FGI氏その4
――扉を開けるとそこは大広間だった。床には赤い絨毯が敷かれ、壁には地図や名前の書いた紙が貼ってあり名前のいくつかに×が書いてある。
そして部屋の奥、入り口の扉と対面するような位置に『男』が居た。
引き締まった細身の体、流れるような銀髪、黒い服に黒いマント、そしてとがった耳のイケメン。
その男は肌色の柔らかそうなソファに座っていた。
「ようこそ、私の部屋へ。君達が初めてだよ、私の部屋までたどり着いた人間は。・・・ここがゴールだ、おめでとう」
「そいつはどうも! おかげ様であたいはこんな姿になっt」
「(ちょ、姉さん、言葉を選んで下さい! 相手は魔族っす! しかもスッゲー高レベルの魔族っすよ! おそらく魔貴ぞ)」
「そいつは違うぞ、剣の君。私は魔貴族ではなく『魔王』の一人だ。名前はアーガイルだが、もっぱら他人からは『Author』と呼ばれており、その意味は〜」
何やら話出した魔王を放置し、カレンとマチスは相談を始めた。
「(魔王、って・・・ 人生オワタ)」
「(何弱気になってんだよ、諦めるのはえ〜よ馬鹿。あんなにペラペラ喋る威厳の欠片も無い奴が魔王な筈無いだろ。ハッタリだよ、ハッタリ)」
「(でも心読んだっすよ? ヤバそうなオーラビンビンっすよ!?)」
「(うっせ〜な、闘ってみりゃ分かんだろ?)」
「お〜っと話はちゃんと聞いて貰いたいね、え〜、カレン君と、マチス君? こっちは君達のひそひそ話に興味は無いんだから・・・ ま、君達がこの私に攻撃することは『絶対に無い』がね」
さっきまで好き勝手話していて、突然軽く言い放たれたその一言にカレンの怒りは爆発した。
「〜・・・てめぇ、その減らず口黙らせてソファを真っ赤に染めて、や、ら、ぁ?」
のたのたと前に進みながら剣に手を伸ばしたカレンは、前に進むのを止め立ち止まった。
背中に手が回せない、それどころか腰に付いたマチスにすら届かない。
四苦八苦していたカレンがふと前を見ると、魔王がこちらを見て笑っていた。
その姿がカレンを余計に苛立たせる。
「っち! じゃあこのまま潰してやるよ!」
再びのたのた走り出したカレン。本人は走ってるつもりだろうが、実際は常人の歩く速度より遅い。
そして、汗だくになったカレンが後少しで魔王までたどり着く、その時だった。
「やれやれ、せっかちなお嬢さんだね。ま、おかげで私は座ったまま楽が出来たよ」
そう言って魔王が指を鳴らすと、カレンの横の壁が一気に迫ってきた。
避けようにも素早く動けないカレンは『半分』潰された。
つまり狭い通路に挟まった様な状態になった。
「姉さん、狭い・・・」
「ぶふぅ、呼吸が、キツイ、挟まった、動けねぇ・・・」
横腹は潰れ更に前に突き出て、尻の肉は後ろから先だけはみ出てる状態になり挟まっているため呼吸し難くい。
カレンは顔と腹のみ魔王の前にたどり着き、後は挟まった状態になった。
「て、めぇ・・・ そこを、動く、なぁ・・・」
「なかなか威勢が良い、好みのタイプだよ、うん」
魔王は一人頷きカレンに近付いた。そして体を揺らし抜け出そうとしてるカレンの顎に手を当てこちらに向け、そのまま唇を奪う。つまりキスである。
「「!?」」
「ん〜、肉厚のある唇だ。顎もタプタプと弛んで良い。腹の柔らかさも上々、そしてこの体型で歩ける、まさにパーフェクト!」
驚くカレンとマチスを無視し、一人品定めする様にカレンを見て呟く魔王。
カレンは顔が真っ赤である。暑さのせいだけでは無いだろう。
「て、テメ、変態魔王! いや、スケベ大魔王! 何しやがる!」
「変態とは心外な。あまり人の趣味趣向にケチをつけて貰いたくは無いな」
「趣味・・・!?」
近付いた為、そして今の言葉でようやく気付いた。
魔王が座っていた横5mくらいの大きく柔らかそうなソファ。これが『人』だと言うことを。
マチスがステータスを調べる。
「行動完全不可、体重600以上、W500以上、Bは300程度、H・・・測定不能!? 人がこんな状態で生きれる筈が無いっす!」
「そこはほら、そっち方面に無駄に特化した私の魔法でちょっといじったよ。ちなみに罠を考え魔法で作ったのも私だ。なかなか座り心地が良いよ? ただ、ちょっと動くがね」
胸より上が見えないように壁が作ってある。あの壁の中はどうなっているのだろうか?
