710氏その8
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「…な、有触れた話であろう?」
「成程、このパラダイスはそう言う訳か…」
修繕の終わった魔王の城のテラスに、二つの人影が有った。
そこに居たのは、以前よりも若干ふくよかになった魔王と、長身の男性だった。
気安く話しているその姿には、いつもの威厳などなく、まるで旧友に話しかけているかのようで。
その二人が見下ろす広間には、丸々と肥えた淫魔がひしめいていた。
手足の短い、丸々とした淫魔。乳房と尻肉がドでかい淫魔。
様々な種類の淫魔がひしめき、欲望のままに求めあっていて。
「いや、驚いたよ。
町に行っても素敵な女性しかいなかったからね」
「今では男が絶滅危惧種だからな… 流石に、もう少し自制させるべきであったと、
私も反省しているよ。全く… 淫魔達をどう統べるかで頭が痛い…」
やれやれと言った様子とため息を吐く魔王に、男性は小さく苦笑した。
何とぜいたくな悩みなのか、と。
コレだけの素敵な女性に囲まれた毎日は素敵だろうにと、男性は少しだけ羨ましそうに思いながら、
軽く挨拶をすると魔王の城を後にした。
眼下に広がる街には、何処をみても素敵な女性がひしめき合っている。
そう思うだけで、男性は浮気心が湧いてきて… しかし、本妻に怒られないうちに帰ろう、と。
いそいそと、自分の世界へと帰って行った。
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