変身!まるっと舞ちゃん!
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沖方 舞(おきがた まい) 16歳 身長162cm 体重54kg B:92 W:68 H:88
進学校に通うため親元を離れ、一人暮らししている。ロングヘアーにむちっとした体型で、
良く周りから鈍くさいなどとからかわれてる。
宇宙警察のバフバワト(bafbwt)によって特殊スーツ「F.A.T. 2234」通称ファットスーツを貰い、
彼に協力するハメになった。
バフバワト ???歳 身長35cm 体重3kg
宇宙警察所属の刑事。ぬいぐるみのような外見だが中身はどっかずれた宇宙人。
犯罪組織「ガリンズ」の犯行を阻止すべく、偶然通りかかった舞に協力を求める。
前略、田舎のお母様。
私、沖方 舞は──
「やぁ!僕はバフバワト!僕と契約して魔法少女になってほしいんだ!」
「ふざけるな、それゾンビ化するだろ」
未知との遭遇をしてしまいました。
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「いやー地球の食べ物は美味しいね!これがどこでも買えると言うんだから素晴らしいよ!」
「それ私のなんだけど・・・」
私が買ってきたおやつのショートケーキをむさぼり食べてるぬいぐるみのような物は
バフバワトと名乗った。
今日、夕食の買い物を終えて帰宅する途中、突如私の目の前が光ったかと思ったら
こいつが居たのだ。
「それで?もう一度説明してくれるかしら?」
「もちろん!何度だって!
君たちの星、つまり地球はガリンズに狙われてるんだ!」
口の周りをクリームだらけにしながら説明を始める謎の物体X。
「ガリンズというのは宇宙規模の犯罪組織で、色んな惑星を侵略して支配しているんだ。
この地球も例外じゃないんだよ」
「でも侵略されてるなんてニュース聞いた事無いわよ?」
そんなことになれば今頃世間は大騒ぎの筈だ。
「そこがやっかいでね。ガリンズは"裏"から侵略するんだ」
「裏?」
「つまり政治、社会、世間。そういった所から支配していくんだ。
じわじわと気付かれないように少しずつ支配を広げる。気付いたときにはもう手遅れなのさ」
「そんな・・・って事は・・・」
最悪の考えが頭をよぎる。
「いや、まだ終わってはいないんだ。でもかなり危ないところまで来ているのは事実だ」
「そっか・・・じゃあその侵略者を倒せばまだ元に戻る可能性があるのね!」
「もちろん!ただ・・・」
「ただ?」
「実質支配されたと変わらないとも言えるんだ」
「はぁ!?さっき支配されてないって言ったじゃない!」
「・・・キミはダイエットをしたことがあるかい?」
「うっ・・・昔やったけど失敗しちゃって・・・リバウンドヲ・・・」
「何故やったんだい?」
「そりゃ・・・痩せた方が美人だし・・・」
「何故痩せたら美人なんだい?」
「え?そりゃ・・・」
「おかしいと感じたことはないかい?
痩せてれば美人、太っていればまるでそれ自体が罪のように言われるこの世の中に」
「で、でもそれは昔からじゃ・・・」
「昔といってもここ百年程度の話だよ。
現にロシアなんかは数十年前までは太った人が美人とされたのさ。
じゃあなんで痩せた人が美しいと言われるのか・・・」
「まさか・・・ガリンズ?」
「その通り。奴等はテレビや情報を操作して痩せてるのが美しいという印象を作り出したんだ」
「で、でもそれが何だっていうの?精々私たちが必死にダイエットするぐらいじゃ・・・」
そんなことに一体何の意味があるというのか・・・
「そう、そのダイエットが問題なんだ。
奴等は優れた化学力で誰もが痩せられる薬を売り出すつもりなんだ。
その薬には強い依存性があることがわかってる。そしてそれを売れるのは奴等だけ・・・
気づけは薬を作れる唯一の存在にすがるしかなくなる世界になってしまう。
そうなれは世界は奴等の物になってしまう」
「そんな・・・まるで麻薬じゃない!そんなの国が販売を認めるわけが・・・」
そこで私ははっとした。
こいつは奴等はどういった侵略をするといった?
裏・・・政治や社会から支配すると言ったのではなかったか?
「気づいたみたいだね・・・この薬は認可される。
それどころかすばらしい薬として売り出される予定さ。
飲むだけできれいに痩せる。目だった副作用もない。まさに奇跡の薬としてね」
「そんな・・・」
部屋の空気が重くなる・・・
こんなことが本当に起こるのか?
