百狩編 通常ルート

百刈編 通常ルート

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かつては普通の女の子の部屋だったのであろうか。
ゲーセンの景品であるぬいぐるみの山、パソコン、机等はすっかりお菓子や食べ物のカスでよごれており、 床にはファーストフードの紙袋や、何らかの食べかす等が散乱しており、まるでひきこもりでもしているかのようだ。

 

そんな部屋に彼女はいた。
学校ではかつてSML編集部の部員として活動していた百刈だ。
身長だけ見れば中学生、下手すると小学生の高学年に見られかねないような身長である。
肌も白く、髪の毛もサラサラとしていて、ちゃんとまとまっている。
SML編集部に居た頃は多少太った方が健康的なのではと思えるような貧弱な身体だった。
だが、現在はその体躯は太い。指はまだまだ綺麗な肌はしているのだが、肉で爪が深爪気味になっており、 ふとももはプクプクに膨れ上がり、座ると肉が横に大きくなる。
全身からは、暑いのか汗をじわりじわりと流し、その肉でふっくらとした顔は目はぱっちりとしていることにはしているのであるが、頬の肉でやや細く見え、顎にはりっぱな二重顎が形成されており、顎を引くと、顎に立派で、それでいて綺麗な肌の肉の層が出来る。
胸ははりつめたように大きくなっており、食べ物を食べたり、歩いたりするたんびにぷるぷるとゆれる。
前に着用していたブラは当然きついどころか着用できるようなものではなくなっており、前は考えられなかったようなサイズを着用している。
そして、一番目を引くのはぼっこりと出た出腹だろう。
彼女の出腹はまるで妊娠したような腹で、脱いでみると重力で多少腹の贅肉が垂れる。それでも、妊娠したかのような張りはあるのだが。

 

彼女が何故ここまで変わってしまったのかと言うと、当然過食症である。
編集部の先輩で姉妹のように慕っていた幸地ゆきえに見捨てられたのである。
幸地は後輩のタカマルという少年に惚れており、当然、タカマルの事を色々と気遣っていた。
その結果百刈はこれまで幸地にかまってもらっていた時間を大幅に削られる結果となり、タカマルに嫉妬、ありとあらゆる手でタカマルに嫌がらせを繰り返してきたのだ。
当初は幸地も全く気付かなかったが、ちょっとした事がきっかけで幸地にこれまでのタカマルにしてきた悪行の数々がバレてしまったのだ。
その結果幸地は百刈と全く接しようとはしなくなってしまったのだ。
無論、百刈は完全に立ち直れないほどのショックを受けたのであろう。
幸地はすっかり本格的にタカマルと付き合うようになり、傷心の百刈が何も言わずにSMLを退部し、誰に何も告げることなく隣町の高校へと転校しても、幸地はタカマルに夢中だったので、百刈の存在には気付かず、SMLから百刈が抜けた穴は幸地の人徳で幸地の友人が手伝い始めた事で、あっさりと百刈のSMLでの居場所はなくなってしまった。
そして、隣町の高校へ転校した百刈だったが、ショックからは立ち直れず、学校も一週間に一度行くか行かないかの生活になってしまった。
そして、幸地に見捨てられたショックを忘れる手段を百刈は考えた。
答えは単純。
幸地が大食いでタイピングが早いのを真似する事だった。
幸地と同じ事をする事でショックを忘れようとしたのだ。
こうして、百刈は小食だった生活サイクルを大幅に変える事になったのだ。

 

ひたすら部屋にとじこもり、家中の食べ物を自分の部屋に持ち込んでは食い荒らし、もっと食べたい時は裸じゃなければいいといわんばかりに、無理やりかつてはむしろやや大きかった服を無理やり着用し、近所のコンビニやケーキ屋、ファミレスとひたすら食べ続け、そして、大量にお菓子やケーキを買いだめし、家に帰ると、すぐさま部屋に閉じこもり、パソコンで無駄にどうでもいい情報を収集し、その間にも買って来ておいた食べ物を無造作に胃に叩き込む。
家族の食事の時間になれば、家族の誰よりも多く食べ、親の心配をよそにまるで何日も食事にありつけなかった遭難者が数日振りの食事をする時のようにバクバクと食べる。
食事後も、部屋に閉じこもってはパソコンと飲食を延々と続け、食料が無くなったら、近くのコンビニで買いあさる。
そして、眠くなったら、電気も消すのをめんどくさがってそのままベッドにねころんで寝てしまう。
そんな生活を続けていたら、みるみるうちに太っていた。
最初は身長がちいさい事を除けばゆきえ本人になれたようで、服を脱いでは鏡台にうつる肥満体型な己の姿に癒しを感じていたが、もうこの変わり果てた百刈の生活サイクルが元に戻る事は無かった。
いや、むしろその生活サイクルはより過食症を加速させる結果になってしまったのだ。

