肥らせの迷宮
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束井麻はファントム・クッキーマンという正体を現し統伎を連れ去ってしまう
光樹達はすぐに後を追うが・・・
光樹「待てぇぇ!!」全力で走る光樹
しかしその走りは統伎や変化前の玄和のそれに比べ明らかに遅い、別段理由は無い
ただ光樹が手と口は早いが頭の回転と足が遅いというだけである
公恵「お兄ちゃん、イマ行くよ!」 全力で走る公恵
「・・・光樹さんが・・・」 しかし成長により体力は格段に上がったが
肥満化により重量も上がってしまい元々体を動かすのが下手だったこともあり、
その走りは光樹よりも遅い
有葉「統伎・・無事でいてください!」 全力で走る有葉
こちらは元から体力があり、それが若返りによって更に増したこともあり
光樹よりかは早かった、しかしそれでも全力疾走は増した体重がもろに負担になるため
もう息が切れかかっている
玄和「兄ちゃ ぽてんっ! 助けに ぷてんっ! 行き ぼぽんっ!」
玄和は全力で走れなかった 転換、肥満化を経ても体力こそ変わらなかったが、
肥満化による悪影響をもろに被っていた
それは単純な体重の増加ではなく、短くなった手足と体についてしまった脂肪である
一蹴り、一蹴りで進む距離は大きいが、足をつまずかせ転び、立ち上がりまた進むも
足がお腹に引っかかりまた転び、立ち上がるも胸とお腹のせいで見えない地面の出っ張りに
足をすくわれまたまた転び その繰り返しだった
クッキーマン「そおら!」 クッキーマンが統伎を放り投げた
統伎は抵抗1つせず慣性の法則に従いそのまま白い湖に落ちた
クッキーマン「ははは、溺死への恐怖を最後のエッセンスとし、
ファントムという一品をしあ 玄和「兄ちゃーーーーっん!!」ばよぉぉん!
成功を確信していたクッキーマンは玄和の体当たりを足下に直撃させバランスを崩す
公恵「ヤァァァッ!蹄跡蹴り!」 クッキーマン「!ただの人間が!」
しかし続く公恵には反応できた
蹄跡蹴り・・・牛坂流の蹴り技、狙いは頭
束井麻の記憶から技の内容を知り頭を右手でカバーする
ドカッン! 直撃した 公恵の大きな尻によるぶちましがクッキーマンの鳩尾に
公恵「ア、あれっ?」 クッキーマン「な、なぜ・・・」
単に公恵には蹄跡蹴りは難易度が高すぎただけである
有葉「はっ!蹄跡蹴り!」クッキーマン「グバァ!!」
その隙に有葉による正真正銘の蹄跡蹴りを受けてしまう
そのまま三人の全体重をかけられ動きが鈍ったところに
光樹「メイドキック!」クッキーマン「グッギィィ!!」
ビリだった光樹の長い足による飛び回しつま先蹴りを受け完全に転倒し
そのまま四人の下敷きになってしまう
長い割に遅い足だが長い分こういう使い方もあるということか
光樹「統伎さん!」有葉「あれを使いましょう光樹さん!」
有葉が指さしたのはすぐそばに落ちていた長いロープ、どれ位長いのかと言うと
その上の光指す地上まで余裕で届くほど長い
クッキーマンが行き来に使ってたのかどうかはどうでもいい、
重要なのはこれで統伎を助けられるということだ
光樹「これを命綱にして私が飛び込みます」
「統伎さんをキャッチしたらロープを揺らすのでその時引き上げてください!」
有葉 公恵 玄和「!?」 メイドの提案に驚く主人達
光樹の言うことは分かる、それが統伎を助けられる唯一の方法だとも理解している
その結果光樹がどうなるかも・・・
有葉「光樹さん、主人として命令します 私たちの家族を救ってください」
光樹「私ができるのは掴むことだけです」「掬うのは頼みますよ!」
そう言うなり光樹はロープを千切りその切れ端を自分の左手首に
何重にも結び白い湖へ飛び込んだ
湖を満たすクリームをかきわけ、喰らいながら底へと沈んでいく
統伎「なにしに来たんだよぉ!」光樹「助けられての第一声がそれですか!」
統伎「だって・・・光樹さんまで、光樹さんまでぇ・・・」
今自分の左手を掴んでいる光樹の右手はもはやグロープの様だった
