624氏その3

624氏その3

前へ   1/5   次へ

 


#催眠,MC,mc

 

「まったく、あんたってどうしてそうデブなのよ!」
私の名前は明石 麗奈、私が話している相手の名前は風花、
昔からの仲良しなんだけど、一つだけ、許せないことがある。
「でもね。このケーキ、すごくおいしいんだよ〜。」
こいつ・・・。
「いっつも言ってるでしょ!私がこの世で嫌いなものはバカとおせち、そして・・・最も嫌いなものは・・・」
「デブ、だよね?」
「分かってるならやめなさいよ!あんたは昔馴染みだから特別とはいえ・・これ以上太ったら・・・。」
そう、風花は少しぽっちゃりしている、しかもそれをあまり気にしていない。
私にはそれがどうしても許せない。
デブとは自分を崩壊へと導く最も愚かなもの。
そもそも、すぐばてるわ臭いわ、そのくせ人の倍以上食う。
体育祭なんかじゃ、私がどんなに活躍してもあいつらが足引っ張るのよ!
「それだと、麗奈は私の中身ではなくて外見で仲良くしてるっていうことなの?」
「ち、違うわよ!でもね、誰にだって耐えられないものってのはあるのよ。それが幼馴染のあんたでもね。」
「・・・でもさ、麗奈も最近少し・・・。」

「な、ななななな、何言ってるのよ!わ、私がふ、太ってきているとでも・・・!」
「パッと見は変わってないけど、私には分かるよん。」
そういうと風花はサッと私の後ろに回り、服の中に手を突っ込む。
「つかめたよ。ほらね〜。」
「あ、あんたが!あんたが目の前でいっつも甘いもの食べるせいよ!だからこそ許せないのよ!」
「むー、じゃあどうすればいいのかな?」
「そんなのあんたがやせればいいに・・・!」
といいかけたとき私の頭に素晴らしいアイデアが浮かんだ。
「いえ、そうね。確かに私、少し・・・少しだけだけど!・・・太ったかもね。だからこうしよう。勝負するの。」
「え、勝負?ど、どういうこと?」
「ダイエット勝負よ!負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く!」
「だ、ダイエット・・・む、無理無理〜。」
「ダメ!もう決めたわ!」
「れ、麗奈・・・目が怖いよ?」
「いいじゃないの?お互い痩せれてね!期間は夏休みの2ヶ月…ふふふ、どうなるかしらね。」

 

 

<風花視点>
ど、どうしよう。押し切られちゃったけど、ダイエット勝負なんて…
そ、それに、今までは別に大食いではなかったのに…。
ちょっと太りやすい体質だっただけなのに。
食べちゃいけないと思うと、なぜか食べたくなってしまう。
こ、これじゃあ勝負する前の方がよかったよ〜!
しかも、最近麗菜食べるのとめてくれないし…。
「風花〜、ご飯よ〜。」
「は、は〜い。」

 

「お、お母さん、これは?」
「風花ちゃん!あなた最近お菓子ばかり食べてご飯、残しちゃうから、ちょっとした罰よ。全部食べるまで許さないからね!」
「そ、そんな、…食べるけど。」
お母さん、栄養士で自分の料理に自信持っちゃってるから…、
私がダイエットのためにご飯残しがちだったのがかなりキテるのね…あう〜。
「あらら、もう食べ終わったの?」
「う、うん。何か、別に全然食べれたよ。…まだ食べれるくらいかも〜。」
「そ、そうなの!それじゃあまだまだあるわよ!今日もお父さん精神科のお仕事長引くみたいで余っちゃってたのよ!あ〜良かったわ〜。」
「あ、ちょ…、た、食べれるといっても…。」
「はい、風花、どんどん食べてね♪」
「う…うん。」
ダメ…お腹パンパン、

 

ぐーっ!
夜になるとまたお腹が鳴り出す。
大体お父さん帰ってくるの遅いのに晩御飯が毎日7時っておかしいよ。
夜お腹減ってると眠れないし〜で、でも我慢しな『ぐーーー!』……きゃ。
・・・・・よし、無理!お菓子食べよ!明日から頑張ればいいもん!

 

「最近風花ちゃん、いっぱい食べてくれてうれしいわ〜!今日もいっぱい奮発しちゃった♪」
バカ親だ…。これは、ここでしっかり言っておかないと大変なことになる…。
「お母さん、あのね…」
「風花ちゃん。」
「え、何?」
「昨日の夜、何か食べてたわよね…?夜にお菓子が入るのに、私のご飯じゃダメなの?」
「そ、そんなわけじゃ…。」
「それじゃあたべてくれるのね♪」
「う、うううう、た、食べればいいのね!た、食べまくってやるもん!」
「うん!風花ちゃん、その意気よ。」
ああ、昨日の決心はどこへやら。
しかもよりによってお母さんの料理はかなり上手。
もっと幸せな気分で食べてもいいはずなのに〜!