 

こうして、さらに数ヶ月がすぎ、転校先の高校で出席日数に問題が出た頃には、百刈はすっかり変わり果ててしまっていた。
こうして、幸地を軽く凌ぐほどの肥満体型になってしまい、現在にいたるのである。
幸地を凌ぐ肥満体になった時にはもう既に季節は冬となっており、転校先の学校からは、留年という通知が家に届き事実上もう一度高校一年をするハメになってしまった。
そのため、滅多に行かなかった学校へは、全く行かなくなってしまった。
冬になれば、寒くなるので、百刈はより一層ひきこもりがちになってしまった。
近所のコンビニの宅配サービスや出前等、自宅から外出しなくても、いつもの生活ができるように自然と外出する頻度を減らしてしまった。(元々少ないが)
それでも、出前や配達のきかないファミレスやケーキ屋等へは自分の足でいく必要があるので、その時は防寒服は着るのだが、百刈はネット通販で大きめサイズのコートやセーターを購入していたのでそれを着て外出しようと考え、寒くなる前にさっさと購入していた。
ただ、その購入した時期が百刈がまだ太っていく自分の姿に幸地の面影を感じていた時期であったのだが。

 

ある寒い日、百刈はケーキ屋へお気に入りのケーキを買いだめしようとして、数日振りに外出しようとした。
さすがに、今日は寒いだろうと思い、前もって購入しておいてた毛糸のセーターを着用した。
「・・・・?」
だが、違和感はすぐに感じた。
「あの時」はちょうどだったはずのセーターが今ではかなり窮屈な物になってしまっていたのだ。
セーターが下までおろせず、下腹がぴょっこりと顔を出し、二の腕あたりはキツキツで動くたんびに繊維が悲鳴をあげるようだ。
「うう・・・・きつい・・・・・。」
そう思ってる内に汗がじわじわと出てきた。
「ふう・・・・ふうぅ・・・ああ、私また太ったんだ・・・。」
改めて、自分が太り始めた時よりずっと肥満体になった事を実感し、汗ばんだ身体を冷やすためにコーラをボトルで軽く一口飲む。
当然、今の彼女の軽い一口は普通の人で言う小型サイズのペットボトルを一瞬で飲み干す程度だが。
「はぅ・・・・。暑いなぁ・・・・。」
そう言って百刈はせっかく着ていた(キツいが)セーターを脱いだ。
すっかり上半身は汗でびっしょりになっており、その汗は下半身にまで及んでいた。
さすがにこのままでは風邪をひいてしまう。
服の前に汗を拭かないとマズいので、タオルを探そうとしたら、窓が半開きになっていた鏡台からわずかに見える自分の姿が見えた。

百刈は何を思ったのか、ビックサイズの下着を無造作に脱ぎ捨て、無心の状態で半開きになっていた鏡台の窓を完全に開いた。
すると鏡台には背丈が低いながらも、顔はぷっくりと、おっぱいは質のよいメロンのようで、腹は、そんじょそこらの相撲取りよりぼんと出た出腹であり、下半身にかけては、さすがに過剰な比喩であるが、ドラム缶が二本あるような体躯が映し出された。
股間に至っては、やっと陰毛がうっすらと生え始め、それでいてぷっくりとしていた。
まるで、もぎたての果肉がぎっしりとつまった桃に見えもする。
その五体が僅かにゆげを立てて、汗(脂汗含む)をポタポタとたらしているのだ。
「あっ・・・・・・。」
百刈は胸がとくんとくる感覚を覚えた。
本人にはまだはっきりと認識していないが、百刈は一瞬、そんなすっかり肉で膨れた自分の身体に見とれてしまった。
「ううん・・・・そんな・・・・こと・・・・ない・・・・私はどうせ・・・・・・」
そう言って百刈は鏡台の窓を閉め、タオル(と、いうかバスタオル)で自分の汗を拭き取り、その後、まだキツいがまだ多少着れる長袖を着て、コートを着、無理やりコートの前をしめて、どすどすと足音を立てながら、外出していった。

 

