罪と罰 GMと紅水晶の少女 後編
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橘、千弘、悠、の三人が隠れている倉の近く、そこに真紅の水晶があった。
そして水晶が浮かび上がり強く輝く。その光が人の形を象る。
水晶の輝きが治まると、そこに水晶を首に掲げた少女、重さの神がいた。
「罪人共よ、こんな所まで逃げおってからに」
重さの神の首の水晶に千弘と悠の姿が映っている。
手に火の燃えさかる松明と日本刀を持って何かともみ合っている様な動きをしている。
水晶の中の松明が2人の手から飛び出す、
同時に倉の窓から松明が飛び上がり重さの神の前の石畳に落ちる。
直後、倉から日本刀を持った橘が飛び出してきた。
「何があった」
「 いえ、あの二人どこかに閉じこめられるくらいなら、
いっそここで焼身自殺するか切腹しようとか言い出しまして・・・」
「止めた拍子にこっちに投げ飛ばしてしまって・・・」
「そうか、少なくとも観念はしたようだな」
「その紅色の水晶に映った重さを弄んだ者を、
牢獄の神が与えた札で封じるんですよね」
「その通り」
「それで私は・・・」
「構わんよ、どこへなりとも失せるがいい」
日本刀を前に掲げながら両膝を付け頭を下げる橘。
「ありがたき幸せ しかしアンフェアダイスを持ち込んだのは私なんですが・・・」
「 まさか実家が神社で霊能力者もちらほらいるから報復が怖い、って訳ですか?」
「黙れ・・・」
「それに世の中には本当に重さを弄んでる奴らは掃いて捨てるほどいますが」
「そういう連中に先に罰を与えないのは返り討ちにあいかねないから、って訳ですか?」
「黙れ・・・!」
「神様ってのは、弱い者イジメしか出来ないんですかぁ?」
「黙ってろ!!!」 重さの神が石を拾い橘の背中目がけ落とす。
石は大岩のごとき質量で橘を押しつぶし地面に貼り付けた。
更に日本刀を前に投げ出すような形で潰れている橘の頭を躊躇無く踏みつける。
松明の炎に照らされた、怒りに歪むその形相は悪鬼のそれである。
「橘さん!!」 「タッチー!!」
倉から飛び出し駆け寄ろうとする悠と千弘の前に
重さの神が立ちはばかり両の掌を叩き付ける。
「重さを弄ぶ者には皆罰を与える!まずはお前達からだ!!」
二人の体が更に膨れあがってく。
悠の体がブラウスとスカートを完全に破ってしまう。
千弘のせり出て行く腹がジャージの上を押し上げ、
膨れあがった尻がズボンをずり下げる。
二人の真下の石畳にひびが入り、そして砕ける。
重さの神は一旦両手を放し札を取り出す。
「さあ、罪人よ!現世に永久の別れをつげ 「今だ!」 橘の叫びが響いた。
それを合図に悠と千弘が互いの手を合わせ重さの神の腹に打ち込み、
重さの神が持つのと同じ札を貼り付けた。
瞬間、重さの神はゆっくりと下に沈み出す。
重さで沈んでいくのではなく、何かに引きずり込まれているかの様に。
「な、なあぜだぁぁぁ!!! 」
「あなたが罪人とみなされたからですよ、その水晶にね」
橘が、本来の重さに戻った、石を振り払い立ち上がる。
持ち上げた日本刀は地面に落ちた松明の炎に照らされ、
刃に重さの神の姿を、その首にさげた紅水晶を映している。
そして重さの神の紅水晶にも重さの神の姿が映っていた。
「橘さんは!あんたを怒らせて自分を攻撃させて!
「あんた自身の姿を水晶に映したのよ!!」
「仕込みと打ち合わせはあの時にやらせてもらいました」
「あの自殺未遂を演じていた時にね」
「お前達ぃぃぃ!!! 万物を司る八百万の神が一柱に対してにこの様な狼藉をぉぉぉ!!!」
「なにさ!関係ないはずのタッチーまで傷つけて!あんたなんかただのバケモノだよ!!」
「すみません、私にとっては八百万の神が一柱よりも」
「一緒にゲームを楽しむ仲間の方がずっと、ずっと、大事なんです」
なおも呪詛の言葉を飛ばそうとしていた重さの神だったが、
その言葉が出されるよりも先に地面に完全に沈みきり、
そして静寂が訪れた。
(私達は賭けに勝てた。)
(しかし、あの二人に待っていたのは重い現実だった・・・)
時刻は昼盛り。しかし太陽は雲に覆い隠され空は灰色。
大学の教室の窓から外を見ている橘。
その中で目を引くのは4人掛けのベンチを占領する2人の女性。
その超肥満体がギリギリ入る特大の服を着ている2人は悠と千弘である。
(込められた力の差なのか、佐々木さんと宇野先輩は元の体重に戻れなかった。)
悠は息を切らし深々と椅子に座り込んでいる。
その体は顔立ちと体型のバランスを保ったまま更に倍近く肥大化している。
体は椅子に沈んでいるが、頭は顎周りの脂肪に沈んでいる。
首はとっくに顎と一体化してしまってる。
お腹は臨月の妊婦の様なサイズをもってせり出している。
そんな腹を優に上回る大きさの胸はまさに爆乳。
二の腕はかなり太くその分短く見えてしまう。
(実際腹肉に阻まれズボンや下着が一人ではけなくなってしまってる)
お尻はバレーボール大にまで肥大化している。
その下の二本の脚は間の隙間が消えてしまい一本の肉の丸太と化し、
とても肉感的で、ある意味魅惑的な下半身を形成している。
しかしいくら可愛い顔とバランスの取れた体をしていても、
その超肥満体を嫌う人間の方が多くて・・・
(佐々木さんは付き合っていた彼氏にこっぴどく振られてしまった。)
佐々木悠(19) 152cm 88kg 114・88・108
→164kg 148・123・139
千弘はまだ息が整っている。顔立ちも保っているが、
顎はくっきりとした二重顎で膨れた頬肉に圧迫され少し目が細くなっている。
胸・腹・尻の体の中心部位が特に大きくなった球体の様な体型で、
胸は彼女の頭よりも大きい横幅と身長よりも大きい前幅を持つ爆乳。
お腹は鏡餅の様な深い段差の特大の三段腹にして特大の太鼓腹。
一人がけの椅子では大半が入らない程の横幅の尻。
脂肪で横に太くなった二の腕は成人男性のそれよりも大きく、
脚も元のラインを保ちながらもパンパンに膨れ上がってる。
それでも200kg近い超肥満体の千弘の体においてはまだ細い方だ。
しかし、その為彼女の体を支えきれない様な頼りなさが出ていて、
実際上手く身動きが取れなくなってしまい・・・
(宇野先輩はかけ持ちしていた陸上部を退部することになった)
宇野千弘(21) 162cm 91kg 106・104・101
→172kg 173・165・170
( あの神様が言っていた様にやっぱり重さを弄んだ私達が悪かったんだろうか・・・)
後悔と疑念の中で自答する橘。
なにげと無しに振ったサイコロの出した目はその答えをだすものではなかった。
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