こいつは誰かのいたずらで高性能なぬいぐるみを通して誰かがからかっているのではないのか?
そんな考えが頭をよぎる。
「残念ながらすべて事実さ。止められるのはキミしかいないんだ!」
「そんなこと言われても・・・第一なんで私なわけ?」
そこだ。
別に他の人だって良いじゃ無いか・・・
「キミに頼むわけを教えてあげよう!
申し訳ないけどキミの生体データを調べさせて貰った。
あ、他にも色んな人を調査してるからキミだけじゃないよ?」
「フォローになってないわよ・・・」
「その結果、キミはガリンズに対抗できる特殊な体質であることが判ったんだ」
「体質ぅ〜?」
「そうさ!ガリンズ達は一種の信号をだしているんだ。
その信号には美的意識を揺さぶって痩せようとさせる効果があるんだ」
「それが私には効かないって事?」
「その通り!だから─」
【ビー!ビー!ビー!】
突然警報音が鳴り出した。
「まずい、僕が地球にいることがばれたらしい!このままじゃまずい!」
「はぁ!?というかあんた自分で戦えないの?」
「僕はサポート型なんだよ!」
「じゃあなんで一人で来たわけ!?」
「宇宙警察だって人手不足なんだよ!」
「つかえなぁ!」
こいつら本当に警察なんだろうか・・・
「ええぃ!とにかくこれを!」
そういうと首に巻いていた何かを渡してきた。
金色で金属のような陶磁器のような何とも言えない感触だ。
何か文字のような物が彫ってある。
「それを腕につけるんだ」
「こう?」
それを左手首に通すとするするとサイズが縮みぴったりと収まった。
「・・・で?」
「蒸着って叫ぶんだ!」
「おい、アレも宇宙警察だろうけど流石に洒落にならないから!」
「じょ、冗談だよ!さぁ腕を上げて変身って叫ぶんだ!」
こいつは・・・
「・・・へ、変身!」
その途端私の身体は光に包まれた。
・
・
・
光の中で私の服は光の粒になってどこかへ消えてしまう。
その代わりやさしく包み込むかのように何かが体を覆う。
まずはラバースーツのようなものが全身を覆い、手にグローブが、足にブーツが、
胴にプロテクターを纏う。
髪の毛がするりとポニーテールのようにまとまり、バイザーが目の前に出来上がってゆく。
「変身完了だよ」
「・・・なによこれ」
「パワードスーツ 『Form Attack Transformation』 通称F.A.T.スーツ、それの最新型さ!」
「ファットスーツぅ?いやな名前ね・・・というか何この服・・・カラダノラインガ・・・」
ぴっちりと身体を覆う構造のせいでお腹のお肉が・・・
「さぁガリンズを迎撃しよう!」
この腐れぬいぐるみは・・・
「・・・あーもう!判ったわよ!やればいいんでよ!やれば!」
最悪だ・・・
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・
「ふむ、この辺に反応があったな・・・宇宙警察め、もうすぐ最終段階だというのに」
「だからこそさ!この星の支配なんてさせない!」
「む・・・」
レーダーの信号をたどってみると、電柱の上に怪しい人物がたっていた。
ローブを着て、声も変えているのか機械音声のような声で男か女か判らない。
「ふん、宇宙警察にも舐められたものだ。
非戦闘型の宇宙警察に小娘一人とは・・・」
やれやれといった感じで呆れる敵。
「私が出るほどでもないな。
行け!我が僕達よ!」
そう叫んだかと思うと奴の後ろの空間にに穴のような物が空き、そこからずるりっと何か出てきた。
「ロボット!?」
「これは奴らの機動兵器、『ロストゲイン』だ!」
「そこでそいつらの相手をしてて貰おうか」
「あ、待て!」
ローブ野郎(仮)はそのまますっと消えてしまった。
残ったのはなんだかチーターやゴリラ。それにネズミとサイのようなロボット。
「・・・超ロボット生命体?」
「・・・CVは無いよ」
なんてふざけてる場合じゃないわ。
「とりあえずどうするのよ!」
「物理で殴れば良い」
「は・・・?」
「そのスーツに武器の類いはないよ。
その代わり装備者のポテンシャルを大きく伸ばすことが出来るんだ!」
「いやなんか積んでおけよそこは」
「・・・っ!来るよ!」
ヴォォオオオと叫び声を上げてゴリラが突っ込んでくる。
私は反応出来ずに─
「きゃぁ!」
─吹っ飛ばされた。
そのまま壁にぶつかる。
その隙を奴らは逃さない。
チータが追撃をして、サイが踏みつぶす。
「舞ちゃん!」
焦ったアイツの声が聞こえるが・・・
「イテテ・・・ん?何ともない?」
別段身体に異常はなさそうだった。
いや。どこかおかしい・・・
「よかった、スーツは正常に動作しているようだね!