すっかり肉で太くなった足を靴の中に無理やりねじこみドアを開けると、ぴゅうっと冷たい風がふくなか百刈は深呼吸をする。
久し振りの外出だったので、外の空気がなんだかまるで別世界にでも入ったかのようにすら思えてきた。
そう思うと今の自分は随分と変わってしまったという事を実感してしまう。
丁度、今自分が住んでいる所は少し住宅街からはずれているため、自分の姿は意外にも自分の顔を知ってる人に見られる事はない。
ただ、行く店がほぼ決まっているため、その店の店員には顔は当然知られているが。
その点だけが、百刈の外出における悩みの種だろう。
今の百刈には周囲の視線というのは相当気にしてしまうものであった。
「あの人はこんなに食べる自分の事をどう思っているのだろう」
「となりの席の人、自分の食事を見てどんな心境になっているのであろうか?」
「自分の身体をみんなはどみてるのだろうか?」
色々考えると、それだけでおちこんでしまう。
最初はショックを忘れる方法としてゆきえみたいに大食いでぽっちゃりした人になろうとしたが、今となっては、この変わり果てた生活サイクル自体が彼女の支えになってしまっていたのだ。
そう、百刈は食べる事、太る事、パソコンをする事等といった行為自体が完全に習慣として身体に染み付いてしまったのであった。

 

家を出て、どすどすと歩いた先についたのはファーストフード店だった。
百刈にとっては運がよかったのであろうか、店内は客はまばらで、店員も店が暇な事から眠そうな顔をしてカウンタでボーッとしてたっている。
「よかったぁ・・・・。」
そう内心思いつつ百刈はドスドスと店内へ向かった。
外は寒かったのだが、重い体で早足にここまで来たため、店内の暖房で少しやりすぎな程度に暖かくなっていた店内は彼女にとってはいきなりサウナに入るようなものであった。
額から汗をじわじわと出しつつ太さに全くと言っていいほどアンバランスな肥満体を揺らして、カウンタの前に立つ。
店員も彼女の太さに少し目を丸くしたが、店員やバイトの間で名物になっていた太った女の子の事を思い出し、ちらちらと彼女の腹や二重顎、などに視線を送りながら、マニュアル通りに接客をする。
「いらっしゃいませ〜」
そういつもの接客のはずだが、百刈はその店員の視線には気付いていた。
「おなかとかみないでよ・・・・・・。」
そう今すぐにでも蹴り飛ばしたくなる感情を抑えつつ、高い値段のセットを数人分、今ここで食べる分等をてきぱきと注文する。
店員は店内の噂話の内容と寸分違わぬ注文の豪快っぷりにあっけにとられながら、なれた手つきでレジを叩く。
「えっと〜ビック(中略)ィクが2本で合計で7800円となります〜(一人でそこまで食いますかこの子は・・・。」
百刈はまだ自分の身体の各部に向けてくる店員の視線に苛立ちを覚えながら叩きつけるように料金を払い、一番大きいサイズの袋に勝った物を詰め込めるだけつめ込んで、この場で食べる分を食べる為に、隅っこの席へと移動して席につく。

 

さすがに歩いて少し疲れてたので、勢いよく席に座ろうとして腰をおろした。
が、荷物を降ろそうとして前のめり気味の体勢のまま腰をおろそうとした
百刈の腹部がテーブルに「ぼんっ!」とあたってしまった。
テーブルと腹肉が重い音をたて、腹肉はその衝撃でおっぱいを一瞬だけ押し上げる形へ変形する。
さらにその衝撃は身体全体に伝わり、二重顎や足の肉もぷるん!と揺らす。
妙な鈍痛が彼女を遅い百刈は少しのあいた自分の腹の下部分をなでながら、おちついてゆっくり座る。
誰か見てないかとあたりを見回すと、右の席で3人組の学校帰りと思しき男子グループが笑いを必至にこらえた表情でこっちを見ている。
百刈は即座に鋭い殺気を三人組に送る。
殺気といっても、直接的な殺気ではなくて、ねちっこくて、ダーティな殺気な感情が目から出ている殺気だ。
三人組はびくっとして彼女から無理やり視線を外し、そのまま目を合わさずに店を足早に去っていった。
「疲れてたんだからしょうがないでしょ・・・・・・(恥)」
そう思いつつも、既に両手はハンバーガーやポテトを鷲掴みにしてバグバグと貪るように食べていた。
ハンバーガーを食べていて指についたケチャップをペロリと舐めとると自分のむくんだ指の触感とケチャップの味で自分の指が美味な物にすら思えてくる。
運動後は腹がすく、と、そんな事を言わんばかりにムシャムシャと食べてると、きているコートが邪魔になった。
何せ、キツいのに無理やりきているコートだからだ。
でも、コートを脱ぐには一度たたないといけない。(体型が体型のため)

