聖ユシトヨ学園

聖ユシトヨ学園

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「・・・ねぇ、おかーさん」
「どうしたの?」
「学校で身体測定があったんだけど、終わったら変なプリントもらったの。先生は『両親に見せてね』って言ってたから・・・ このプリント読んでみてね」
そういうと、女の子は母親にプリントを手渡した。

 

・・・このプリントが今後の彼女の運命を劇的に変えるものとは知らずに・・・

 

そんな日が数日続いたある日、クラブを終え学校から出ようとしたとき先生に引き留められた
「莢木さん、明日で君はこの学校を去らなければならない」
「・・・えっ?」
最初私は何を言われたのか理解できなかった
私は頭の中を整理し当然のごとく異議を唱えた
「なんで私がこの学校を出なくちゃいけないんですか!?」
「君が怒るのも無理はない、だけどね・・・」
その後先生から聞いた話をまとめると以下の内容だった
・私の両親が転校届けを出していること
・先生方はそれをあっさりと理由も聞かずに認めたこと
・友達みんなが、明日開催される(らしい)送別会の準備をしていること
といった内容であった
私は両親の勝手な行動に激怒した
「なんで勝手に転校届なんてだすのよ!? しかも私に何も言わず! 普通何か言うはずでしょ? おかしいじゃない!!」
思ったことを全部口に出して言った後、両親の反応を待つと
「すまない・・・ だが、どうしても理由は言えない」

という言葉が返ってきた
信じられない、私はそう思いすぐに部屋に入って寝ることにした

 

朝を迎え、学校に行くと先生が昨日言っていたとおりみんなが盛大な送別会を開いてくれた
私は表向き楽しくしていたけど、昨日の件がまだ心に引っかかってみんなの送別会に感動できなかった
「・・・急なんて、あんまりだよ」
送別会が終わった後、親が迎えにきたのでその帰り道、わたしは涙を流しながら、そう嘆いていた

 

翌日
昨日はずっと泣いてて、気づけば朝になっていた
「・・・今日から新しい学校なんだ」
そう口に出すと、昨日の送別会のことを思い出し、悲しくなった
今日から新しく行く学校は全寮制のかなり規模の大きい学校らしい
家の中が騒がしかったのは私をその寮に入れるための引っ越し準備らしかった
「何からなにまで、勝手に決めちゃってさ・・・」
親の勝手な行動に嫌気がさした香苗は、寮に入ることを拒まなかった
ふてくされて車の中に乗っていると、その学校へ着いた

 

「聖ユシトヨ学園、かぁ・・・」
着くと私は、車から降り、親と少し話をした後
「いってきます」
と、告げ校門の中へと行ってしまった
香苗の両親は、香苗が見えなくなった頃、車に戻り、、、
父親は涙ぐみ母親は声を出して泣いた・・・

 

「ほんと。聞いたとおり広いがっこ、じゃない、学園だね」
香苗はあまりの広さに驚きながら、今日入るらしい転校生が集まる場所 校庭へと足を運んだ
歩きまわってやっと着いた校庭には多くの転校生たちが集まっていた
「こんなに、転校生がきてるんだぁ・・・ なんか不思議な感じ それに転校生って女の子ばっかり」
そぅ、校庭に集まっているのはほとんどが女子なのだ
男子もちらほら見えるが、たぶんここの生徒だろう
見知った顔もいない香苗は、誰かいないかと校庭の中を歩き回った
すると
「・・・ねぇ、あなたナカ中の生徒じゃない?」
と後ろから声をかけられた
振り向くと、見知った顔ではないが同じ中学の人がいた
「あなたは?」
私はそぅ尋ねた
「私は瀬川渚(せがわなぎさ)、あなたの名前は?」
「莢木香苗です。」
簡単な自己紹介をした後、同じ中学と言うだけで中々盛り上がってしまった

