変身!まるっと舞ちゃん!
細田 梨子(ほそだ りこ)16歳 身長162cm 体重41kg B:72 W:55 H:78
富豪、細田家の一人娘。ストレートロングな黒髪で舞と同じクラス。部活は剣道部に所属している。
成績も良く文武両道な美少女。
総帥 ???歳 身長???cm 体重???kg
ガリンズの総帥。地球を征服するために部下を派遣して定期的に報告を受けている。
一見気さくにみえるが信用ならない。
暗い部屋の中、唯一の光源は巨大なモニターだけだ。その前に跪いている者が一人。
画面には黒いマスクをかぶった人間が映っている。
「総帥、報告を申し上げます。
昨日1800に宇宙警察の反応を探知。
目標を確認すべく出撃、1900に目標と遭遇。
その後─」
「あーOKOK。
報告書読まして貰ったから大丈夫。
宇宙警察ね〜ちょっとやっかいだね」
「はい、敵は新型のパワードスーツを装備していました。
破壊力はなかなかの物かと」
「だよねー
ぶっちゃけロボット数体じゃちょっと厳しそうだよね〜
君なら勝てる?」
「問題なく」
「おお〜いいねその自信。
じゃあまかせるよ〜」
「はい、この身に代えましても」
「ところでさ、もちょっと柔らかく話せない?折角の可愛い女の子なんだからさぁ〜」
「いえ、これが私ですから。では通信終わります」
ブツンと画面が消え、部屋は完全な闇に包まれる。
『ヘケッ!』
部屋の隅からネズミ型のロボットが出てくる。
舞との戦闘中に逃げ出した奴だった。
「貴様か・・・貴様の録画したデータは非常に役に立った」
『ハハッ!』
「だが・・・敵前逃亡はいただけないな・・・」
『ヘケッ!?』
「お仕置きだ」
『ヘッケー!?』
ガコンとネズミが居た場所の床に穴が開き、そのままヒューと落ちていく。
「さて・・・奴らを始末せねばな?」
・
・
・
「・・・本当に大丈夫なんでしょうね?」
「もちろんだよ。僕の暗示は絶対さ!」
「一切安心できる要素がない・・・」
ロボット達との戦闘の次の日。
昨日の戦闘のせいで大分体重は増えたのだが、学校は普通にある。
流石にサボるわけにも行かない。
そしたらバフの奴が「僕に良い考えがある」とか言い始めた。
詳しく聞くと道具─本人曰くひみつ道具─を使い私以外のみんなの意識を変えるという物だった。
つまり私が『元々この体型だった』と言う風に思う様に私が見えるようになるのだという。
「そして一見今までキミが着ていた制服とそっくりなこの服!
だがこれは非常に伸縮性にすぐれた服で、どんな体型でもぴったりフィット!
おまけに通気性も抜群でこれからの季節にぴったりさ!」
「まぁバフ!それは凄いわ!でも本当に伸びるの?」
「HAHAHA!着てみれば判るさ!」
「ワァーオ!凄いわ!ホントにどこまでも伸びるみたい!」
「凄いのはそれだけじゃないのさ!なんと水を弾くからぬれても平気!
さらに汚れもつかないんだ!」
「まぁすごい!でもそれじゃあさぞお高いんでしょう?」
「いやいや!今ならなんと3980円!」
「ヤダ凄く安い!」
「けどこれだけじゃないんだ!今ならなんともう一個付けて3980円!3980円なんだ!」
「凄いお得じゃないの!」
「さぁあなたも、今すぐお電話を!」
「・・・いつまでやらすねん」
「・・・先に始めたのはキミじゃないか」
そんな下らない芝居をしつつ服を入手、その道具とやらを使って貰った。
そんなわけで私は学校へと着いたわけだが・・・
「おはよー!舞ちゃん今日も太いねー!」
「おっす、沖方。今日も太いな!」
etc.etc.