その付け根は、胴体 肩は胴体に付いた脂肪に埋もれている
お腹はもはやお腹の域を超え全身を覆い付くそうとし全身に広がっていたが
その中でもウエストの辺りは太鼓、御輿の上に担がれる複数で叩く大太鼓 すら
とっくに超越した巨大さである
お尻はお尻で体の一番下の座を足の裏から奪い底面積を今尚拡大させている
もはや、巨乳、爆乳をとっくに通り越した奇乳 今尚独立する部位であり
抵抗の少ないクリームの中で暴れるかの様に盛大に揺れている
腕と同様に脚は埋もれ、足がちょこんと突き出ているのみ
背中がお腹と同じ様に膨らんでいるのはまさに人体の構造の崩壊
手と足と胸そして輪郭を真ん丸にしつつも以前の構造を崩していない顔
それを除き全てが胴の中に埋もれていた
光樹の体型はもはや人間のものではない、1つの巨大なボールだ
『ダレノセイデコウナッタ?』 俺のせいだ
『コウエノミライガコワレタノハ?』
『アリハノツンデキタジカンガウバワレタノハ?』
『クロワガイモウトニナッテシマッタノハ?』
『サンニンヲフトラセタノハ?』
統伎「全部、オレだ」 ペガサス『そう、お前のせいだ』
統伎の内でその魔力が一つの形を得た
天馬に似た姿の美しい外観の怪人だが醜悪な本質は隠しきれない
ペガサス『もはやお前の罪は償いきれるものではない』
『せめて、新たな命を誕生させるための糧になるがいい』
統伎「オレなんて、オレなんて 死んでしまえばいいんだぁぁ!!」
光樹「このバカ息子!!」 バァチィィン!
光樹は統伎の頬を全力で張り飛ばした 白一色の湖底に朱い飛沫が飛び散った
光樹「なに死にたいとかぬかしてるのさ!」
「みんなアンタの為に頑張ってるのに!」
そう、湖の上では有葉達が光樹と統伎を引き上げる為に踏ん張っていた
なお、クッキーマンはその為の足場とされ身動きできずにいた
ペガサス『お前ぇ!人間の召使いの分際で主人であるファントムのこの私に手をあげるのかぁ!」
その声は動揺する統伎の内を素通りするのみだった
統伎「でも、みんな あんな目に・・・」 光樹「どうも思ってないよ いや喜んでた」
統伎「え・・・?」
玄和と光樹達が合流し一息付いたときのことだった
サイズピッタリのメイド服を着た公恵と有葉
公恵「ふぅーこれでマトモに動けるね」
「・・・正直言ってアリガタイよ、この体」
有葉「何を言ってるのですか」
公恵「だって前は動くのが辛かったけど今はツカレルけど辛くない」
「むしろ重い分、イノチの実感をより感じられる とまでは言わないけどね」
有葉「まったく何を言い出すかと思えば」
「そう言ってる内はまだまだ私の気も抜けません」
「その点では私もこの変化は有りがたいです」
「重量も増したのも安定感といった意味で良いですし」
玄和「はは、オレはゴメンっすよ」
「いや、やっぱり出来るなら小さくなりたい」
「後、動けなくなる程太って、母さんにおんぶして・・・」
「ってのは、だめっすよね、光樹さん」 光樹「え、そ、そうですね」
光樹「それにしてもメイドがメイド服に合ってないってのはどうですかね?」
有葉「仕様が無いでしょう 貴方の身への有事にも備えておくべきです」
「むしろ私達がどうでしょうか」「まさか着れる服がこれだけしかなかったとは・・
光樹「みんな変わった自分を受け入れて、変えた重さを少し喜んでました」
クリームを食い進みながら、息継ぎ代わりに言葉を放つ光樹
その様はともかく、表情は真剣そのものだ
光樹「だから、あなたに罪なんてない」
「命の重さは変わらない!」
統伎「」 今、命のために懸命に食い進む光樹の姿は醜いだろうか
いや、醜くなんてない 太く短くなりクリームを押しのけかきこむ手も
埋もれながらも少しでも前へ進むためにパタパタと動いている足も
ボンネットの様に突き出て大きくなったお腹も、
そのお腹よりも突き出て甚大な存在感と質量を誇る胸も、醜くなんてない
そして原型と輪郭を保った綺麗な顔、その瞳に映るのは自分
皆に愛されたった一つの重い命を持つ自分ーーーー!