めんどくさいので、舐めた唾液や舐め取れていないケチャップのついた指でコートのボタンを外す。
コートの拘束から逃れた贅肉が「ぼるんっっ」とまるでさすがにコートの下にも上着は着ているが、少し開放された事から腹肉と、おっぱいの肉がコートの拘束から逃れた事を嬉しがるようにぷるんと僅かにゆれる。
もう5人前は平らげただろうか。大きいおなかも膨らんできた。
「っげぇっぷ」
女の子の声からは信じられないような見事なゲップが百刈の口から発せられる。
「まるで豚だなぁ・・・・。」
それを遠くから見ていたさきほど百刈に対して接客をしていた店員はそう率直に思った。
「あっ、だからみんな豚女、豚女って言ってたのか〜」
店員は店内の噂の内容 ですこし勘違いして理解していた事を正しく理解できた事から一人うんうんとうなづいてしまう。
暫くすると、百刈は前だけ空けていたコートを無理やり閉め、お持ち帰り用のセットを詰めた袋を持ってドスドスと帰っていった。

 

「はぁ・・・・コートキツすぎるから新しいの買っちゃおうかな・・・・。」
帰り道でそう百刈は思ったが、百刈が着れるサイズの服で百刈が気に入りそうな服なんてのは中々見つからないものだ。
「我慢しよっと・・・・どうせ外に出られればいいし・・・・」
そうぼやきながら家につくと、台所からお菓子やパン等を幾らか頂戴してドスドスと二階へ上がっていった。
服を脱ごうとしてコートに手をかけようとしたらその服に異変は起きた。
「ビリッ」
「・・・・・・・あ(///)」
百刈の顔が一気に赤くなる。
慌ててコートを脱ぎ、床にコートを広げて見ると、小さいながらも背中の縫い目が悲鳴をあげ、3〜4センチ程の切れ目ができてしまっていた。
溜息をつき、百刈は服を脱ぎ始める。
そして、下着のみの姿になって百刈は最近始めた寂しさやいまだ治らないショック状態の精神状態を忘れるための現実逃避の方法を始めた。
まず、鏡台の大きな鏡の窓を開ける。
すると、下着だけを身にまとった誰がどう見ても肥満体な自分の姿が目に映る。
今日の外出前に感じた奇妙な感覚はさほど感じられない。
「ほんとあなたって気持ち悪いくらい体してるよねぇ・・・・。」
冷めた声を演じつつ百刈は鏡の中の自分に冷たく当たり、イスに座る。

「ほら、座ると、お腹のお肉が下にいっちゃってだらしないわねぇ・・・。お腹にはりがあるから今はいいけど、歳をくったらきっとより一層みにくいデブになるわよ」
そういって、百刈は自分の腹を撫でるように揉む。
「ほら、おまたもぶくぶくしてて・・・・」
「おっぱいなんか気持ち悪い癖して乳首がびんびんに勃ってるし」
「顔なんかぶくぶくしててへんなの〜」
そう言って百刈は次々と自分に罵声を浴びせ掛けながら、下着を脱ぎ一糸纏わぬ姿になり、ちょっぴり邪魔な腹肉をやっぱりほんのちょっとだけ邪魔に感じつつ己の秘所に指を這わす。
「それに・・・・・・・」
すると、先ほど購入したハンバーガーを袋から取り出して自分の鼻に近づける
「美味しそうと判れば豚のように食べたがる。ほんとあなたって食欲だけがとりえの豚ね」
そう言うと、そのハンバーガーを口にねじ込むように食べる。
「限界まで食べて食べてぶくぶく太って・・・・・・」
そうぶつぶつつぶやきながら、右手は秘所をいじくりまわり、左手は店で買ったファーストフードやら台所で頂戴した食べ物をむさぼりつつ最後には
「そ、そそれで・・・・。   んあぁあぁああああああん!」
食べ物を食べながら百刈はイッてしまった。
鏡に映るのは、口どころかお腹や胸の谷間などをケチャップ、マヨネーズ、油、スナック菓子のカスで汚し、秘所はぐしょぐしょに濡れてしまって床も汚してしまってはしたないという言葉では形容するには生ぬるいみじめにも思えてくる自分の姿だった。
「ほんと、あなたって豚ね。しかもとってもエッチな豚ね!」

