334氏その2

334氏その2

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翌朝。
私は元の体に戻れた喜びを胸に教室の扉を開いた。
「おはよう!」
クラスの連中(中端はまだ来ていないようだ)は「誰だ?」という表情でこちらを見ている。
「あは♪痩せたから分からないかな?小尾里でーす!」
クラス中にざわめきが広がった
「(小尾里だって?あのデブスの?)」
「(信じられないわ…)」
「(でも目元は小尾里の目だぜ。)」
ガヤガヤと議論しているクラスメートの中から、二人の女子生徒がこちらに駆け寄ってきた。
一人はぽっこりと出たお腹が印象的なおとなしそうな生徒で、名前は白水さんといったはずだ。
もう一人はいつも中端と一緒にいる錨木という生徒。
クラスのほとんどの女子が太っている中で、中端を含めてまだ痩せているグループの中のひとりだ。

 

白水さんが言った。
「本当に小尾里さんなの?信じられない、昨日まであんなに太ってたのに。」
「ふふ、悪魔の力を借りて痩せたのよ。」
「あはは、冗談が上手だね。でも、小尾里さんって痩せたらこんなに美人だったんだね。」
私は彼女の飾らない言い方に少し好感を持った。
「ありがとう。」

 

すると、黙っていた錨木が口をはさんできた。
「はん、どうせ脂肪吸引手術でもしたんだろ。
痩せたからって調子に乗るんじゃないよ。
前に、中端さんにしばかれたの、忘れたんじゃないだろうな?」
「そ、そんな言い方はよくないよ。」
「黙ってな、白水。おいデブ、これからもいじめてやっからな。」

 

その言い草が癇に障った。
これはおしおきをしなければならないね。
私はほほ笑んで彼女を指差した。指先がかすかに紫色に光った。
「な、なに笑ってやがる…うっ!?」

 

次の瞬間、錨木の体が風船のように膨れあがった。
体中いたるところに贅肉がついていって、たちまち彼女は肉団子になった。
たっぷりとした肉に埋まり、喋るのにも苦しそうだ。
「ぅ…な、んだ…これ、てめぇ、小尾里…何…しやがっ、た。」
「あらあら、デブなのハあなたのほうじゃなくテ?」
「て、めぇ…お前が、太らせ…た、んだろ…」
「太らせた?嫌だ、あなたもともと大デブだったじゃない?ねぇ、白水さん?」
「なん、だと?おい、白水、なにかいってやれ。」

 

「自分が太ってるのが嫌なのは分かるけど、現実逃避は良くないよ。
私だってダイエット頑張ってるんだし…」
白水さんが目をふせた。
「ふ、ふざけ…んな、俺の…どこが、デブ、だ‥。」
「苦しい言い訳ねえ♪こんなデブにはかまってないで、行きましょうか?」
私は白水さんに向かっていった。

 

やはり、リリスから借りた『呪い』の力はすさまじい。
私は昨日のリリスとのやりとりを思い出した。
「『呪い』の力を貸してくれ、カ…。そんなことを言った人間はお前が初めてダ。」
「お願い!どうしても復讐したいやつがいるの。」
「うーン、まア、少しだけならいいガ、力を使うにあたってひとつだけ約束してくレ。」
「なに?」
「『呪い』を使いすぎないことダ。
もともとこのような特殊な力は、魔力を持った我々悪魔にしか制御できなイ。
人間が使いすぎると力が暴走して自分に跳ね返ってしまうことがあル。」
「ははは、そんなドジは踏まないわ!」
「約束だゾ。」

 

(ま、まあさっきはついムカッときて使っちゃったけド、1回や2回だけなら大丈夫よね。)
自分の席に付いた私に、白水さんが話しかけた。
「ねえ、いまさらだけどこの学校って太った人が多くなったよね。
私も食べる量には気を付けてたのにこんなにお腹に…。
その点、痩せた小尾里さんってすごいなあ。」
白水さんは羨望のまなざしで私を見た。
「ふふん、まあね。」

 

「そう言えば聞いた?今朝早く、3年のクラスで生徒が暴れたらしいよ?
確か、那須原さんって言ったかな、「風紀委員長は私だー」って。
あはは、おっかし。風紀委員長は鶴崎さんなのにね。」
「そ、そうだね…。」
「で、結局、先生達に取り押さえられたらしいんだけどね。
その生徒が極度の運動音痴だったせいで、先生達も簡単に捕まえられたみたい。」
「あ、ああ、それは良かったわね。」
私は内面の動揺を悟られないように平静をよそおった。

 