統伎はすぐさま手を伸ばし光樹の右手を取った
光樹は左手首のロープと体全体の脂肪を揺らした そして
公恵「よし、キタァ!」公恵の変わったことで得られた力が
有葉「いま、引き上げます!」有葉の変わったことで増した力が
玄和「ここが力の使い所!!」玄和の変わっても衰えぬ力が一つになって
光樹と統伎を白い湖から引き上げた、
・・・・・いや勢い余って空へ打ち上げた
力を一気に出した三人は追えず光樹の巨体は地面に叩き付けられ
なかった 光樹「統伎、さん・・・」 統伎がその両手で光樹を受け止つつ
両足で地面へ着地していた しかし数秒の間を経てす早く、それでも丁寧に光樹を
地面に下ろした 光樹「・・・おもかったでしょ?」
光樹は顔を赤くし全身の肉を震わせている
統伎「なぁに、君が皆が救ってくれた俺の命の重さと比べたら・・・」
「全然重くなかったさ!」 統伎の言葉に光樹は顔の赤さと体の肉の振動の頻度を
更に増したのであった
クッキーマン「いい気になるな!この豚人間共!」
ここで光樹という最大の重しから逃れたクッキーマンが怒りと力に任せて三人を
吹き飛ばす、玄和は例によって脂肪をクッションとし着地、有葉は危なげなく着地し、
公恵は上手く着地できずここにきてコケてしまうがダメージはなさそうだ
クッキーマン「こうなったら、貴様ら肉塊どもを真の肉塊にしたてあげ
素材のゲートは死なない程度に殺して傷みという調味料でしあげ
おいおい、調味料ぶちまけとかパティシエのやることじゃねーだろ
クッキーマン「!」 お前がそれを言うかマヨネーズ
いや、マヨネーズは調和のとれた料理にさらなる調和をもたら
んなわけねーだろまぁ確実な事が一つ
クッキーマン「何だ!!」 クッキーマンの問いへ答えが返ってきた
ショータイム
ウィザード「お前に 見せ場 はないってことだ!!」
迷宮の天井をぶち破り陽の光と共に、ヴィザードハリケーンドラゴンが
ドラゴウイングで大回転しつつ飛び込んできた
クッキーマン「グキィッ!?」
クッキーマンは大慌てで跳躍しドラゴンスパイラルから逃れようとする、
ウィザードはクッキーマンをとらえることなく離れた大地へ降り立つ
クッキーマンは余裕を見せつけるかのごとく全力で嘲笑する
クッキーマン「く、ははは!鳴り物入りで登場した割にはこの様か!
指輪の魔法使い!」 しかしそこに迫るは ビースト クッキーマン「古の魔法使い!?」
ビースト「・・・さぁ!デザートだ!」
ビーストのキックストライクは跳躍し無防備となったクッキーマンを撃った
クッキーマン「グゥギッィィィッ!!」 爆散したクッキーマンから金色の塊が浮かび
ビーストのバックルに吸い込まれたがヴィザードはそれを見てない
見てるのは降りた近くの4人の真ん丸に太った少女乙女、そして1人の少年である
統伎(あれから俺達は魔法使いに地上に戻してもらったらしい)
(らしいってのはあの直後オレは眠りこけてしまったからだ)
(母さんと公恵と玄和はその魔法使いに元に戻してもらえることが出来んだがが・・・)
有葉「申し出は有りがたいですが、「自分で出来ることは、精一杯取り組む
出来ないことは素直に他人に助けてもらう」が牛坂家の家訓です」
「自力で体型を戻した上で貴方の魔法で変異を打ち消して下さい」
(母さんは 「原 亜吏羽」という偽名で身分を隠しレストランのバイトになった)
(しかし残飯処理、つまり余った料理も素直に食べているので痩せられるのかなぁ・・)
公恵「はい、私ももう少しこの変化と付き合っていたいんです」
「この大きなカラダ、もうスコシ楽しませてください!」
(公恵は母さん達の判断で素直に事情を説明した上で元の学校に引き続き通っている)
(楽しいのか運動には積極的だが、その分食事量が多かったりする・・・)
玄和「ここでの経験があれば元の自分にも向き合える」 「そう思えるんっす」
