FGI氏その4エピローグ
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――爽やかな朝! と言いたいが、遺跡の地下3階に光なんてこないのだよ。残念。
・・・ん? 私かね? 魔王アーガイルだ、知らないのかね? 画面越しの君。
私にメタネタなんて言葉は無いよ。
「ん〜、ディモールトな朝だ。なにより布団が良いね」
・・・ん? この『敷き布団』かね? 最近入手したんだ。
なかなか柔らかいがちょっとジトッとしてね、寝る時にシーツは絶対だよ。
『抱き枕』? 無いと眠れん。昔からの習慣だな。
「・・・遺跡ばかりじゃなくて、たまには自ら町に出ないかって?」
そんな気は無いね。私は毎日をだらだら過ごすのは嫌いではない。
今日も朝の楽しみである世界各国の新聞を私愛用の『椅子』に座りコーヒーを飲む、指ひとつでコーヒーと新聞が出る素晴らしさ分かるかね?
「ふむ・・・ カノッサ機関がダイエットに効果のある新薬を開発、ダイエットに最適! ジョニー・ズ・ブートハイキング・・・ 最近は細いのが良いのかね、まったく・・・」
ちょっと世界を見ると、ゴーレムのしっぺで折れそうな人間ばかり。
細い事は悪い、そう思わないかね? 君もそっちの趣味だろう?
太ってるのは健康な証拠って、昔は言った物だがね・・・。
「私が頑張れば世界中がデブで溢れかえるが、つまらん。自分から太るか他人に無理矢理太らされるかでは天と地の差だよ。・・・ん?」
『机』に載った地図が気になるかね? それとも『机』が気になるかね?
地図? それはリストだ。名前は美人で有名、または調子に乗ってる者だな。
×印? 『美人では無くなった人間』だよ。この意味、分かるかね?
「自ら遺跡に足を踏み入れるととても嬉しいが、こんな辺境に来てくれる優しい女性はこの間の冒険者だけだよ、あとは嫌々外に出て拐ったね」
どうなったか? 『家具』か『魔物』か『代償』となったよ。
魔物は弱いのしかならなかったが、代償は魔法を使う人間には絶対必需だからね。
・・・家具? 君はすでに見てるだろう?
「アーガイル、おはようございます」
「おお、サラ君。おはよう。今日はホットパンツに肌シャツかい? ずいぶんラフだね」
「暑いですから、簡易な服が丁度良いです」
・・・ん? 彼女かい? 冒険者君の一件で気分が良かった私が森で見つけたのさ。
近くで赤い髪の女の子が血を流して倒れていて、返り血浴びていたサラ君が「私に構わないで」なんて言うから、連れて来ちゃった♪
・・・Sじゃないって、天邪鬼なだけ。
聞くと彼女、魔族と人間のハーフで村を追われて心に傷を負ったみたいでね。
冗談でちょっと「私の妾にならないかい?」なんて言ったら、「・・・私を認めてくれるなら」な〜んて!
ついノリで太らせちゃって、壊れるっ!? って思ったけど「あなたが好きな姿なら別に良い」って。
以来ずっと一緒。服や部屋は気合入れて用意してあげたよ。
魔族の血が濃いみたいだから、食べ物はいらない(ちなみに私のコーヒーは趣味。魔族は飲まず食わずでも大丈夫)し、寿命も魔族同様長いだろうし。最高の妻だよ!
「・・・この服もサイズが私の体より若干小さい。あなたの趣味は分かりません。一体、こんな体の何処が良いのですか?」
「サラ君。僕には君の全てが美しいよ・・・ そのシャツから溢れた腹、動く度にずれ落ちるホットパンツから覗く尻、汗でてかって太さがより際立ち妖艶さを漂わせる太股、顔の肉に若干食い込んだ伊達メガネ・・・ 全てが素敵さ」
「変態」
・・・ちょっと言葉を選ばないのが玉にキズかな。
毒舌って言うか・・・ 私は打たれ弱いんだが・・・。
サラ君? 今は言った通りの超軽装だね。私が調整したお陰で162cm、230Kのブヨンブヨンだが、私が用意した腕輪の魔力で歩けるしジャンプできるし走れるし。
本人が感じてる重さは70K程度じゃないかな?