聞くと、渚さんは三年生で先輩らしいけど、身長もそんなに高くなくて幼さの残る顔立ちしてるから、失礼だけど先輩に見えなかった
あれこれと話していると、校庭に設置してあるスピーカーからアナウンスが流れた

 

「生徒の皆さん、ようこそ聖ユシトヨ学園へ♪ 私たちはあなたたちを歓迎します」

 

「こんにちは、転校生の皆さん。今日は転校初日ですのでこの学園の制服等を買っていただきます。お金の方はすでに皆さんのご両親から頂いているので、皆さんはそれを受け取ってください。」
そうアナウンスが流れると、校庭の中に大型のトラックが入ってきた
トラックは数台来ており、それらは校庭の中央まで来て止まるとすぐに販売の準備に取りかかった。
皆トラックの方へと向かい順番に制服を受け取っていった。
人数がそれなりに多いため、時間がしばらくたち、1時間ほどで全員に制服が行き渡った
するとまた、アナウンスが流れ
「はい、全員受け取りましたね。それでは今日はここで解散です。係の者が寮まで案内するのでついて行ってください。・・・それでは、この学園で良い思い出を・・・」

 

そう告げるとアナウンスは切れ、男子生徒が数人、「寮までご案内し隊!」という少しふざけた看板を掲げみんなを寮まで案内していった
香苗は受け取った制服が入った袋を提げ、渚と一緒に列に入っておしゃべりをしていた
「今日はあまりすることありませんでしたね」
「そうね、今日はまあ、みんなの顔合わせといったところなんじゃないかな?」
そんな会話を続けていたら、寮に着いた
その寮を見た香苗と渚は
「「おおきぃ〜」」
とつぶやいていた。
そう、今から香苗たちが入る寮は、ぱっと見ビルのような建物であった
しかも都会の中心部に建っていてもおかしくないような大きさだ
「・・・これは、引っ越しの荷物運びが大変ですね(苦笑)」
「そう、ね」
あまりの大きさに二人は驚いていた

 

香苗と渚は、同じ部屋に入ることにした
(寮内部がかなり広いので、部屋の選択は各々自由となっている)
部屋は二人で一つであり、ベットも二つ置いてあった。
一人で寝るのには十分・・・ というかあまりにも大きい
「わあw すごい大きいベット、何か贅沢な感じがしますね」
そういって香苗はベットの隅へ腰を下ろした
「う〜ん、私は布団派なんだけどなぁ」
そういっているものの渚も大きいベットを見てすこし嬉しそうである

 

・・・数時間後・・・
「ふぅ〜、よしっ。荷物も全部入ったし、整理整頓もしたw 今日はこれで終わりぃ。」
そういって渚がベットの上へダイブした
「(先輩、本当は大きいベットが嬉しいんだろうなぁw)」
と香苗はベットの上ではしゃいでいる渚をみてほほえんでいた。
「あ、そうだ香苗ちゃん。制服着てみない?」
「ん〜・・・ そうですねw 着てみましょうか」
そういって二人は今日受け取った袋から制服を取り出した
「きれいな制服だねぇw 色も落ち着いた感じだし、私こういうの好きぃ」
渚がそういいながらまだ透明カバーに入っている制服を眺めていた
「ですねぇ〜、私もこんな感じの制服好きです」
香苗も少し上機嫌になって制服を透明カバーから取り出した、すると・・・

 

「・・・えっ?」
「・・・何、これ?」
二人が驚いたのも無理はない。その制服はカバーに入っているときには気づかなかったが、いざ取り出してみると、どちらもかなり大きめのサイズだったのだ
不思議に思う二人・・・
周りも驚いたらしく他の部屋から声が聞こえる
二人は顔を見合わせ
「「何か不思議なところにきちゃ(ったね/いましたね)私たち」
少々首をかしげながらも今日はその制服をハンガーに掛け、寝ることにした
「・・・明日からどんな生活を送ることになるんだろう・・・?」
そう考えながら・・・ いつの間にか香苗は眠っていた

 

 

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