「・・・まさか、あたいもか?」
「・・・君はまた違う存在。ゴールしたただ一人の存在・・・ さぁ、ご褒美だ・・・」
壁に挟まったカレンの体積が増えて行く。
背中にくくりつけられていた剣が肉に埋まり、マチスが肉の間に挟まる。
弛んだ腹が尚弛み、じょじょに地面に付きそうになる。
「ま、待て・・・ 壁が・・・ 余計に、挟ま・・・」
弛んだ頬が壁の冷たさを感じ、床は汗で水溜まりが出来る。
遂には腹が汗溜まりに届く。
「ぶ・・・ひ・・・」
「・・・そうだな、丁度敷き布団が欲しかったところだ。特別な存在と言ったが、訂正。嫁はまた今度だな。君はなかなか柔らかい体をしてるし丁度良い。ソファの彼女はちょっと脂肪が固くてね・・・」
体重増加が完全に収まった時、そこに『人の姿』は無かった。あるのは『肉塊』だけである。
肉塊からはくぐもった太い声が時々聞こえる。
「あ、も、元に、戻・・・」
「なかなか強情なお嬢さんだ・・・ 剣の彼はお嬢さんの肉厚でこなごなになったか・・・ それでは、仕上げと行こう、これをしないとその人の『人』としてのイメージが壊せないからね・・・ さぁ、普段退屈な私に心地良いBGMを頼むよ?」
再び指を鳴らすとカレンの体に合う様に壁が動き、カレンの前と後ろ、そして壁一面が鏡になった。
完全に自分を支えられなくなったカレンはその場に音を立て崩れ落ちる。遺跡が揺れ、体も揺れる。
「!!!」
・・・カレンは見てしまった。顔に肉が付き、目は細くなり頬は横に大きくなって垂れ下がり、顎は三重四重と垂れて首が完全に見えなくなった自分の顔を。
腕は90度、体と水平に開き閉じる事が出来ずに付いた肉ひだをブルンブルンと揺らし、足は太くなりすぎた太股の為閉じる事が出来ず、重さでまったく持ち上がらない自分の手足を。
腹に乗っかって横に垂れた胸、その胸が乗っかり、秘部を完全に隠し足が閉じるのを抑制する腹、座っている為醜く潰れるように変形し、横に後ろに肥大した尻、その全てをさらけだし、湯気をあげる自分の体を。
顔を背けても見えるのは自分の体。溢れる脂肪。醜くい肢体。揺れ動くぜい肉。流れ出る汗。
認めたく無いのに、周りの鏡が現実を突きつける。
「あ、違、あたいは、こんな、体じゃ、違、違う! 違う!! あたいじゃない! こんな肉塊があたいの筈、違っ、ち・・・が?」
認めたく無い現実と目の前に突きつけられた現実が交差した時、カレンは『壊れた』。
「あぁぁああぁあ!! 違う! 違う!! 違う!!! 違う!!!! いやぁあ!! 止めて! 出して!! あたいを見せないで! やめっ・・・ アアァァァア!?!?」
狂った様に叫び鏡を割るが、魔力で生まれた鏡の為いくら割っても新たな鏡が出てくる。
しかしまるでそれに気付いて無いかの如くカレンはただひたすら叫びながら鏡を割り続ける。
その状況を魔王は楽しんでいた。
いつしか叫び声が止まった時、魔王は魔法を解きカレンを見る。
目から光が消え、体に力が入っておらずうなだれていた。
「・・・完璧だ。君は今日から私の『物』だ・・・ メルシボーク、私にすばらしい『歌声』を。そしてアリーヴェデルチ、『人』としてのあなたよ・・・」
魔王は一人呟き、体重が300Kを軽く超えたカレンをいとも簡単にお姫様だっこ(太りすぎてとてもそうには見えないが)して自分の部屋に連れていった・・・。
ステータス
身長 158cm(変わらず)
体重 182K→386K(+204)
B 168→400→350(+182、魔王が後で調整し胸を平にした)
W 192→350(+158)
H 200→350(+150)
状態 精神崩壊、行動不可、回復行動無効他