FGI氏その4

FGI氏その4

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とある大陸の砂漠の端に何故か生い茂る木々の中、隠れる様に存在する遺跡。
その前に一人の赤い髪赤い靴の幼い女の子と、露出の高い鎧(ドラクエ3の女戦士的な)
を着た筋肉質の女戦士が居た。
「ここなの〜」
「へぇ、ここが噂の『神隠しの遺跡』ね。ありがとう、お嬢ちゃん」

 

――『神隠しの遺跡』
最近、世界中で有名な場所である。
王都から遠く離れたど田舎の小さな遺跡なのに何故それほど有名になったのか、それは・・・
『この遺跡の周りの村、町、そして都の女性が多数、この遺跡近辺に向かって行き消息を断った』からである。1や10では無い。少なく見積もっても100人はいなくなったと言う。
そして被害者は今も増えている。その謎を解きに来た世界中の冒険家、学者、物好き達が遺跡を訪れたが、男性は遺体で遺跡の前に放置され、女性はまだ一人も帰って来て居ないのだった。
「じゃあ、私帰るの〜」
「あ、ちょっとお嬢ちゃん!?」

 

「・・・行っちゃったっすね・・・ どぉすんっすか姉(アネ)さん? ・・・カレンの姉さん?」
誰も居ない筈なのに、男の声がする。カレンと呼ばれた女戦士の腰に携えた短剣からだ。
「ん〜 ま、何かあったらドンマイって事で。さあ! ダンジョンに入るよ!」
「ちょ、放置ヒドスwww」

 

・・・少し説明しよう。
カレンの腰に刺さってるのは『短剣(ダガーサイズ)』だが、元はカレンの相棒でマチスと言う盗賊だった。
盗賊なのに面倒だからって罠解除もせず開けた宝箱の呪いで剣になってしまったのだ。
カレンは流石に不憫と思い、このダンジョンにあると言う解呪のアイテムを探しに来たのだが・・・

 

「いや、剣暮らしも楽っすよ〜? 飯は要らないし」
当の本人はこんな事を言う始末なのだ。
「お前だけ楽させるか、絶対治してこき使ってやる!」
「だから元に戻りたく無いんです、よ・・・?」
ダンジョンの入口の前でマチスの軽口が止まった。
「どうした?」
「ん〜 何か、普段と感覚が違うっす。ちょっと注意して行くっすよ?」
「知るか、敵はねじふせる。それがあたいのモットーだ」
「ちょ、おまっ!」
・・・普段通りの光景である。カレンは走ってダンジョンに飛込んだ。

 

 

―地下1階―
・・・案の定、である。
「ほら〜、入口閉まったじゃん。もう帰れないっすよ?」
「最後まで行けばトランスポーターくらいある。多分」
「やれやれ、駄目だこりゃ。・・・しかし、静かっすね」
普通、入ったら魔物とエンカウントが基本なのだが、今回は出ない。
「・・・こりゃ、トラップタイプっすかね。慎重に行かないと、下手したら剣が2本になるっすよ?」
ちなみにトラップタイプとは『罠のみ』で構築されたダンジョンで、大抵罠の効果がひねくれているダンジョンである。
「わかって・・・ る?」
「ん? ・・・あ?」
目の前に宝箱がある。あからさま過ぎて、二人の時が止まった。
そしてカレンは宝箱を開けた。
「何故あけたし」
「いや、あからさま過ぎてイラッと来て・・・ なっ!?」
宝箱の中からガスが噴出、カレンはおもいっきりガスを吸い込んでしまった。
慌てて後ろに下がるが、効果は現れ始めていた。