 

勝負を決めた日から3週間たったころ
「あ、あんた、勝負って言葉の意味、ちゃんと分かってるの?あ、店員さん、私、このヘルシースパで。で、あんた注文は何にするの?」
ファミレス、麗奈と一緒。
目の前にはあきれ果てた麗奈の姿。傍には注文を待つ店員。
「わ、分かってるよ!あ!わ、私、このジャンボハンバーグにポテト、そ、それに鳥のから揚げ!あと、えっと、デザートはあとでいいんですよね。」
「はい、大丈夫ですが…。」
「じゃあそれでお願いします。」
「はぁ、かしこまりました。」
「あ、あんたねぇ、何バカみたいに注文しまくってるのよ!勝負前の2倍以上になってるじゃない!しかも何よその体型!もう10kg近く太ったんじゃないの!?」
「そ、そうかなぁ、あ、あれ、麗奈ちょっとやせた?」
「あ、当たり前でしょー!勝負してるんだから頑張ってんのよ!なのにあんたは…、決めたわ!もし、もしも私がこの勝負に勝ったら…、あんたと絶交する!!」
「え、ええええええええ!!ちょ、ちょっと待ってよ!そ、そんな、もう無理だし。そ、それに絶交って!?」
「あんたにはいつも言ってるでしょ!私はあんたのことは好きよ。でもね、それ以上にデブって生き物が大嫌いなの!この前まであんたは単なるポッチャリだったのに今じゃ立派なデブなのよ!体重は何kgなの!?」
「ろ…66kg…。」
「66!?あ、ありえない!」
「ね、ねえ!わ、私って、ほ、ホントにデブなのかな?も、もっとすごい娘たくさんいるよね。」

「デブよ…。けっこうなもんだわよ。とにかく私の条件は絶交!それでいいわね!」
「…うう、麗奈、見た目で友達と付き合っちゃダメだよ。わ、私とは心の友でしょ?」
「な、何いってんのよ。それに前から言ってるでしょ。デブはダメなの。生理的にダメ。絶交したくないなら頑張って痩せればいいだけじゃない!私、もう帰るからね!」
「あっ!麗奈ちゃん!!」
うう、そんな、絶好だなんてひどいよ。
「ううう、ヒック…ううううう。」
「お客様、ヘルシースパにジャンボハンバーグにポテト、それに鳥のから揚げでございます。」
「うう…、何でこんなおいしそうなのよぉ…。あっ!て、店員さん!」
「何ですか?」
「食後にジャンボパフェとバニラアイスのL、お願いします…。」
「は、はぁ、かしこまりました。」
「う、ううう、つい頼んじゃったよぉ。痩せなきゃ絶交なのに…、絶好なのにぃぃ、…もったいないけど少し食べて残そう。」
とりあえず、軽そうなヘルシースパだけ食べて帰ろう。」
ヘルシースパをすする。
味はあっさりしていて体に優しい、食べやすく、乗っている野菜がいい感じで味を演出している。
「おいしい!…ってあれ、も、もう終わりなの。」

さっき食べ始めたばかりなのにもう目の前には空の皿。
「で、出ようかな、そ、そう決めたもんね。麗奈と一緒のときはいつもこれくらいしか食べてなかったしこれでじゅうぶ…」
グーーーっ!!
「…、じゃ、じゃあポテトだけ、うん、ポテトだけ食べるのを許可します〜。で、でも、これ食べたら、絶対外に出るからね〜分かってるよね〜風花〜?」
そういいながらポテトをわしづかみにし口に投げ込む。
「ど、どうして…」
目の前にはさっきまでポテトが入っていた空っぽの皿。
「どうしてこれだけなのよぉーーー!」
足りない、全然足りてない。この状態で外に出る?
無理!絶対無理!
で、でも食べ過ぎると…麗奈と、一番の仲良しの友達と…絶交。
ど、どうすれば…そ、そうよ、今食べたのはヘルシースパにポテト、一般に量が多いとはあまりいえない代物、
最近よく食べるようになってきた私がいきなりこれだけの食事に減らしたら無理がでるのは当然!
徐々に量を減らしていくのが正解なんだ。
ということは次に食べるのは…ジャンボハンバーグ!!
これ食べたら本当の本当に最後!絶対外に出る!!

 

「あふぅ〜、おいしい、濃厚なソースが贅沢に使われた肉と溶け合いかもし出すうまさ!ハーモニーっていうのかなぁ〜、味の調和っていうのかなぁ〜うう、おいしいものを食べれるって幸せだわ〜。幸せの繰り返しだよ〜!」
で、目の前には空っぽの皿。
食べることって素晴らしい…。
素晴らしすぎて変な風にトリップしてしまったけど…。
さて、出るか……。
目の前には8個もの大きめの鳥のから揚げ。

 

「い、いまさらこれぐらい、食べても食べなくても同じだよね!と、とりあえずちょっとだけ…たべちゃえ!……お、おいしい!……も、もう一個だけ…おいしい!!な、何かお腹すいてきた…。た、食べれば食べるほど…」
バクッ!
「もっと食べたくなってくるよぉ〜。おいしい!も、もう全部食べちゃえ!!」
で、全部しっかり食べちゃいましたとさ。
ハイハイ、私はバカですよ。
そのぐらいしっかり分かってる。
でもバカなのはしょうがないもん!今日はさっさと帰ってもう寝よう〜。
あ、明日から運動しまくってやるもんね〜!
「お客様。」
「え、な、何ですか?」
「ジャンボパフェにバニラのLでございます。」
わ、忘れてたーーーーーっ!!!

 

 

今、世界で一番バカな人間を挙げろと言われたら、私は迷わず自分を挙げるだろう。
ああっ!バカバカバカ!私のバカ!アホ!スカポンタン!デブ!
……デブ?
あの後、ジャンボパフェとアイスを食べた私は、店員に3時からケーキバイキングがありますなどと持ちかけられ、せっかくだし…食べますなどと訳の分からない返事をし、さらに食べまくった。
バカだ…、でも、食べるのってホントにステキなことなのに、食べてて思ったけど、特に最近たくさん食べるようになってから、料理がとてもおいしく、温かく感じる。
麗奈がやせすぎなんだよ。
食べるってことはこんなに幸せなことなのに…。
とはいっても私は太りすぎだけど…はぁ…。

前へ   1/5   次へ


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database