どうやら、あのあと那須原は自力で家に帰りついたらしい。
リリスが手助けをしたのだろうか?
どちらにしろ、彼女は再起不能だろう。
私は彼女の境遇を思ってすこし心が痛んだ。

 

しかし、そんな後悔の念も、
次に聞こえてきたねっとりとした声を聞き、吹き飛んでしまった。
「おはようございますわ。」
がらりと扉が開いて中端が教室に入ってきた。
いよいよ復讐の始まりだ。

 

「おはよう♪中端さん♪」
私は教室に入ってきた彼女に挨拶した。
「あら、あなた、誰?」
「小尾里さんだよ、痩せたんだって。」
白水さんが言った。
「はあ?あのデブスでノロマな小尾里がこんなグラマーなはずないじゃない。」
「本当なんだよ!」
「嘘おっしゃい。だまそうったってそうはいかないわ。
それに…あなた、わたしより綺麗じゃなくって。」
中端は私に嫉妬の視線を向けると立ち去った。
「どうしよう、小尾里さんだって信じてくれなかったよ‥」
「いいのよ、後で私が信じさせるかラ。」
私は笑みを浮かべた。

 

放課後。
私は中端の取り巻きたちを色仕掛けで籠絡し、今日は中端と一緒に帰らないように頼んだ。
頭の中が性欲でいっぱいの彼らは、少しおっぱいを強調したポーズをしてみせただけで、
すぐに了解した。

 

そして、いよいよ復讐実行の時。
理科室にあったクロロフォルムを布に染み込ませ、一人で帰っていた中端の背後からかがせた。
彼女はたいした抵抗もせずにその場に崩れ落ちた。
それを私は川べりの倉庫まで運んで行った。
私が辱めを受けたあの忌々しい場所だ。

 

「あ、あなた、こんなことして許されると思っているの?」
意識を取り戻した中端がヒステリックに叫ぶ。
手足は縛られ、服が脱がされて下着だけの姿だ。
「あはハ、お前が以前私にやってくれたことじゃない。
男子達にここで私を襲わせたよね。」
「まさか、本当にあなた小尾里…?!」
中端の顔をさあっと青くなった。
私はゆっくりとうなずいた。

 

「さてと、あの時のお返しをしなくちゃね♪」
私は中端を指差し、紫色の光を繰り出した。

 

途端に、彼女の体が膨れ上がり始める。
半球体だった胸は、でろでろと膨らんで垂れさがり、ブラからこぼれおちて。
同時に、乳輪も広がっていって、色は鮮やかなピンクになり。
お腹やお尻もむちむちとハリを保ちながら広がって。
「う…なに、これ…」
大きくなっていく自分の体を中端は見つめていたが、その顔は真ん丸になっていって。

 

「うーん、まだ何か足りないわネ。」
私は不満足そうに言って、さらに光を強くした。

 

すると中端の肥満化のスピードが上がった。
胸は爆発的に大きくなり、2つの巨大な肉饅頭のようになって胴体に覆いかぶさり。
それに負けじと腹肉も球体を保ちつつも、胸肉を押し上げる。
お尻は人間のものとは思えないほど、ぶくぶくと大きくなり、厚みを増して。
端正だった顔はみるかげもなく脂肪に覆われて。
「いやあぁぁん!」
まるでそれは巨大な洋ナシ型のお化けのようだった。
中端は自重に耐えきれずどしんと仰向けに倒れた。

 

「どウ、自分がいじめる対象のデブになった気持ちハ?」
「ぅ、あ…」
肥満化がひと段落し、ハァハァと息をつく彼女の腹に私は馬乗りになった。
たゆんたゆんな巨大な胸を両手でたくしあげ、ゆっくりと揉みこむ。
「ん、はぁ…」
「どう?デブになって嬲られる気持ちは?感じる?」
「お、前…んあ、こんなこと…して、ただで済むと…ひゃう!?」
今やこぶし大になったピンクの乳頭を、親指で押し込む。
むりゅっ、と乳首に陥没してしまう。
「ただで済むと思ってるからこんなことしてるのよ♪」
私は手を乳房の下に入れ、腹肉を揉みしだいた。
「うっ、くうぅぅ…」
「どう?お肉揉まれるのって気持ちいいでしょ?」
「き、もち…よく、なんか、ない…」
「その割にはさっきからパンツが濡れてきてるけど?」
私は肉に埋もれて紐のようになっているパンツに手を伸ばし、指をたてて局部を突いた。

