500氏その1

500氏その1

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#サモンナイト,サモナイ

 

 

1.発見は突然に…

 

ある島、機界集落ラトリクス・リペアセンターの一室で、看護医療用機械人形(フラーゼン)クノンは思考を巡らせていた。
クノン(以後クのみ)
 「(私は…どうしてしまったんでしょうか?私はこの気持ちを調べていくうちに、恐ろしい物だとわかったのに…どうしてもこの気持ちは消せなくて…きっと私は壊れてしまったんですね…アルディラ様)」
クノンは1週間前、自分のマスターである機界集落の護人、融機人(ベイガー)のアルディラにラトリクス中央管理施設のデータの整理を頼まれ、データの整理を行っていた。
大半が整理し終わりふと目をやると部屋の隅の壁と機材の間に古ぼけた赤いディスクを発見した。
ク「? これは…かなり古いディスクですね、これも整理するべきでしょうか…」
すぐに整理しようとしなかったのはラトリクスのディスクは色分けがされているのだが赤色のディスクは存在していない筈だからである。
ク「…一応中身を確認し、整理するべきかしないべきか判断しましょう」
そう言うとクノンは、ディスクを管理施設のパネルにダウンロードして中身を見た。
ク「かなり圧縮されているようですね、貴重なデータなのでしょうか?………!?」
中身を見たクノンは驚いた。
裸のかなり太った体型の女の人が普通の体型の女の人(こっちは服を着ていた)に胸を吸われたりお腹を撫でられたりという、いわゆるレズ系&デブ専のセックスをしている映像が映し出されていた。
ク「こっ、これは整理する必要はないですね! すっ、すぐに破棄しましょう!!」
慌ててディスクを取り出し破棄しようとした時に、扉が開いた。
アルディラ(以後アのみ)
 「クノン? 何やら騒がしい音が聞こえたんだけど…何かあったの?」

ク「アッ、アルディラ様!? い、いえ何もなかったです!! 心配をかけてすみません…」
ア「そ、そう? なら良いけど…整理がすんだら呼んでね、あと好きなディスクを1枚だけ持っていっていいわよ、整理してくれたご褒美よ」
ク「はい。ありがとうございます」
アルディラが出て行くとクノンは取り出したディスクを見て…
全く未知の世界の記録のディスクを見て
ク「好きなディスクを1枚だけ、ですか………破棄するつもりでしたし、他にほしいディスクはありませんし…これに、しましょうか」
整理を全て終了させて、アルディラに報告したあと
リペアセンターに戻ったクノンはあのディスクを手にして
ク「つい持ち帰ってしまいましたが、こんな物は…」
そう言いつつもクノンはディスクを再生して映像を見る、
音声はなかったがこと細かくレズ系のセックス技術や、女の人をどうやって太らせるかの方法が大量に保存されていた。
ク「これほどのデータ量が…圧縮しないと入らない訳です、しかしこれは…」
いつの間にか見入っていたクノンは想像を巡らせていた。
ク「(もしアルディラ様に私がこのデータの通りの事をしたなら……!! そ、そんなことは駄目ですそんなことは……)」

 

 

2.1つの決断

 

ディスクを発見して2週間程が経ち、クノンはアルディラを見るたびにディスクで見た物を自分がアルディラにやったらと考えていた。
ク「(このままでは本当にアルディラ様にやってしまいそうです…こんなことを考える機械人形は…やはりもう完全に壊れてしまったんですね)」
その頃、ラトリクス中央管理施設のアルディラの自室(?)でアルディラとアティ先生が神妙な面持ちで話し込んでいた。
アティ(以後もアティ)
 「クノンの様子がおかしい?」
ア「ええ、そうなのよ。この所妙に口数が減って、まるで私を避けているみたいなの…」
アティ「何か心当たりは無いんですか?」
ア「それがまるで無いのよ、だから貴方に聞いたのよ。私以外にあの子が話をしたのは貴方だけだから…」
アルディラがそう答えるとアティ先生は困った顔をした後、ポンと両手を叩いてニコニコした顔で。
アティ「う〜ん、そう言われても私にも無いんですよ…直接本人に聞いてみれば良いんじゃないんですか?」
ア「え?」
アティ「クノンの様子がおかしいのには何か原因があるんでしょうし、聞いてみればいいんですよ」
ア「でも…私を避けてはいるんだけど視線がなにか変なのよね、危ないというか艶かしいというか…」
アティ「?…そうなんですか、けどまずは話を聞いてみましょうよ」
ア「え、ええ、そうね。それしかないわね」
リペアセンターへアティ先生とアルディラが向っている時、クノンはまた思考を巡らせていた。

ク「(壊れた私がこの気持ちを抑えるのは、もう限界です! しかし実行しようにも失敗をしてアルディラ様が醜くなってしまったら嫌です!! ………あ、そうだ? 実験体がいれば…あのディスクを参考資料にして実験を…しかし誰を…)」
クノンはその時、自分が不敵な笑みを浮かべていることに気が付かなかった。
そして不意に後ろから声をかけられた。
ア「…クノン?」
不意の声にクノンは驚いたがすぐに冷静さを取り戻して。
ク「!?…何か、御用ですか?」
ア「いや、別に用は無いけど…」
ク「では、私は作業が残っていますので、失礼します…」
アティ「ちょっと待って、少し話をするぐらいはいいでしょう?」
ク「……わかりました (アティ様…そうですね、すみませんがあなたを実験体に使わせて頂きます…)」
アティ「よかった、ほらアルディラ?」
ア「ええ…クノン、貴方最近口数が減って、なんだか元気が無いようだけど何かあったの?」
ク「大丈夫です。ただ思考を…繰り返していただけですから (アルディラ様に実験のことを知られる訳にはいきません、 どうかこのまま中央管理施設に戻ってください…アルディラ様)」
アルディラはクノンが何か隠していることに気が付いたが、何も聞かず優しく微笑んで。
ア「クノンがそう言うのなら大丈夫と思うけど、もし何か悩んでいるのなら話してね? 私は貴方のマスターなんだから…」
ク「アルディラ様…わかりました、心配をかけてすみません」

クノンが口元に軽く小さな笑みを浮かべて答えたあと、アティ先生が嬉しそうな顔で。
アティ「よかった〜、これで安心です♪ アルディラやっぱり話してよかったですね」
ア「そうね、じゃあ私は先に戻るわね。少し中央管理施設でやり残したデータ処理があるから」
アルディラがリペアセンターから出て行った後、クノンはチャンスが来たと言わんばかりに、しかしごく自然に切り出した。
ク「アティ様、少しよろしいですか?」
………不敵な笑みを浮かべて。

 

 

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