【どうやらちゃんと効いてるようね】
【当たり前さ!】
小声でバフと話す。周りからはバフは見えないようにしてるらしい。
下手に話すと痛い人というレッテルを貼られそうだ・・・
とりあえず道具とやらは上手く働いてるようでクラスメイトも
『いつもこうしていた』と言わんばかりの態度だ。
にしたって少し堪える。
そりゃぽっちゃりキャラって扱いでしたよ?
でもここまで露骨にデブキャラの扱いじゃなかったわけで。
「やっぱ落ち込むわ・・・」
「ん?舞ちゃんどうしたの?」
「イヤ別に・・・」
やっぱ少し痩せないといけないわね・・・
・
・
・
「お早う」
「あ、細田さんおはよー」
「ああ、お早う」
あ、細田さんだ。
細田梨子、確か良いとこのお嬢さんで剣道部所属だっけ?
この前全国大会で優勝したとかで騒いでたな。
「沖方、お早う」
「あ、おはよう・・・」
「・・・」
ん?なんだろう、じっとこっちを見て・・・
「なぁ沖方」
「何かしら?」
「お前、大分太ったな」
「─ッ!そ、そうかしら?前からこんなもんよ?」
「いや、どうみても週末前より明らかにふとっt」
「あ、あはははは!なにをおっしゃるですか?
そ、そしたら私はサイズの違う服を着てなきゃおかしいですよ!
ほら、この通り少しきついけどぴったりなサイズを着てますよ?」
「それはそうだが・・・だが」
「最近細田さん忙しいみたいだし、きっと疲れで記憶が混乱してるのよ!
ねぇみんな!私こんなものだったわよね?」
「あ、ああ・・・失礼だとは思うが先週もこの位太っていたぞ?」
近くに居たクラスメイトが答える。
いいぞ小林!多分もう出番無いけど!
「いやしかし─」
まだ疑いが晴れないのかさらに追求しようとする細田さん。
【キーンコーンカーンコーン】
助かった、チャイムだ!
「ほ、ほら!チャイムも鳴ったし席に着きましょう!ね!」
「・・・そうだな」
そういうと細田さんは自分の席に戻っていった。
ふぅ・・・何とかなったかしら?
【ちょっとバフどういうこと?細田さんに暗示効いてないようなんだけど?】
【道具に耐性のある人間だったのかな・・・あるいは】
【あるいは?】
【犯人か・・・】
・
・
・
「それで?どういうことなの?」
昼休み、元々人気の少ない屋上の中でもさらに人気の無い隅の方でバフに朝のことを
聞くことにした。
「僕の暗示が効かない人間は三つのタイプに分かれる。
一つ、道具に対して耐性を持ってる人間。
二つ、宇宙警察関係者。
そして三つ、ガリンズの構成員だね。
このうち2番目は僕以外の宇宙警察が地球入りしてるとは聞いてないから除外して、
問題は残りの二つだ。」
「道具に耐性があるか、ガリンズの構成員か・・・ねぇ、その耐性がある確率ってどのくらいなの?」
「大体100万人に一人ぐらいだね・・・」
「となると可能性がないわけではないけど・・・」
「物事は最悪のパターンを予測した方が良いね」
「・・・クラスメイトと戦闘なんてやだなぁ」
そう考えると気が重い。
できれば一番でありますように。
「ここに居たか、沖方」
「え?」
何故かそこには細田さんが居て、何故か木刀もってて、何故か凄く険しい顔をしてて。
ぶっちゃけよう、スゲー怖い。
「ほ、細田さん?どうしたの?何か用かしら?」
「ああ、朝の件が気になってな」
「あ、朝の件?」
「やはり私には君が急に太ったようにしか思えん」
「だ、だからそれは気のせいだってば!」
「嘘だな」
「な、なにを証拠にズンドコドン」
いかん、ろれつが回ってない。
「その汗だ」
「あ、汗?」
「ああ」
そういうと彼女はこっちに近づいて─
【ペロッ】
私の頬を舐めた。
「〜〜〜〜っ!!」
突然のことに驚く私に対して彼女は
・・・・・・・・・・・・・
「この味は嘘をついてる味だな」
そう言い放った。
「な、何をするの!?」