もちろん走ればズボンとシャツの間から見える腹が上下に揺れるだろうし、歩けば徐々にズボンはずれ落ちアレが丸見えだろうし、跳べば体が揺れ遺跡も揺れる。
腹に力を込めれば更につき出た腹にシャツとパンツが耐えれないだろうね。
一度力入れてもらったら、シャツはビリッと破れてただの布に、ズボンとパンツは弾けとんだよ。
ブラ? サイズが無い。サラ君、カップサイズはアルファベットで上から数えた方が早いんだけどね。胸のデカさは半端無いからね。
「何をブツブツと喋っているのですか、アーガイル」
「気にしない気にしない。それより、やらないか」
「嫌です。何度も夜這いに来る様な貴方にはまだ私の最初を渡せません」
「君のガードが鉄壁過ぎるんだよ、早く君との子が見たいのに・・・」
・・・何? 魔法を使えば良いと? それではつまらない。
堅城に攻めるのと空城に入り込むのでは楽しさが違う。
森崎君相手にゴール決めてもつまらないのだよ、君。
スカイラブハリケーンを破ってこそ最高の快楽が訪れるって訳だよ、分かる?
「? アーガイル、さっきから何を?」
「何でも無いよ・・・ (ピコーン!) ・・・汗が凄いな、拭いてあげようか」
「汗? 気にしないですが・・・ ひゃう!?」
「いやいや♪ 遠慮なく! 僕が素手で拭き取るよ♪」
「ぁ・・・ やめ、さわらな、ひゃ・・・ らめれす・・・ くすぐっらい・・・」
え? 彼女に魔法使ったかって? 違う、私の手に魔法を使ったんだよ。
私は撫でてるだけだが、今サラ君は一流のテクニシャンに大事な場所をイジられてるのと同じ感覚になっている筈だろうね。
魔法使わない筈、って? チャーム見たいな魅了魔法は使わないよ、あれはチートだ。
でもまあ、これはまだステ強化の域だし、オーケーオーケー。
「ほら、ちょっと撫でただけで私の手はビショビショだ。これを気にしない筈が無いだろう?」
「や・・・ 貴方がこの体にした、のれす・・・ そんにゃ些細な事を気にすりゅ気は・・・ ぁあ・・・ 触れないで、あふぅ・・・」
ドスンと尻餅を付き体を振るわすサラ君の顔は真っ赤。
座ったため太股の肉は横に広がり、尻の肉がホットパンツから溢れ静かに破れ始める。
そして出る声はあえぎ声・・・ 甘美だと思わないかい、君?
「良し、もういいかな。サラ君、気分はどうだい?」
「すごく、不快です・・・」
・・・君に質問だ。立つのが難しいほど足が振るえ、股が汗以外で濡れて顔が紅くなってるサラ君が本当に不快に思っているか!? 答えは否! 断じて否だ!
「いつか『良い』と言ってくれた時にはこれよりも楽しませてあげるよ、サラ君」
「ふぅ・・・ その時は多分ありま・・・」
「ストップ。どうやら来訪者だ。遺跡に来る久しぶりの女性だね」
私のセンサーが捕えた女性はなかなかの美人だね。
格闘家らしい動き易そうな服。ボン・キュッ・ボンな容姿・・・。
「是非壊したい! それに彼女は確か私が狙っていた人間の一人の自称『可憐な拳闘士』のロジータ君ではないか!?ktkr!」
「・・・アーガイル、貴方のその知識は一体どこから?」
「世界を見渡す『千里眼』とその人間の中身を見る『色見』の魔法、他色々かな?」
「・・・そうですか。貴方は馬鹿なんですね」
「違うぞサラ君。僕はただ『自分の欲に正直なだけ』だよ?それ以外に興味無いしね」
魔王1000年もやってると趣味に走りたくなるのさ。分かる?君。
「・・・さあロジータ君、君は私の元に辿り着けるかな? それとも歩行不可になるのが先かな?」
「・・・私が居ながら他の女性にも手を出すのですか?」
・・・今人生で感じた殺気の中でもかなり本気の殺気を後ろから感じてるよ私は。
振り向いたら鋸で首をズバッ! 的なオーラが漂ってるよ?(その程度じゃ死なないがね)
「・・・君は『嫁』さ。彼女は良くて『家具』。君が一番だよ、サラ君」
「・・・そうですか」
あ、殺気が引いた。危うくNiceboatだったよ。セフセフ。
「サラ君、何か欲しい家具はないかい?」
「私は石畳の床をなんとかするべきだと思います」
「『絨毯』か! 地下三階の『素材』とロジータ君で多分足りるかな? そうなればゴールした彼女には商品として『身長50cmの体』をプレゼントしよう!」
「・・・後、私の鬱憤を晴らす対象も欲しいです。私の一言にちゃんと反応してくれる物が欲しいです、アーガイル」
「・・・考えとくよ」
この後の格闘家ロジータの生死は不明である・・・。
が、遺跡近くでの女性消失は今だ途絶えていない・・・。
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