聖ユシトヨ学園
前へ 3/3 次へ
・・・あの絶望を感じさせる発言から二週間が経った
香苗と渚は、日に日に食べる量が増していき、しかし食事にかける時間は転入当初と変わらず、決まった時間内で食べていた。
つまりは、無我夢中で大量の食料を短時間で食べるようになっていたのだ。
二週間経てば体型の変化も大いに現れてきた
最初ぶかぶかでゴムで締めないと着れなかった制服が、今ではきっちり、もといぱつぱつになっていた。
スカートの上にお腹のお肉が少し乗るようになり腕や足にも余分な脂肪・贅肉が増えていった。
普通に歩くだけで、全身の脂肪がかわいらしくプルプルとふるえるようになっていた
顔の方は、ぎりぎり二重顎が出来るかどうかまで迫っており目は頬の肉で少しだけ細くなったように見える
「ふぅー・・・ ご飯おいしぃ〜w」
あの日、先生から話を聞いた後、当然のことながら数人の生徒が脱走を図ったが誰一人も外に出ることは出来ず、捕まり、どこかにつれられていってしまった
逃げられないことが分かった香苗と渚は、チャンスを待とうと、二人で話し合い、最初は、あれこれと抜け出すための計画を立てていたが、気がつくといつの間にか眠っており、すぐに朝食をとるために食堂へ向かって行っていた
今では「いつか抜け出せるから大丈夫」という何の根拠もない理由で安心して朝食をとっている
「せんぱぃ・・・ 最近暑くなりましたよね」
「そうだねぇ・・・」
と会話をしながら二人は食事をしていた
だが、暦はすでに秋である。
それほど暑い日になることは殆どない季節だ。
・・・二人が太ったため、暑く感じるだけなのである
それに他の生徒も太ってきたので、周りの効果で室温も上がっていった
ガツガツ・・・ ムグ・・・ ゴキュッゴキュ・・・
「ん・・・ ぷはぁ、おいしかったw」
食べ終わると毎日時間がピンチなため学校までダッシュである
だが、転入当初のように軽やかに走れるわけはなくポヨポヨと全身の肉を揺らし汗をかきながら行くのである
校舎に着く頃にはもう制服はびしょびしょでフゥーフゥーと息が上がっている
校舎内では、いつ飲食をして良いらしく休憩時間は当然のことながら時には授業中にお菓子を食べるような生徒もいる。
香苗と渚は、校舎内では昼食以外はなにも食べないでじっと授業を受けている
そしてこの学園には特別な制度がある
それは・・・
「はぃw 1時限目終了です。皆さん次の時間は校舎の食堂に集合です。いいですね?」
そぅ、この学園は授業を一時間受けるごとに「おやつたいむ」としてまるまる一時間食事をとらせるのだ。
普通の人ならそんなに食べることは出来ないが彼女たちはそれをなんなく平らげる
香苗と渚もこの時間は授業の一環として考えているので勝手な飲食とは捉えないようにしていた
「よぉし! この時間もたくさん食べるぞぉ〜♪」
そう意気込みながら皆、一心不乱に食物を胃の中へ詰め込むのだ
バクバク・・・ モチャクチャ・・・ ガツガツ!
