百刈編 鬼畜ルート

百刈編 鬼畜ルート

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〜3ヵ月後〜

 

人里離れた山中。
かつて百刈がそこで肥育された「蒼」の(本人のではなく親のだが)別荘がある山。
別荘までは砂利道を数キロいかねばならない。
その砂利道の入口付近で原付に乗ってメモ用紙をの内容を確認している青年がいた。
小笠原タカマルである。

 

〜私は今は元気にここのお家で元気に過ごしてます。
 とてもいい所なのでタカマルも是非きてください〜ゆきえ〜

 

「・・・・・って書かれてるけど、家出でそう言われてもなぁ・・・・。」
タカマル自身はとても信じられないが、ゆきえが行方知らずになってもうかなり経つ。
実際は少しでもゆきえの居場所の手がかりが欲しかったのだ。
手紙の中に入ってたメモ用紙の文はパソコンでプリントアウトされているもので、個人の特定はできない。
だが、それでも100分の1、いやそれ以下かもしれないが望みはあるかもしれない。
そんな気がしてゆきえが好きだったらケーキも自分の所持金から奮発して買ってきたのだ。
目の前の砂利道を通ろうとしたその時一台のセダンがタカマルの丁度横に停車した。
ウィンドウが開き、運転手がタカマルに聞く。
「そこの君、すまないけどここが○○村の□△山で間違いかな?」
「いや、僕は東京からきたんですけ・・・・・・へ?」
タカマルの目が点になる。

 

偶然にも目的地が完全に一致していたセダンの運転手とタカマルは一緒にその家へ向かう事にした。
見知らぬ人同士なのに何故かお互いスムーズに話が進んでそうなってしまった。
原付にチェーンをかけて駐輪させておくと、タカマルはセダンに乗り込んで改めて家を目指した。
セダンの助手席には女性が乗っていた。
「あなたもその家に用があって?」
タカマルはうんと頷きメモ用紙の内容をどういうわけか説明してしまう。
別に話さなくてもいいような気がしたが何故か話さずに入られなかったのだ。
前の席にいた2人は「え?」と顔を見合わせる。
「私達に届いた娘からの手紙も同じようなものなんですけど・・・・。」
「ど、どんなのですか?」

 

〜私は今は元気にここのお家で元気に過ごしてます。
とてもいい所なのでパパもママも是非きてください〜めい〜
P.Sあの時はごめんなさい。

 

「・・・・・・。」
「同・・・・じですね・・・・・・。・・・・って百刈さんのご両親っ!?」
「あら、お知り合い?」
タカマルは百刈がかつてSML編集部にいたことを説明する。
「・・・・・なにかありそうですよ・・・・・ね。」
タカマルがとても心配で胸が押し潰れそうな気持ちでイッパイになる。
それは百刈の両親も一緒だ。
車内が重い空気で支配される。
だが、そうこうしてる内に車は家にたどり着き、目の前には軽井沢の別荘と思える程の立派な家が建っている。
3人は息を飲んでドアを叩く。
「どなたかいらっしゃいますかー?」
ドンドンとドアを叩くも何も反応がない。
イライラしたタカマルはドアノブに手をかける。
すると、ガチャッと普通にドアが開く。
チリンチリンと鈴がなり、家の中に入った3人を木の香りが出迎える。
室内は木目調に綺麗に統一されており、ちゃんと家電製品も家具も取り揃えられている。

だが、どうも人がいる気配がない。
良く見ると、テーブルや台所はうっすらと埃をかぶっており、自分らが立っている位置から地下室に通じる階段までは埃がない。
「?」

 

3人とも明らかに怪しい地下室に何かあるとふんで、地下室に向かった。
短い階段を降りると突き当たりにドアがあり立ち止まる。
「・・・・・ここにいるのかな?」
「さぁ・・?」
「・・・・。」
3人ともドアを前にして何だかあけてはいけない物を目の前にしてるかのような錯覚に陥る。
3人が開けるか開けないか迷っていると何かドアの内側からガサゴソと物音が聞こえる。
聞き耳立ててみると、クチャクチャと咀嚼音が聞こえる。
「(何か食べてるのかな・・・・?)」
タカマルが内心そう思っていると、

 

「ふ・・・・ふあっ・・・・・。」

 