(玄和も学校に通うことになったが流石に前とは違う所に一時転校することになった)
(あの体型にも慣れもう転んだりしていない)
(自分から転がったりはたまにしてるが)
(坂道を転ったお陰であそこで一番早く駆けつけられたりしてるしオレとしては構わない)
光樹「統伎さん、お米持ってきました」 統伎「ああ、こっちに置いて下さい」
(光樹さんは素直に魔法使いの治療を受けた)
統伎の脇に米俵が置かれる、持ってきた光樹の腕はバット程に太くしっかりしている
その付け根の肩はくっきりとした、柔らかい丸い輪郭である
前に着てたハーフベストと同デザイン、大サイズの上着の上からでも
背中がふっくらとした柔らかいものだと分かる
胸、より巨大になった地球儀大のそれが上着の前チャックを閉めることを許さず
新たに着だしたグレーのアンダーシャツを押し上げ、ことある毎に上下に揺れる
その下のウエストは見るも無残、とは言えない
くびれは消えポコンと張り出してるがドゴンと張り出した胸のお陰で余り目立たない
いや、一応の存在感を出しているお腹のお陰でその上の胸の存在感が、
より増しているとも言える
元から大きかったが目立たなかったお尻は上着同等のサイズのミニスカートを押し上げる程になった大きさは勿論、覆われていない隙間を埋める程になった二本の太ももという比較対象を得たこともあり人目を引くある意味魅惑的な美巨尻となった
そして顔は二重顎、一重瞼にはなってないが、たっぷりと肉が付いた丸顔である
丸く膨れた頬とたぷんとした顎が元々の人懐っこさをより増していた
統伎(治療は受けたが、魔力によって十倍になったクリームのカロリーの分は戻せるが
食べたクリーム元々のカロリーの分は戻せないという理由で完全には痩せてない)
(あと、あの時のビンタを理由に辞職を求めていたが当然却下された)
(というかオレが却下した)
統伎「さてと、晩ご飯の調理にとりかかるか」 ぐぎゅうーーー
調理開始のアラームという訳ではないが、光樹のお腹から大きな音が響く
統伎「はい、今日のまかない」 光樹「は、はい、いただきます・・」
備え付けてあった椅子に座った光樹へ焼き飯をよそおう統伎
あの時、大量のクリームを一気に食べた性で光樹の胃は巨大化し
一日に5回の食事を取らないと活動できない様になっている
はふはふと焼き飯をゆっくり食べる光樹を見て統伎は思う
(光樹さんの増した重さが変えたのは俺との距離)
(その重さが俺を引き付け、惹きつける)
(出来ることなら、その姿をいつまでも見ていつまでも仕えてほしい)
統伎「キミが俺にとっての最後にして最大の希望なんだから」
その呟きに答えたのか光樹の指にはめられた指輪、
治療の証であるヴィザードリンクがキラリと輝いた
クッキーマン/束井麻雨夫
迷宮を作り上げるその建築技術と行動力はともかく、
戦闘能力は最弱に近く大掛かりすぎる割には細部が穴だらけの作戦を立てるために
ほとんど上級ファントムには期待されてなかった
名前は操真晴人の反転から
操真(魔を操る)晴人(晴れ)→束井麻(使われる魔、使い魔)雨夫(雨)
仮面ライダーヴィザード/操真晴人
スレチなので紹介しない
仮面ライダービースト/仁藤攻介
スレチなので皆まで書かない
過龍光樹(すぐる みつき) 19歳
牛坂家に仕える家事手伝い、いわばメイド
特別な事情は持っていない優秀で可愛い普通の少女
165cm 54kg 90・58・84 肥満化前
→264kg 201・188・168 肥満化後
→75kg 110・81・104 治療後
牛坂統伎(うしざか とうぎ) 19歳
名前の由来は闘牛士(とうぎゅうし→うし・とうぎ→うしざか・とうぎ)
光樹への感情は恋愛感情ではありません
友情にして尊敬の思いです
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