「う・・・ あ、体が? ・・・なん・・・ だ・・・?」
体がムズムズし、ちょっと気持よくなる。そして、カレンの鎧が体に食い込み始めた。
紐が肉に埋まり、腰部分の鎧パーツに余った腹の肉が乗る。が、まだ勢いは止まらない。
「あ、ぁ、うっ!?」
鎧の足部分は太くなった足にギシギシと悲鳴を上げ、腰、胸の部分も肉に押し出される。
「イでっ!!」
腰に結んで付けられて居たマチスの紐が切れ、床に落ちた。
その時やっとカレンの体が落ち着いた。
「な、なんっすかこりゃあ!?」
「あたいが一番聞きたいよ・・・ 嗚呼、自慢の体型が・・・」
カレンはマチスを再び紐で付けながら愚痴を言う。
体型には自信があったからこそあんなに露出の高い鎧が着れるのだ。
今のカレンには罰ゲームか何かにしか思えない。
剣になってから色々機能が付いたマチスがステータスを確認する。
「・・・ん〜、状態異常は『健全』、つまり元気っすけど・・・」
「ど?」

「元の姉さんの身長175 B82 W50 H80 体重72(筋肉が有るため元がこれくらい)から、身長176 B90 W88 H92の体重95に大幅アップ、ローレル指数「やや太い」っすねwww」
「そこまで言わんでいい!!」
「痛い! 刃を壁に叩き付け無いで! ・・・で、宝箱の中身は何っすか?」
言われてカレンは壁に剣を振るうのを止め、宝箱の中身を見た。

 

―厚手の鎧を手に入れた!―

 

「うわ、ダッさっ」
「・・・これを装備すると今より防御+20、かっこよさ−50。ステテ○パンツもびっくりだ! おまけにサイズ問題で装備不可ってオチっす」
「肥り損じゃねぇか畜生! ・・・一応袋に入れておく、帰って売るわ・・・」
「じゃあ、もうちょっと探索して、下に降りましょうや」
が、この階層には宝箱の他は特に何もない様で、あっさり下に繋がる階段前の部屋に来てしまった。イライラとしながら部屋から階段前の通路に向かうカレン。
「畜生! ふざけんな! あたいの体重戻せ!」
「誰に言ってんっすか・・・ ! 姉さん、ストーップ!!」
「っ! 馬鹿、遅ぇ!」
止まれず通路入口にあった罠を踏んでしまった。が・・・
「・・・あり?」
「何もねぇぞ? ったく、古い罠は壊れてる時があるから困るぜ、ビビらせやがって・・・」
何も起き無かった為、気にせず長い通路に入る。
そして、大体通路の3割を超えた時だった。
「(・・・さっきから気になる。罠が作動したって刃が感知した(そういう機能がある)筈なのに、何も起きないなんて、あったっけか?)」
「(長ぇなぁ・・・ 走っかな? でも、今の体で走ったらみっともないし・・・)」
ブチッ!

「「!?」」
突然、鎧の足部分の留め具が切れた。
「ちっ、限界だったか・・・」
そして、付け直そうとしゃがんだ時。
ブチッ! ブチッ!
「「!?」」
今度は胸と腰の紐が切れる。残る装備品は小手とヘルム、そして剣(マチス)と自分の剣のみ。
付け直そうとカレンがしたとき、マチスが叫んだ。
「姉さん! 装備は良いから走って! ステータスチェックしたらさっきより4K肥ってるっす! しかも増え幅が増大してるっす! 早く階段へ、急いで!」
「お!? ・・・わかった!」
どうやら罠は『通路に入ると徐々に肥る』らしい。慌ててカレンは走る。
が、7割を過ぎた辺りでスピードが落ちて来た。
「・・・ぶはぁ! ・・・ぜひっ・・・」
「疲れてる場合じゃないっすよ! 現在、通路始めから計算して+12K、既に100をオーバーしてるっす! 急いで!」
「・・・ちっ!! テメェは、楽で、良いなぁ(怒)!!」
キツくなった小手を外し、汗や体温で蒸れる兜を外す。