「私の数少ない特技でな、他人の汗を舐めるとそいつがどういう感情を抱いているかがわかるんだ。
まぁ父上に下品だからやめろといわれているんだがな」
「へ、へぇ〜・・・」
そういうことだってばよ・・・
「そ、それで?仮にあなたの言うとおり私が嘘をついていたとしてそれが何か関係あるのかしら?」
「・・・そうだな」
彼女は少し考えた後こういった。
「昨日の夜7時ごろだ、ロボットと戦闘してる女性がいた」
顔がこわばる。
いやな汗が背中を伝う。
こいつは・・・
「ろ、ロボットってアニメじゃあるまいし」
逃げる準備を整えながら彼女から目をそらさないようにする。
扉までは約70mぐらい・・・
「そうだな、まるで特撮か漫画のようだった」
「じゃあなにかドラマの撮影だったのかしらね?珍しいこともあるわね」
じゃあ私は戻るわといって彼女から離れようとする。
そして彼女の横を通り過ぎようとした時だ。
「私はあの戦闘していた女性は君じゃないかと思ってる」
そう言ってきた。
「・・・知らないわ」
「・・・どうだかな?因みに昨日戦闘していた彼女は途中で『急に太った』ぞ?」
「・・・何度もいうけど気のせいよ。私は元々このぐらい太ってたわ」
そのまま扉に向かう。
細田さんはすべてを知っている。
そういえばあの時現れたローブを着た人間。
あいつと口調も似ている。
決定だ。
つまりは・・・三番。ガリンズの構成員ということだ。
・
・
・
「やっかいなことになったね」
「クラスメイトと戦う羽目になるなんてね・・・」
学校が終わり、自宅に戻った私達は今後どうするかを話していた。
彼女が放課後に何かしてくるかとも思ったが何事もなく終わり、少々拍子抜けな気もする。
「その考えは甘いよ、もしかしたら僕たちを倒す準備をしているのかもしれない!」
「うん、すごいまともな事言ってるけどしれっと私の考え読むなよ」
「てへぺろ☆」
「ぶち殺すぞ、『異星人』!!」
「冗談はともかく、彼女が相手とわかったんだ。
ならこっちから打って出ることだってできるんだ」
「それは向こうも同じじゃ─」
【ビー!ビー!ビー!】
警報・・・ってことは・・・っ!
「舞!出撃するよ!」
「うん!変身!」
・
・
・
「反応はここからだよ!」
「ここってずいぶん昔につぶれた廃工場・・・?」
「隠れ蓑にはもってこいって訳だね!」
敵の反応を辿ったら町外れにある廃工場にたどりついた。
「罠よね?」
「多分・・・でも行くしかないよ」
「・・・よし!」
虎穴に入らんばなんとやら!
ここは思い切っていくしかない!
「チェリアッッ!」
私は思い切って『扉の横の壁を蹴り抜いた』。
ドゴォ!といい音がして壁に人一人が軽く通れそうな穴があく。
「ちょ!?なにしてんの!?」
「いや、罠だったら扉の両脇に立ってて入った瞬間攻撃して来たりとかあるかな〜って・・・」
「舞って実は馬鹿でしょ?」
「何を!?」
言い争いしながら建物に侵入する。
中には─
『ブーン!』
『シャー!』
『ゴッツンコ!』
お約束どおりロボットが何体かいる。
今回は蜂に蜘蛛に蟻と全員虫系だ。
そしてその奥には・・・
「なるほど、なかなか無茶をする」
「やっぱり居た訳ね」
ローブを着たやつ、いや細田さんが居る。
「なぜこんな事をしてるわけ?」
「こんな事・・・?」
「とぼけないで、地球を裏から支配するだなんて・・・いったい何を考えてるの!?」
「私のあずかり知るところではないな、私にとっては総帥の命だから達成する。それで十分だ」
「ハッ!まるで人形ね!」
「何とでも言うが良い。我が身はすべて総帥にささげた。ならば総帥のお望みをかなえるまで!」
「・・・どうやら話は平行線のようね」
「そうだな。ところで悠長に話してていいのか?」
「!」
目の前に居たはずのロボット共が居ない!?