流石F.A.T.スーツだ!なんともないよ!」
「どこの赤鼻よ・・・って!なにこれ!」
立ち上がってみるとお腹がぶよんと出ていた。
つかんでみるともっちりとやわらかな感触が返ってくる。
さらに太ももが明らかに一回りぐらい太い。
よく見れば二の腕当たりがやばい位ぷるぷるしてるし・・・
お尻もだいぶ大きくなってるような・・・
それにこの感触・・・顎が二重に・・・?
これはつまり・・・
「どーして私太ってるわけ!?」
「そう、それこそそのスーツ最大の特徴!
使用者のダメージをフィードバックして防御力を上げるんだ!
さらにポテンシャル増加のおまけ付き!」
「つまり?」
「ダメージを受ければ受けるほど太るけどその分強くなる」
「はぁあ!?」
なんでそんな大事なこと説明しないのよこいつっ!
「まぁまぁ!お説教は後でいくらでも聞くから、まずはあいつらを倒そうよ!」
「っ!判ったわよ!たぁっ!」
かけ声一つ、私はとりあえず殴りかかった。
ポンと飛びかかるために地面を蹴った。
それだけで、私はロボットの前に立っていた。
えっと思う前に身体が反応し、右手で思いっきりゴリラをぶん殴ってた。
右手に伝わる何かを殴り、砕く感触。
私はわずか一秒ぐらいで、ゴリラ型のロボットを叩き潰したのだった。
『イボンコー!』
「え?あんたらしゃべれんの?」
駆け寄るチーター型。
なんだろう、どっかで刑事やってそうな声だなぁ。
『ア・・・ヴォオオオオオ!』
「今頃言い直しても遅い思うよ?」
「無理スンナよ・・・」
雄叫びを上げながら素早く接近してくるチーター。
でも─
「遅い!」
今の私にはスローモーションのように見えた。
突撃を避け、カウンターのように蹴りを入れる。
『ティファアアアア!』
「それ違うでしょ!」
蹴りがチーターの腹を直撃、そのまま真っ二つになる。
『ダナァアアアア!』
サイ型が背後から角で突き上げようとしてくる。
その角をつかんで。
「どりゃあ!」
『アタラシイカオサエアレバァァア!』
「お前は届ける方だろ!」
そのまま地面にたたきつけて粉砕する。
どっかのパン工場経営してる妖精みたいな声だった気がするがきっと気のせいだろう。
「ネズミ型は・・・逃げたようね」
「でも大活躍だったよ!
キミに頼んで良かったよ!」
今までどこに居たのか、ひょこっとバフが出てくる。
まったく・・・
「とりあえず家に帰りましょう。
あと変身解除の方法教えなさいよ?」
「判ったよ、とりあえず先に家に帰ろうか」
・
・
・
「・・・で?どーいうことなのかなぁ?バフくぅ〜ん?」
「キミの身体がそうなったのは僕の責任だ。だが僕は謝らない」
「ほぉ〜?緊急時とはいえ外れない変身装置を付けさせたあげく、
フィードバックの結果私自身が太るなんていうスーツを着せて戦闘させたのに謝らないと?
ふーん・・・?」
家に帰ってとりあえず変身を解いた私を待っていたのは、
『戦闘中に受けたダメージをフィードバックすると変身を解いても太ったままである』
という事実だった。
「まぁまぁ落ちついてって!
確かに説明しなかったのは悪かったよ!
でもあの状況でキミに変身して貰わなかったら僕たちは二人ともやられてたんだよ!」
「くっ・・・痛いところを突いてくるわね」
「それにダイエットをすれば脂肪自体は落ちるんだ!
なんだったら全てが解決したら僕たちが手伝ったって良いし!」
「・・・それ本当でしょうね?」
「もちろんだとも!と言うわけでコンゴトモヨロシク」
「・・・はぁ。地球のピンチってのは本当だし、仕方ないわね」
こうして私達は協力することになった。
不本意だけどね・・・
舞ちゃん成長記
体重54kg→ 体重94kg
B:92 → B:121
W:68 → W:95
H:88 → H:108
「まぁ、脂肪を落とすことは出来るけど多分戦闘してたらそんな暇はないんだよね」
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