アメリカ留学(エンドA)
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8
ブラウン家の一室。
床にはお菓子のパッケージや食べカスが散らかっていて、茶色の染みができている。
部屋の中央には大きな椅子が置かれており、
そこに衣服をまとった肉塊…榊綾香が、はち切れそうな豊満な肉体で
ケーキにむしゃぶりついていた。
「ふぅー…はぁー、ちゃぐ、ちゃぐ…くちゃ…ごきゅん…むふぅー、っぷ」
くぐもった声に暑苦しい息づかい。
綾香は自分の顔、そして大きなお腹が、したたり落ちたクリームで汚れることも気にせずにケーキを口内に押し込んだ。ぼとぼととクリームは床にまで零れた。
その姿はまるで…目の前に餌を与えられた家畜のようで、食欲以外の全ての感情が欠落しているようにみえた。
部屋の中は湿気をともなってほのかに暑い。彼女が汗をかいているためだ。
食物をつかむ太い腕の表面を滝のような滴が伝い、額には玉のような雫が浮かんでいる。
その頬には、栄養が偏っているためか…にきびがぽつぽつと出来始めていて。
その髪は、つやつやと脂ぎっている。
その肌には、うっすらと薄い産毛が生えている。
真ん丸な顔は無邪気な少女のような幼さを感じさせるが、
ぬらぬらと汗で妖しく光る肉体は、女としての「肉」の魅力を湛えている。
体全体がほんのりとピンク色に染まっていて血色がよい。
ズボンの革のベルトを覆い尽くすようにはみ出した腹肉がTシャツからのぞいている。
下腹部も、ベルトの下から上腹部の肉に負けじとせりだし、
局部のファスナーから飛び出してきそうだ。
何段にも重なった腹肉…それらの多くが電話帳ほどの厚さもあるのだが…の上には、
餅のような乳房が突出している。それはまるで牛のようで。
彼女がケーキを食べ終えクッキーに手を伸ばそうと体をひねると。
ブルンと弾力を伴って左右に揺れた。
太ももは通常の女子…つまり健康的なごく一般的女子高生だが…の腰回りくらいの太さはある。
上腕にもこびりついた贅肉が着物の袖のようにびろんと垂れて付いており、
腕の動きに合わせてリズミカルに、かつ意思を持った生き物のように動く。
しかし、これだけ太っていてもは顔には比較的肉がついておらず、
痩せていたころの愛嬌のある雰囲気は失っていないのが奇跡だ。
扉がノックされ、青年が部屋に入ってきた。
「また食べているんだね、アヤ。こんなに部屋を汚して。」
少し呆れたように辺りを見回した。
「あ、ロジャーさん…」
榊は首筋まで肉で埋まった顔を重たそうに振り向き、悲しそうにほほ笑んだ。
「ごめんなさい…私、あなたの恋人になってから心が疼くんです。
日本に残してきたあの人が忘れられないのかな…?」
彼女は涙で目を潤ませ、持っていたクッキーをせりだしたお腹の上に置いた。
ロジャーが彼女の手を持った。
「大丈夫だよ。僕が全部忘れさせてあげる。」
「で、でも、私…あの人のことを思うと背徳感に身を切られるようで…。
食べることで気分を紛らわせようと思ったんですけど…
どんなに食べても食べても気持ちが晴れないんです。」
じっとロジャーの手を見た後、すがりつくように彼を見上げた。
「ねえ、ロジャーさん。ぶくぶく太ったデブ女は嫌いですか?」
にっこりとロジャーは見つめ返した。
「そんなわけないじゃないか。どんなに太ったってアヤのことは大好きだよ。」
「そ、そんな…こと、ない…。私なんて、大沼君を裏切った私なんて…」
苦しさと一緒に飲み込んでしまうように、綾香はお腹に置いていたクッキーを手に取り、
一口に食べ終えた。
その時。
ブチン、と音がしてベルトのバックルが外れ、彼女の白い腹部が露わになった。
「あ…」
「あー、また新しい服を買わなきゃいけないな。これ以上大きいサイズは…8Lだっけ?」
「すす、すみません。」
「ふふ、そうやって恥ずかしがるアヤは可愛いなぁ。」
ロジャーは彼女の白い腹肉を持ち上げ、局部に手を滑り込ませた。
「あ…えっちは、一日一回だけって…いったじゃないですか…」
「そんなこと言わず、スキンシップって大事だよ?」ロジャーもズボンを脱ぎ始める。
「あ…ダ、ダメです。まだ心の準備が…」
綾香は、いやいやをする様に体をひねるが、体格のいいロジャーに椅子ごと倒されてしまった。
ずしんと部屋全体が揺れた。
幸い、椅子からはみ出すほどたっぷりとついた尻肉がクッションとなって彼女にケガはないようだ。
「ダメですよ…ロジャーさん」