武器以外は何も装備してない状態、つまり全裸で走る。
みっともなく体があちこち揺れるが、そんな事は気にして要られない。
後少しで出口、その時だった。
「くっ・・・ 何か狭い・・・」
「少しずつ肥ってる上に通路が狭くなって行ってるから、仕方、なっ!!」
先程調整したのに体重増加に耐えきれず、マチスを繋ぐ紐が再び切れた。
落ちた剣はカレンの少し後ろに転がる。
「マチス!!」
「ちょ、姉さん、良いから行って!」
狭い場所で大分動きづらくなった体を無理矢理回し、後ろに落ちたマチスを拾って再び階段に向かう。
そして通路の出口に到着し・・・
「おぶっ!? ・・・抜けない・・・」
・・・はまった。

 

「・・・B110、W120、H132に増加、身長は178、体重は・・・128っす。もれなくローレル指数『肥りすぎ』の域っす・・・筋肉が無い人間ならちょっと歩行がキツくなるところですよ・・・」
「・・・痛っ、くっ・・・ ふぅ、抜けた。・・・しかし、我ながらひでぇな・・・」
体を揺すったりしてやっと通路出口から抜けたカレンは改めて全身を見た。
いや、足は見えないから、腹までを見た。
脂肪がくまなく付き、荒い息をするたびに腹は上下し、全身は揺れて体の汗が床に落ちる。
太くなった腕を上げ顔を触ると、顔にも肉が付いたのが分かる。
おそらく、鏡を見るのは遠慮したい姿になっているだろう。流石に2重顎はみっともない。
髪は脂汗でギトギトし、体に絡み付いてくる。うっとおしい事この上無い状態だ。
くびれた己の体を露出し、見せ付ける様に歩いていたカレンの体は、
誰もが見たくも無い様な体型になってしまった。
「ちゃんと治るんだろうな、この体・・・」
「さあ・・・ あ、そうだ。全裸もアレだから、さっき拾った『厚手の鎧』を装備した方がいいっす。体重の大幅増加により装備『可』になったっす」
「・・・ま、背に腹はかえられん、ってか」
カレンは仕方なくあの鎧を装備していく。まとわりついた無駄な肉が普段慣れている鎧の装備を難しくさせ、苦戦しながらもセットの小手と兜を付けて装備し終えた。
「全身鎧で助かった。腹だけ出して歩くのはカッコ悪いからな」
「(既に格好を気にしてる状態じゃない気がするっす)」

今のカレンの体型より若干デカい鎧は厚く作られた鋼鉄の鎧で、見た目より固さを重視した物である。
多少歩いて見るとガチャガチャうるさいが、揺れ動く体を見ないで済む。
「さて、進むぞ。早く脱出して、体型をどうにかしたい」
「(あ、目的が『僕の解呪』から『脱出』にシフトしてる・・・)」

 

 

―地下1階階段―
「ふぅ・・・ 足下が(腹が邪魔で)見えないってのは、かなり怖いな・・・ 駄目だ、重い・・・ ふぅ〜・・・」
カレンは体に慣れないのか、重いのか、階段で座って休む回数が多くなって来た。
「・・・姉さん」
「あ〜ん? なんだ?」
蒸れて汗だくで物凄く暑苦しいらしく、少しダレ気味に返事をするカレン。
ちなみにマチスに嗅覚は無いが、マチスが今カレンを臭ったら、おそらく鼻が曲がる程の悪臭がする。
大量に湧き出る脂汗の臭いである。
「さっきはすみませんでした・・・ 僕を無視すれば良かったのに。危うく通路に挟まって死ぬまで肥り続ける事にn」
「何も言うな。あたいはお前の解呪の為にここに来たんだ。お前を無視して行けるか」
「・・・すんません」
休み休み階段を降り、次の階層に向かう1人と1本だった。

 

 

カレン
身長 175→178cm(+3)
体重 72→128K(+56)
B 82→110(+28)
W 50→120(+70)
H 80→132(+52)
装備 両刃刀、短剣(マチス)、厚手の鎧セット

 

(ついでに)マチス
刃渡りは20cm弱、重さは1Kで切れ味は微妙(黄色くらい)
状態 剣化(片刃)
機能 ステータス確認、(味覚、嗅覚以外の)感覚増加、察知能力増加、他多数

 

 

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