
しかし、それと同時にこの瓶の中の出来事が、ガンドロフの死により旅をあきらめかけていた彼女を奮い立たせた。
そして奥方も「これは旅を諦めればの話、まだ希望は残されている」と励ましの言葉をくれた。
フロートは心を新たに、旅を続ける決意をしたのだった。

 

 森で十分な休息と援助を受けた一行は、彼らから譲り受けた小舟で川を下っていた。
その後、岸辺に船を上げた一行はなんやかんやあってピンチに陥っていた。

 

裏切り者の魔法使い、スルメンの手下の化け物どもがすぐそこまで彼女らに迫っていたのである。
「剣が!」
谷で義父から譲り受けた魔剣を見てフロートが叫ぶ。
彼女と話をしていた男、アルゴンは指輪が握られている彼女の手を取った。
「最後までついてゆきたかった・・・先に誤っておく、すまない!」
そういうと彼は唐突に彼女の指に指輪をはめた。
彼女の体は例のごとく「ボムン」と膨らんだ。
「や、な、何をするんですか!?」
フロートはあまりにも突然の出来事に、苦しいやら恥ずかしいやらでパニックを起こしてしまった。
エルフからもらった服は伸縮性に富んでおり破けることはなかったが、それにより余計に彼女のだらしない体のラインを強調する羽目になってしまった。
しかしアルゴンはそれをお構いなしに「行け!急げ!」といい、彼女のやわらかくなった体をグッと押し、丘から転げ落とした。
運よくほぼ球体型に変化した彼女の体は勢いよく転がっていった。
「きゃああああ!!いやああああぁぁぁ・・・!」
ものすごい悲鳴も丘からだんだん遠のいていく。
「「「…イケェ!…コロセェ!…捕えろォ!!…」」」
遠くで仲間たちが戦っている音が聞こえる。・・・この音はなんだろう、角笛だろうか?

なおもゴロゴロと転がっていく彼女であったが、所詮は脂肪。
全体重がのしかかっている、地面と接触している部分は常に平らに「近い」状態だった。
「近い」というのも、いかんせんここは今日のように整備された道路でもなければボウリング場でもない。
道もなくガタガタで岩だらけ、おまけにそこら中に木が生い茂っている。
今まで衝突していないのが奇跡だった。
そう思ったのもつかの間、ちょっとした段差のために鈍重なボウリングボールがふわっと浮かび上がった。
着地したのは、運悪くもモリッと突き出た大き目な岩の上だった。
彼女のお腹がその岩を包むように「ぐにゅうっ」と潰れた。
「うごぉ!・・・ぶ、ぶふぉぁ・・・うぅ」
一瞬目が飛び出てしまうような感覚に襲われ、転がり続けながらもこのようなうめき声をあげていた。
豊満についた柔らかな脂肪のおかげで痛くはなかったようだが、あれだけ突き出たお腹が凹むほどの衝撃だったのだ。
お腹が圧迫されないわけがない。
目を涙でうるうるさせながらも、なんとか岸辺にたどり着いた。
指輪をはずして元の姿に戻った彼女は急いでボートを川に浮かべ、漕ぎだした。

 

川の中ほどまで漕いだころ、誰かの声が聞こえてきた。
「待って!おれも行く!」
フロートの仲間の一人、サンであった。
「来ない方がいい!ここからは私一人で行く!」
ボートも残ってないのに彼女の必死の牽制にも関わらず、サンはなおも川をこいでくる。
「あなた泳げないでしょう!?」
ボートに近づくにつれて水の底を歩いていたサンの足取りが鈍っていく。
二度、三度と沈みかけ、ついには浮かび上がらなくなった。
「サン!!」
フロートはサンの姿が見えなくなったところまでボートを戻し、自分も川に潜った。
サンはすぐに見つかったが、衣服に荷物を背負った彼の体は容赦なく沈んでいく。
引っ張り上げようにしてもどうにもならない。
 彼女の頭に一つの考えが芽生えた。誠に遺憾ではあるが、今はこれしか助かる方法がない。
彼女は指輪をはめ、すぐに彼の手を握った。
「ざっぱーん」としぶきをあげて、ギリギリ人と認識できるほど異様に膨らんだフロートと、その丘の上に乗るような形で息を吹き返したサンの二人が水面に浮かんでいた。
「ガンドロフから言われたんです。どんなことがあってもあなたから離れるなと」

言われたからというのは、それもあるがただの言い訳で、彼は最初から主であるフロートに尽くすことを誓っていた。
「あなたからは離れません、どんなことがあっても」
「ありがとう・・・サン」
彼女もサンの言葉に心を打たれたようだったが、彼女が今顔を真っ赤にしている理由は他にもあった。
「あのぉ・・・一緒に行くから、とりあえずそこで動くのはやめてくれませんか///」
どうもこの体を他人に触れられるのが恥ずかしいのか、水面から上昇してからというものパンパンに張りつめた顔でずっとうつむいている。
「す、すいませんフロートさま!今降ります!」
彼は近くに寄せてあった小舟の上に勢いをつけてジャンプし、見事着地した。
その勢いをつけたジャンプのおかげで彼女の体がことさら「ブニュッ」と凹んだ。
凹む瞬間彼女の口から
「おぉ?!」
という少し甘い声が漏れた。
そして彼の足がそこから離れると同時に、彼女の体が腹部あたりを中心にボヨンボヨンとゴムまりのように波を打って揺れた。
その振動は水面にまで及んび、彼女の周りに小さな波が生まれた。
彼女は目をぎゅっとつぶり、揺れが少しでも早く収まるように体を強張らせ
「んんー・・・」

という恥ずかしさと快感に耐えるような喘ぎをのどの奥で鳴らしていた。
 揺れが収まった彼女は不必要なまでに膨らんだお腹と胸がつかえて指輪に手がとどかなかったため、サンに指輪をはずしてもらった。
元のサイズに戻り船に乗ったフロートであったが、どこか気まずそうだったことはいうまでもない。

 

 

そんなこんなでばらばらになってしまった旅の一行。この先一体どうなってしまうのか。

 

 

〜第一部?完〜

 

 

前へ   3/3   次へ


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database