しかし、彼女もその言葉とは裏腹に、慣れた手つきで自らのズボンを下げだしていて。
肉に引っ張られて紐のように股に食い込んだ下着が露わになった。
「やさしく…挿入てくださいね」
こよりのような下着を太い指で不器用に脱ぎ、自らの局部をロジャーに向ける。
その目はわずかに笑っていて…さきほどまで葛藤していた人間とは思えないほど、
大胆不敵な目つきだった。
綾香の挑発するような表情にロジャーの局部もいきり立ち。
もどかしげにズボンを脱ぎ終えると榊の股の間に自分のモノをずぶずぶと滑り込ませた。
「っく…」
わずかに綾香が顔を歪ませる。
「ごめん、痛かったかい?」
「ううん、全然。1回目に比べたら…」
「それじゃ…いくよ。」
そう言うとロジャーは激しく腰を振りはじめた。
それにつられ、綾香の贅肉も柔らかく波打った。
「っ、はぁ、っくっ…」
行為が激しくなるにつれ、部屋中にオスとメスの臭いが立ち込めて。
二人の汗が床に飛び散る。
「(はぁ…はぁ…私の体…ロジャーさんを包み込めるほど大きくなってたんだぁ…)」
快感の渦の中、わずかに残った理性の中で綾香は考えていた。
「(大沼君…私、どうしたらいいのか分かんないよぉ…。)」
「(気持ちいいよぉ…もっと、もっともっと気持ちよくなりたいよぉ!)」
次第に秘所が熱くなっていって。
「うっ、ああああああああ!!」
「いっ、くぅぅ!」
綾香の巨体が海老反りになったかと思うと、二人は絶頂した。
「はぁ…はぁ…」
行為を終え、一息ついたロジャー。
何かに気づいたように綾香を見た。
「あ、ご、ごめん。中に出した…」
しかし、彼女はその言葉を無視して、彼の局部を自らの牛のような2つに乳房で挟み込んだ。
「ちょっと、アヤ…?」
彼女は熱に浮かされた顔で乳房を抱え込み、上下に動かし始めた。
「いいんです。私…普段、食べてばかりの私に…差し入れをして下さるロジャーさんに…
ご奉仕しなきゃ…」
ロジャーはなすがまま、綾香に体をあずるしかなかった。
「っあ、っはぁ、はぁ、はぁ………はぁ」
数分間の動作の後、綾香の胸の深い谷間から粘り気のある液体が噴き出した。
彼女は自分の顔にかかったそれを拭うこともせずに、ロジャーの局部をくわえた。
「はふっ、くちゅっ…んぐ」
荒々しく、しかし丁寧に嘗めまわしていく。
綾香の行為が終わると、今後はロジャーが彼女の体を愛撫し始めた。
「あっ、いや…ん」
舌先で乳首の先端を舐めるロジャーを綾香は振り払おうとしたが、その手に力は全く入っておらず。
ロジャーは胸、腹と愛撫していく。
綾香の柔肌の上をロジャーの唾液が流れ落ちる。
「んっ、ふっ…」
ついには彼は下腹部を舐め終え、股の間をぺろぺろとくすぐり始めた。
クリオネのような柔らかい愛撫に綾香の股は潮を吹いて応えた。
「ロジャーさん…あんっ、ロジャー…さん、大好き…」
すでに日は傾き、斜光が差し込む部屋の中で、綾香の愉悦の声が響いていた。
9
3月。
私はブラウン家に別れを告げ、日本に帰ってきた。
ロジャーさんは名残惜しそうだったが、「また帰ってくる」と言って飛行機に乗った。
日本の空港に着くと、到着ゲートにクラスのみんながいた。私の帰りを待っていたのだろう。
「みんな〜、ただいま〜」
重たくなった足取りで駆け寄った。
しかし、待っていたのは思がけない一言。
「は?誰?」
そう、私があまりに太ってしまっていたため、クラスメートは私だと分からなかったのだ。
苦労して、私が榊綾香だということを説明して、みんなはしぶしぶ納得した。
しかし、その後に開かれた「お帰りなさいパーティー」は今一つ盛り上がらなかった。
そして、今私は電車に乗り、元の彼氏、大沼君の家に向かっている。
恋人として別れ話を切りだすためだ。
電車内での金髪達の会話に傷ついた心を奮い立たせ、彼の家の前に立つ。
その時、玄関から大沼君と綺麗な女の子が出てきた。
二人とも手を繋いで笑っている。
傍に立つ私を一瞥し、彼らは向こう側へ歩いて行った。
去り際に女の子が「すごいデブw」と笑った。
「そう言えば、アメリカに留学した綾香って子、もういいの?大沼君?」
女の子の問いかけに彼は笑って答えた。
「ああ、あいつはもう飽きた。どうせ体目当てだったしw」
その言葉を聞いて、私はあふれ出しそうになっていた涙をこらえ、笑顔で言った。
「ばいばい、大沼君。さようなら。」
アメリカに帰ろう。愛しいあの人に会うために。
(完)
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