3人ともギクリとする。
咀嚼音の次は女の子の喘ぎ声が聞こえてきたのだ。
しかもその声は変わってる感じがするが間違いない。
ゆきえのだ。
「ゆきえさんっ!」
タカマルがそう叫ぶのと同時にドアを壊さんばかりの勢いでドアを開け放つ。
「うっ・・・・・。」

 

3人ともドアをあけた瞬間立ちこめた色んな臭いが混じって3人の嗅覚を強く刺激する。
下を見ると、お菓子やケーキやら何やらの食い物の包装紙や箱と、大量の丸められたティッシュやフカフカさなど微塵も感じられなくなっているタオルが散乱していた。
回りには食べ物が大量にまるで捨てられているかのように大量に固まって置かれており、大きい冷蔵庫がブーンと音を立て、複数台の電子レンジの内数台が稼動している。

 

グチャグチャムシャムシャパリパリモリモリガフガフ

 

オーバーな咀嚼音を鳴らして貪るように食い物を食う人影・・・もとい丸みを帯びた物体というべきか。
その物体は2つあるようでモゴモゴとうごめくさまはRPGにでてくるモンスターにも思える。
薄暗いため3人は近づくと、それが人2人の後姿であることをやっと認識する。
その後姿は酷く太っていて、背中には脂肪による段が形成されている。
首なんてものはなく、肉の山に頭髪がくっついているように見える。
ギネスブックを開けば似たようなのがいそうでもある。
頻繁にゲプッと低い声でゲップもする。
尻も饅頭のようになっており、2人とも刺青でなにやら彫られている。
「豚刈 芽猪」 「幸地 豚江」
2人のお尻にはそうハッキリと刺青が彫られていた。
「メ、メイちゃん・・・・?」
「ゆ、ゆきえさん・・・・・?」
ビクッと2人の動きが止まり、恐る恐る自分タカマル達の方を向いた。

 

タカマルと百刈の両親の目に映ったのはフィクションとも思える程に肥えに肥えた2人の姿だった。
それから一瞬の間を置いて地下室から5人分の甲高い悲鳴が鳴り響いたのは言うまでもない。
ただ、部屋の各所に備え付けられた監視カメラが淡々とその5人のパニックぶりを撮影していた
そのカメラが撮影した映像はネットに接続されそして――――――

 

一方「蒼」達は、百刈らを放置してた家からかなり離れた所にある「ぬるぽ」の家にいた。
「ぬるぽ」の部屋には5人ともいており、皆がノートパソコンを持ち寄っている。
パソコンの画面に流されているのは、現在変わり果てた百刈と幸地と出会って、双方とも大パニックに陥ってる光景であった。
「お、すげぇこのおばさん倒れたよ。www」
「お、ゆきえちゃんのあのすっげぇ顔見てみろよ。w」
「でも、太りすぎてちーっとばかしよくわからんな。」
「ギャハハハハ!そうにちがいねぇ!」
「で、この動画、漏れ達同様の変態君のパソにも配信されてんだろ?」
「今ごろあいつら誰も彼もお祭り状態じゃねぇの?」
「お、あんのガキ誰だ?」
「ああ、ゆきえちゃんの彼氏だとよ。それもかなりのゾッコンとか」
「うわー。wそれじゃあショックでかいわな。デブを通り越してバケモノクラスだからな。w」

 

そう、「蒼」の言ってた「テイク2」とはこの事だったのだ。
精神的に破綻きたすまでその脂肪を弄んだ後に、肥育ではなく、単に太らせるためにひたすら食い物を与え続ける。
食品はとにかく高カロリーの物しか与えず、適当な時に脂肪注入してやる。
現在の2人の体重はおぞましい事になっているだろうがそんなの知ったことではない。
精神的に破綻して肉塊になってしまった2人を彼氏や親が見たらどう思うか。
最悪な形での再会を演出してあげるのが目的であったのだ。
さらには前もって備え付けた監視カメラによって、今は散り散りになっている変態どものオカズとしてリアルタイムで配信される。
ご丁寧にナローの輩のためにzip方式にして後で配布するというご丁寧ぶりだ。

 

この後、「蒼」達は姿を消し、変わり果てた百刈と幸地がどうなったのかなんて知る事もなかったという。

 

〜おしまい〜

 

 

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#たかまれ!タカマル,百刈芽衣,幸地ゆきえ


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