そうぶつぶつと(本人は力強く叫んでるのであろうが)つぶやきつつもまた指を秘所に這わせ、片手を食べ物に手にかけようとしていた。
つまり、自分の肥満体が人の目にさらされるストレスから彼女は自分はこんな身体じゃない。
痩せてて、小食な小柄な女の子だと思い込み、太ってる女の子(自分)を苛めていると思い込む事で、さらなる現実逃避を行っていたのだ。
そうしてそのまま吐き気がするくらい胃に食べ物を詰め込んだ百刈はそのまま雑魚寝してしまうのであった。
雑魚寝する桃仮の身体は重力で立ってるときとはまた違った肥満体を月灯りが照らしていた。

 

それから数ヶ月、留年してしまった百刈はさすがにまたもう1年留年するわけにはいかないと始業式始めから投稿する事にした。
いつも通りに学校に登校する2、3年生。初々しさを出しつつ登校する1年生たち。
○○(名前は自分の母校でも空想でも何でも)高校1年A組の教室は、高校に進学して中学の時の友人と離れてしまったが、あっという間に友達が出来て、ワイワイとたわいもない
会話に興ずる人もいれば、ガチガチに緊張して外ばかり見てる人、アニメ雑誌を広げてニヤニヤしてるオタク系の人、ケータイをいじってる物等、色んな人で賑わっていた。
「がらっ」「ドスドスドス・・・・・」
一瞬で教室内が静かになり、視線が一人の低身長でありがら太い女の子に集中する。
「・・・・・・・。」
その低身長でありながら太い百刈はその視線に対して顔を赤らめながら、右端の席に腰をかけた。
「ミシィッ・・・・・」
イスが悲鳴をあげる。
百刈は重そうな身体を立ち上がらせて、使われてないイスを自分の席のイスの横に配置して再度座った。
これなら、余裕もあるし、ミシッといく心配もなさそうだ。
本来であれば、今年度から2年だというのに、1年をもう一度やり直さなければいけないのはかなり恥ずかしいものがある。
「ダブりってバレたらどうしよう・・・・。」
そう思うと溜息が自然と出てしまう。
そう憂鬱な表情の百刈の身体は冬の時よりより一層変わっていた。

まず、首というのが無くなったように見えるほどまでになった。
おなかも、腹肉の増加に伴ってぴょっこりとデベソが出てしまった。
おっぱいも、大きくなって、身長に似合わず、1メートルクラスの巨乳、その上大きい乳輪にまで発達してしまった。
二の腕も、タプタプの肉が垂れ下がりはじめ、足はよりドラム缶に近い太さになってしまった。
百刈自身は現実逃避をしてる身なので、このところ半年以上も体重計に乗ったことが無かったので、健康診断で判明するのだが、身長146、体重は100を超える立派なデブになってしまっていたのだ。
食事量もすっかり増え、休み時間になると、購買でひたすらに食べ物を大急ぎで貪り、家に帰ると、ひきこもってた時と同様の生活サイクルを送る。
百刈はいまだに少しずつ、しかし着実に太っていたのだ。

 

そんな百刈もクラスの中で生活する内、少ないながらも友達はできた。
無論、百刈は心を開く対象を極端に制限するタイプなので、表面上はおとなしい女の子を 演じて応対してるだけだが。
それでも、幸運にもクラスのみんなは優しい人ばかりで、百刈にとってはそれが嬉しかった。
自分が大食いである事をみんな知ってるので、自分の弁当の3分の1を分けてあげたり、 パンをわけてあげたりで、すっかり大食い体質になってしまった百刈にとってはみんなにどう見られるか心配でならなかった昼休みは、今はむしろ楽しい時間になっていた。
が、それでも、百刈の生活サイクルはかつての状態に戻る事は無かった。
今でも、予定外に太りすぎた重い自分の身体に自己嫌悪する時があるが、オ○ニーにふけるとき、風呂から上がる時、汗だくの時に鏡に写る自分の膨れた体を見ると、どういうわけか、そんな自分がいとおしく思えるようになっていたのだ。
百刈本人も気付かなかった何かが太りゆく己の身体の過程を見ていく内に
どうやらあっちの趣味にめざめかかっているようだった。
(前兆はあったし相変わらず、一人で歩いてる時に周囲の視線にさらされる事に心苦しさ、苛立ち、 羞恥心等といった感情はまだまだあるのだが。)

 

 

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#たかまれ!タカマル,百刈芽衣,幸地ゆきえ


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