突発性肥満化彼女

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#読者参加型

 

研究所の廊下をクリームまみれになったイリーナはよろよろと歩いていた。
分厚い脂肪の段の隙間に白いクリームが入り込み、何とも滑稽だった。
イリーナは憂鬱そうにため息をついた。
「ターゲットを始末する前に…このベタベタを洗い落としたいな」
すると、都合のいいことに数m先に「浴室」と張り紙がされた扉があった。
「あそこで体を洗おう」

 

中に入ると、4畳ほどの脱衣所の隣にタイル張りの浴室があるだけの簡素な設備だった。
湯船はない。
脂肪にひっつかえながらも何とか服を脱ぐ。
「太ったな…」
改めて自分の巨体を見ると、肉体労働を主業務とする傭兵だとは思えないプロポーションだ。
腹肉は局部を覆い隠さんとするほど張り出して、足元を満足に見ることすらできない。
頭をやや前傾させるとと、2重顎の二段目がむにゅりとせり出す。
膨張した乳房とたっぷりとついた腹肉が邪魔で満足にかがむことすらできない。

 

太ったことは頭では理解していたものの肥満した己の全裸を実際に目にすると、気分が落ち込む。
イリーナは暗澹とした気持ちでシャワーの蛇口を捻った。

 

しかし、ノズルから出てきたのはお湯ではなく、透明な粘液だった。
それが顔に振りかかると…イリーナの顔が一回り膨張した。
「何だこれは!?」
悲鳴をあげ、蛇口を締める。

 

しかし、粘液の流出は止まらない。
粘液は皮膚につくと、ついた箇所が脂肪で膨れ上がった。
顔、手、足、胴体…ところ構わず膨張する。
「こ、こんなの私の体じゃない…」
浴槽が自分の肉で埋まる。

 

200kgほど体重が増加しただろうか。
起き上がろうとするも300kgを超える自重では満足に立つこともできず。

 

立ち損ねて、大きく尻もちをつく。肉厚の尻肉が保護してくれたおかげで痛くはなかった。
浴槽中に地響きが響き、天井から石片がいくつか落ちた。
「くそっ、くそっ!」
涙をにじませ幾度も立ち上がろうとするが、腹についた贅肉が邪魔してそれも叶わず。
ただ、手足をジタバタさせることしかできない。
そのたびにイリーナの巨体がたゆんたゆんと震える。

 

「違う、こんなデブ、私じゃない!」
野太い声で何度も叫びながらもがくがその動きは鈍重で。

 

息を切らせながら、ふと鏡を見ると。
肉塊と化した巨デブが、こちらを見ていた。
「これが…私!? このデブが私…なんだな…」
イリーナは自分の意識が歪んでいくのを感じた。

 

 

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