「ひゃあん?!」
「口では嫌がっても体は素直ねえ。」
くりくりと動かすとトロリとした液体が染み出してきた。
「ぶはぁぁ、ん♡」
目がぐりんと上を向き、顔を上気させている。
「うふふ、発情寸前じゃない?イってもいいのよ?」
体の躍動にあわせて、ぶるんぶるんと揺れる全身の肉。
それを私は丁寧に愛撫する。
「だ、れが‥いひぃ!?…イカセら、んは♡ 、れ…たく…」
「本当は嬉しいんでしょ?気持ちいいんでしょ?顔がゆるんできてるわあ♪」
目をうっとりととろけさせている。
私は豊満な彼女の顎をたぷたぷともてあそぶ。
「ああん、んは♡」
「言ってみなさい?本当はどうして欲しいのかしら?」
「…してほしいです」
「聞こえなかったわあ。」

彼女は少し躊躇した後言った。
「も、もっと、気持ちよくしてほしい、です…」

 

「良く言ったわね♪」
私は一度立って中端の拘束を解き、四つん這いに伏し倒した。
「さあ、これで自由よ、自由に感じなさぁイ♪」
そう言うと、私は彼女のたっぷりと脂肪がついた尻を一度叩いた後、
自らの局部を押しつけて上下に擦りつけた。
「んああああ、気持ちいぃぃぃ!柔らかくて気持ちいいよぉぉぉ!」
頭から足の先までぴりぴりとした電流が流れるようだ。
「んっ、あ、何を…してる、の?んぅ…」
戸惑う中端の顔もまんざら嫌そうでなく。
私はさらにスピードを速くする。
じんわりと股間が濡れてくるのが分かる。
頭の中が真っ白になって何も考えられなくなる。

 

「あはぁ、中端さんのお肉、たっぷたっぷで、ぶっとくて…」
「あ、んあ、小尾里…さん、んは♡」
彼女も私からの刺激にエクスタシーを感じたのか、
立って自分の胸を揉み始めた。
「ああああ、小尾里さ、ん…ああああ!」
「イくっ、イっちゃうのおおおお!」
「ん、ひゃあああぁぁん!」
私の股から粘液が足を伝って床に流れ落ちる。
同時に、中端さんの爆乳から白い飛沫があがった。

 

「あは♪これで…私達…、一緒だね。」
私は中端さんに話しかけた。
彼女は目をそらしながら、しかし、恥ずかしそうにこくんとうなずいた。

 

その瞬間、私の体がぴくりと躍動した。
「ひゃうっ!」
なんと、体がむちむちと膨らんでいるではないか。
たちまち制服のボタンがはじけ飛び、ぽっこりとお腹が出てきた。
おっぱいもお尻もみちみちと肉が付いていき、制服が破れ、肉がはみ出した。
そして最後に、頭に角が、お尻にしっぽがぴょこんと生えた。

 

「あはは、なんだその格好。まるで太った悪魔じゃない。」
中端さんは私の姿を思いっきり笑ったが、不思議と怒りは湧いてこなかった。
「あはは、そうね。」
私たちは一緒になって笑った。

 

その様子をリリスが物陰から見ていた。
小尾里の姿を見ながら額に手を当てている。
「遅かったカ。『呪い』を何度も使った気配がしたから来たのだガ。
『呪い』の副作用で小尾里は悪魔になってしまっタ。」
リリスは腕を組んだ。
「さテ、あいつをどうしようカ。私の魔力もたまったし魔界に帰ろうと思うのだガ。
あいつらも連れて行くカ。」
無邪気に笑い合う小尾里達をリリスはためいきまじりに眺めていた。

 

「リリス様〜♡ 人間界に行ってもいイ?」
ここは魔界の魔王城。
玉座に座ったリリスに小尾里がすり寄る。
「こらあっ、魔王様になんちぇ無礼ナ!」
リリスのそばに控えてた那須原が剣をとってたしなめる。
「だってぇ〜、また人間達を太らせたいんですもノ♪」
小尾里は長い尻尾をくるくると回す。
「小尾里さんが行くなラ…私も行っていいかしラ?」
中端は角が生えた大きな顔を赤らめながら尋ねた。

 

あの後、リリスは小尾里・中端・那須原の3人を魔界に連れてかえった。
自分が引き起こした騒動に少し責任を感じていたのだろう。
3人を悪魔として転生させ、一生自分の部下として養うことを決めたのだ。

 

小尾里は、こんな姿では人間界にはいられないと言って魔界行きに乗り気だった。
中端は小尾里が「行くなら…」と魔界行きを志願した。
那須原は、いじめられていた境遇に耐えきれず、半ばやけになって魔界に行くことを決めた。
今では全員リリスの忠実な部下だ。

 

「わ、わかっタ!分かったから落ち着ケ!」
騒々しい悪魔が3人増えて、リリスの気苦労は絶えることはない。

 

(完)

 

 

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