849氏による強制肥満化SS

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〜数週間が経ち〜

 

「やっほ〜。だいぶ慣れたんじゃない?」
「あ、先p……」
休憩時間に、肉饅を口と片手に先輩がやって来た。先輩はスキップ(のはずだ)しながらやってきたために胸が、腹が、全身の肉がバインバイン跳ねる。
先輩
「貴女もおひとつどうぞ♪」
そして、その余りの迫力に絶句してしまった私の前に急停止して、ほかほかの肉饅が差し出された。
「あ……ありがとう、ございます」
「何か困った事とか無いかしら?」
心配されるのは嬉しい事だけれど、お給金は上がったが仕事内容は変わらないので困った事は無い。
「いえ、別に何も。ただ……」
「ただ?」
仕事では悩まなくても。

 

「その、お肉が……ですね……」
つい、言葉がしりつぼみになる。けれど、もう先輩は気付いていたようだ。
「んふふ、最近血色よくなったわね♪」
「うっ……!」
ぷに、と以前に比べて柔らかくなってしまった脇腹をつねられる。
「ここの『まかない』は美味しいものね〜」
「はい……」
先輩は茶化してはいたが、沈んだ顔をしていた私を笑顔できゅっと抱きしめてくれた。心か贅肉か、その暖かさに一人暮らしでしばらく会っていない母を思い出した。

 

少しするとよしよしと子供をあやすように頭をなでてから先輩は立ち上がった。
「そいじゃ、私はまだ仕事あるから!」
「あ……わかりました。頑張ってくださいね」
じゃ〜ね〜。と手を振る先輩を見送り、私もまた仕事に戻る事にした。
「先輩、暖かかったな」
包容力という奴なのか。ああいうのもい……

 

「いやいやいやいや、駄目!STOP!惑わされるな私!ちゃんとダイエットしなくちゃ!」
別に意識されたものではないのに、勝手に惑わされた私だった。

 

〜さらに日は経ち〜(先輩視点です)

 

休憩時間にしばらくぶりに遊びに来た私は『STAFF ROOM』の扉を開けた所で固まってしまった。

 

「………」

 

重苦しい雰囲気。負のオーラが見えそうなくらい暗い空気の中心に彼女が一人でゲンドウスタイルで壁に向いて座っていた。
最初に見たときから黒いポニーテールは変わらない。

 

駄菓子菓子。あいや、だがしかし。

 

スリットからチラリと見える「カモシカのような足」は本来の「カモシカらしい」太めの足に、可愛いぷりんとしたお尻はむっちりと色気を放ちながらドレスに張り付き、お腹は数ヶ月の妊婦のように膨らみ、突き出した所謂ロケットオッパイという奴はその速度を落として地面に不時着していた。

 

嗚呼、制服がチャイナドレス固定であることが彼女の悲しみを加速させているに違いない。そろそろ遠回しにしても「太目」と呼ばれる私を超えそうであると、遠目にもわかってしまうのだから……

 

「今、肉饅渡したら泣いちゃうか……」

 

私はそっと扉を閉めた。

 

肉饅は美味しかった。

 

 

〜さらに時は流れ行く〜

 

「悪いのはお給金の良さと、先輩が作ってくれる居心地の良さと、美味しすぎる肉饅を初めとする油分高めの『まかない』なんです!」
ついでに言えば余った賞味期限の近い食材は産業スパイ対策に持ち帰らされたので、どう消費しても冷蔵庫が空になることは無かったのです!

 

打ちひしがれる私。ポンポンと肩を叩かれて顔を上げれば先輩の姿。

 

「(沈痛な面持ちで)我慢できなかった、食欲が抜けてるわ」
「うぅ〜」

 

日々美味しいまかないを食べ、家に帰れば腕の上がった自作の美味しい食事をとり、起きれば夜のうちから用意して朝から美味しく食事をとり……。増える食欲に負けていく消費カロリーに戦々恐々としながら日々を送り、今日に至ってしまったのだ
後輩

 

 

がっくりと膝をつけば腹が床に擦れる。下を向けば贅肉の山。頬をつねればむっちりもちもち低反発。……最近の嫌いなものは鏡になってしまった。

 

その後、厨房兼ウェイトレスになった私は大変人気を集めさせていただいた。おかげさまでお給金も、悲しい事に体重まで増え、年内には、【VIPルーム:ウェイトレスランキング一位】の称号を授与されるに至った。
(テーブルに人気投票用紙があり、年に一回集計する)

 

……そして誠に不本意ながら、最重量の称号も付いて来たが……。

 

 

〜それからしばらく、在る日の事〜

 

人が少なくなり、他の娘が接客に回り、私は少し上を向いた。そこに飾られていたのは女の子達の写真だった。……痩せていたときの。

 

「……店長に文句いってもいいのかなぁ」

 

 

店長に聞いても、「ごめん。太らせるような事はしていないんだ……」との事。
店長室を出た私は同僚のウェイトレス達に揃って「ドンマイ☆」と笑顔でサムズアップされた。結局、同レベルの癖に。全員捕まえて無理矢理食べ放題の店に行った。次の日、私は顎に小さかった二重顎が確立されかけているのを見て、体重計の前で崩れ落ちた。

 

(おしまい)

 

 

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