263氏その1
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俺は真理の背中に手を回す。ギュッときつく抱きしめる。
髪から漂う良い香り。香水だけじゃなく、汗の匂いが交じっているのが分かった。
俺は服越しに、ブラジャーのホックを捜す。
やっぱり、無理矢理つけてるのかな…
指に感じる背中の段差。ブラジャーの部分だけが低く、そして硬くなっている。
そこから逃げるように溢れる脂肪。
ブラジャーはまるで、脂肪の海に架けられた1本の橋みたいだ。
…ん? 橋は海から出てないといけないか。あれ? 橋って川にかけるものだっけ。
ホックを見つけ出し、スライドさせる。
いつもより、硬い…。
力を入れてスライドさせると、予想を超えたスピードでホックが外れた。
パチッと音がする。
『ごめんっ… 痛かった?』
『大丈夫。』
そう言って真理が微笑んだ。いや、微笑んだと思う。
月明かりだけでは暗すぎて、真理の表情がよく見えない。
ゆっくりと真理を倒し、キスをする。
俺は真理の背中から手を抜き、今度は前からブラウスに手を入れた。
ギッ… とベッドの軋む音がする。
背中以上に柔らかい胸に手を当てた。感触を確かめるようにゆっくり揉む。
やばい、めちゃくちゃ気持ちいい…。
今までの真理の体に欲情しなかったわけじゃないけれど。
今までとは比べものにならないほどの気持ち良さを感じた。
水をパンパンに入れた風船のような弾力とみずみずしさ。
それでいて、マシュマロのように柔らかい。あたたかな体温も感じる。
『んっ… お腹触るん止めてや…』
…?? 恥ずかしそうに振り絞られた真理の声。
俺は触るのを止め、洋服の中から一度手を抜いた。外気が少し冷たい。
あ… 今まで触ってたのはお腹だったんだ。
悪いことしたかな、そう思いながら真理を見る。
暗さにやっと目が慣れてきて、真理の表情がわかった。
怒ってるような、恥ずかしそうな表情。
肉のついた頬を少しだけ膨らませて、上目使いで俺を見つめてくる。
瞳に俺が写り込んでいる。
そっとキスをして、上からボタンを外していった。
デザイン重視の丸いボタンは少しだけ外しにくくて。それがすごくもどかしい。
3つほどボタンを外した俺は、ブラウスを黒いキャミソールごと脱がせた。
真理が背中を浮かせ、手を上にあげる。
このブラウスがそういうものなのか、それとも詰め込まれた肉がひっかかっているのか分からないけど、袖の辺りに何かひっかかりを感じる。
脱がせづらい。なんとか脱がせた服を放り投げた。パサッという音がして床に落ちる。
暗闇に慣れた目で見つめると、自分が浮気をしているような錯覚に陥った。
綺麗にくびれた細いウエスト。 仰向けになると、存在感のかけらもなくなる胸。
無駄な脂肪どころか、必要な脂肪すらない細い体だったはずの真理の上半身は、
不必要な脂肪で溢れている。
括れどころか、重力にも対抗して迫り出したお腹。
スカートが飲み込まれるかのごとく食い込んでいる。
大きくなった胸はお腹と同様に存在を主張するようになった。
『あんま見んといて…』
俺の視線に気付いた真理がそう呟く。
手が蒲団を掴み、体をくねらせて蒲団に隠れようとする。
ギシッ… とベッドが軋んだ。それと同時に、ビリッと何かが破れる音。
…スカートか。
スカートのウエスト部分が破れて、肉が溢れ出す。
ピッタリフィット… どころか、脂肪が入り切らないキツキツのスカートを脱がせられそうにない。
スカートを引き裂いて投げ捨てる。くっきりとスカートの後が肌に残っていた。
スカートの痕に触れる。くっきりと後が残っている。
すべすべの白い肌に走る赤いライン。
よく見るとブラジャーの痕も、ブラウスの袖口の痕も残っていた。
白と赤のコントラストが綺麗だ。
胸に触れる。ずっしりと重い感触。手の平は胸、手の甲はお腹。
脂肪のあたたかなクッションで包まれた手が少し汗ばむ。
『んっ…』
胸を揉み、突起に触れた。真理の喘ぎ声。身体が熱くなる。
『あっ… やっ…』
真理の下着に触れた。じっとりと濡れた感触。
『嫌なの? こんなにべとべとなのに。』
『んっ…』
もう一度触れる。
『嫌なら止めるけど??』
俺は手を止めた。真理の顔の赤みが増す。
『…やめんといて…』
小さな声で呟く真理。かわいすぎてもう少し虐めたくなる。
『聞こえない。』
冷たい声で返す。
『やめんといて』
さっきよりも少しだけ大きな声で真理が言う。俺とは目を合わせようとしない。
『どうしてほしいの?』
『……』
焦らされて、恥ずかしさと快感の狭間で涙目になる真理。
貯まった涙でいつも以上にキラキラする瞳。覗き込み、無理やりに目を合わせる。
『どうしてほしいの?』
『……触ってほしい』
やっとの思いで絞り出した声。
『えっ、何?? ここ??』
分かっているけど、聞こえているけど、俺はたぷたぷしたお腹に触れる。
お腹が揺れる。脂肪が波打ち、全身に伝わる。
『…あっ… ん… お腹は… 触らんといて…』
『こんなに脂肪つけて、触って欲しいんじゃないの?』
真理が不安そうな表情でこっちを見る。
太ったことを直接的な言葉で言われ、不安になっている。
その表情がまた、かわいい。理性が飛ぶ。押さえが効かなくなる。
真理の下着を剥ぎ取り、すばやく服を脱ぐ。
真理と1つになり、高速で腰を動かす。
『あっ… あ… ん… ん』
喘ぎ声を聞きながら、俺は白い液体を真理の大きなお腹に出した。
『ごめんな…』
シャワーを浴びた真理がお風呂から出てきた。
バスタオルは丸くなった身体を隠すには少し小さいらしい。
少ししか重なりのないバスタオルは、歩く度に離れて身体が見える。
電気の明るさの中で見る真理の姿。本当に太ったなぁと実感する。
『ごめんって、何が?』
謝られる心あたりがない。謝らないといけないなら解るけど。
だって、虐めてしまったから。
『…太ってしもて… すぐにちゃんと痩せるし…』
そう言って真理が俯く。少し間を開けて、意を決したように顔をあげる。
『すぐ痩せるし、嫌いにならんといて』
縋り付くような目で俺を見つめた。涙でキラキラする瞳。
泣くのを堪えて固く閉じられた口と眉間の皺。真理の全てが愛しい。
『良いよ、別に。愛するところが増えただけじゃないか。』
そう微笑みかける。真理の目が大きく開く。口元が緩む。
涙が真理の丸い頬を伝うのが見えた。
『そういえばさ、出掛けたときは太ったこと気にしてなかったみたいだったけど?』
ベッドの中で腕まくらをしながら俺は尋ねた。
『え〜? 上手く服で隠せてたやろ〜??』
…こいつ、楽観的だな。
『…隠せてるわけがない』
俺は呟く。
『えっ何??』
丸い目が俺を見つめ返してきた。
『なんでもない。』
『気になるな〜。まっ、えぇや。それよりお腹空いたな〜』
真理が蒲団から出て冷蔵庫に向かう。
丸い背中が、大きなお尻が、太い足が…身体全てが揺れている。
『これ食べてえぇ?』
俺の返事を待たずに食べ始めた。これからも着々と太っていくんだろうな。
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