・・・キーンコーンカーンコーン
「あれ? もう終わりぃ〜? はやいなぁ〜」
チャイムが鳴るとそういったブーイングが聞こえだしてくる
だが、チャイムはちゃんと一時間経って鳴らしているのだ
皆食べるときは時間を忘れるのである
6時間目終了後・・・
「はぁ〜w 今日もたくさん食べましたねぇ〜」
「だねぇw でもまだちょっとお腹に空きがあるんだよね」
そういう話をしながら香苗と渚は寮に戻っていった
自分たちの部屋に着くと、二人は鞄を置きそのまま食堂へ向かった
食堂にはいるとモワッとした臭いが立ちこめていた
先に帰っていた多くの寮生が皆汗をかきかき食べ物を食べていた
そんなにおいを気にすることなく二人は、お皿にいろんな食べ物を詰め込んで
机について、食事を始めた・・・
「今日も食べ疲れた〜」
そういって食事をしただけで汗をびっしょりかいた二人は部屋に戻ってきた
「・・・もぅ眠たいから寝ちゃえ〜」
そういうと香苗と渚は汗をかいた制服のままベットの上に横たわりそのまま寝てしまった
・・・翌日・・・
「ん、んぅ〜・・・ よく寝た〜w」
そういって香苗がむくりと起き上がった
・・・びりっ
「あ・・・ あちゃ〜 制服少し破れちゃった(汗」
すでにパツパツだった制服がとぅとぅ悲鳴を上げたのだ
破れたところから肉がはみ出て、少々みっともない
袖も二の腕の脂肪で隙間はなく、スカートも肉で盛り上がってきていた
「・・・朝ご飯食べに行こ」
転入当初よりだいぶ肉がついたのだが、香苗はそんな事を気にしている様子がない
今日も渚を起こし、食堂へと向かっていった・・・
食堂前
「今日は何食べようかな〜♪」
渚は機嫌良く朝食の事を考えていた
渚の顔を見ると、テカテカと少し脂ぎっており顎の下の肉がプルプルと震えている
渚は最近、肉料理中心で食事をとっているため脂分が多いのだ
食堂の中に入ると、数人の生徒がせっせと食べ物をお盆の上にのせていた
もぅ、常人がとる朝食の量を遙かに超えている
二人も毎度の事ながらお盆一杯に食べ物をのせこれくらい普通、といわんばかりに朝食をスムーズにすませていった
「そうぃえば、今日は体育があるんだよねぇ〜・・・ 疲れるなぁ」
今日の授業の中に組み込まれている体育のことで渚が文句を言い出した
流石に運動しなければ筋力・体力ともに落ちてしまうのでこれからのために毎週一時間必ず体育の授業があるのだ。
「運動した後のご飯は格別ですから頑張りましょう」
と香苗も運動よりも食事のことを優先して渚に答えた
・・・そして学校に着き体育の時間
女子生徒が、グラウンドに集まってきた
服装は普通の体操服なのだが・・・ 彼女たちの体操服は大変なことになっていた
まず、グラウンドに集まる前、更衣室で着替えるときちゃんと着れない者が続出した
転入したてよりかなり体型が変わってしまったため、服がきつくて着れないのだ。
皆、体操服で胸までは隠せるのだが、それから下はポテッとお腹の肉がたれている
スパッツ(この学園は体育時スパッツ着用)も限界まで引き延ばされ、ぴちぴちになっている
そんなお腹を出した体操服姿の女子がグラウンドに集まっている
正直、暑苦しい光景である。
しかもグラウンドに来るだけで肩で息をするような生徒もおり、汗を流している
「はいw それでは今日の授業は縄跳びをします」
そういって体育の先生が皆に縄跳びを配っていった
皆、最初は普通に難なく飛んでいたのだが・・・
数分後・・・
「ハァフゥーハァ・・ フゥフゥ」
たった数分で汗をだらだらと流し、荒く息をしていた
飛んでいると、全身の脂肪が揺れに揺れ、余分に力を使ってしまうのだ
香苗と渚も全身から汗を出し、呼吸も荒い
「こ、こんなに縄跳びってきつかったっけ?」
体重が増えたから当然である。
その後も何人かの生徒は休み休み縄跳びをしていたのだが
授業が終わる頃にはみな、汗だくで座り込んでいた
体育の授業が終わり更衣室に戻る生徒・・・
皆汗だくで、体育が始まる前より数段暑苦しい
そんな彼女たちが更衣室に入ると、中は汗臭い臭いが充満していた。
最近は誰もが皆、くっちゃね生活を繰り返していたので
食べて寝て、食べて寝ての繰り返し・・・
着の身着ままで生活していたのだ。
しかも体重が増えて、また汗っかきになっているらしく制服には汗がしっかりとしみこんでいた
「うぅ・・・ 汗臭い」
そんな文句を口にしながら皆また制服へ着替えるのだった・・・
前へ 3/3 次へ