「そこぉ!」
気配を感じて裏拳を繰り出す。
『アーンヤッパリヤラレター』
突っ込んできた蜂型を砕きぬく。
そのままスクラップになった残骸をつかみ振りぬく。
『ゴッツンコー!』
正面上空から仕掛けてきた蟻型に叩き付ける。
砕け散った死骸を細田さんに向かって蹴り飛ばす。
・・・はずが。
『シャー!』
「んな!」
右足にはいつの間にやら蜘蛛の糸が絡まっていた。
「しまった!」
「まずいよ舞!」
蜘蛛はさらに糸を吐き出して私の両手両足を封じてきた。
解こうにも硬すぎてびくともしない。
「こりゃ・・・まずいわね」
『シャシャシャ!』
蜘蛛が気味の悪い声で笑う。
そしてそのまま私のボディに突撃をしてきた。
「うぐぅ!」
思わず声が出る。
ぶよんとまた太る。
面白がっているのか蜘蛛は何度も私に突進をしてくる。
そのたびに少しずつ太っていく体。
パワーが上がると入ってたけど、このままじゃ糸を引きちげれるようになる前に
私の方が持たない・・・!
「弱いな・・・まったく、こんなのが総帥の邪魔をしようだなんて・・・」
「うっさい・・・!」
強がってみたけどこれまじでやばいわ・・・
やば、意識が・・・
「まったく、だらしないぞ沖方」
ザンと空気が切れる音が聞こえ、私の体は自由になる。
「は・・・?」
「何・・・?」
この声には心当たりがある。
そりゃそうだ、なんたって今日色々しつこく聞いてきた相手だからだ。
「な、なんで・・・なんで細田さんがそこにいるの!?」
目の前に制服姿の細田さんが立っている。
でもローブも細田さんのはずじゃ!?
「つまり、こういうことだ」
そういうと細田さんは左腕を掲げた。
そこには見覚えのあるブレスレットが・・・
「変・・・身ッ!」
ブレスレットから放たれる光に包まれる細田さん。
そして光が止むと・・・
「さぁ、振り切るか!」
「細田さんも・・・パワードスーツ持ち!?というかなんで剣あるの!?
私には無い武器持ってるの!?」
「馬鹿な!?僕以外の宇宙警察が地球に入ったなんて情報は聞いてないぞ!?」
変身してパワードスーツを着た細田さんが格好良く立っていた。
「敵を騙すには味方からってね☆」
「その声は・・・デポドゥチャ(bepoducha)!?」
「ハァ〜イ☆久しぶりねバフ!」
なんというか、バフの青くなったような物が居る。
ということはアイツも宇宙警察関係者なんだろうか?
「1ヶ月ほど前、こいつが私の家の前に落ちてきたんだ。
話を聞けば地球がピンチだという。
だが、こいつ自身は先行して情報を集めるのが目的らしくてな。
お前達が行動を起こすまでこっちも身動きが取れなかったんだ。」
「で、貴方達がこちらへ来から私の任務も変わってね☆
貴方達のサポートに回ることになったの☆
リコッチ用のスーツもさっき届いたんだからぁ☆」
「じゃあなんで学校でそう説明してくれなかったの?」
「こっちも余り下手に動くわけにも行かんのだ。
まさか連中が昨日の今日で攻撃をしかけてくるとは思って無くてな・・・」
「それにリコッチ不器用だから変な確認の仕方しか出来なくってね☆」
「はぁ・・・」
つまりあれか。私の勘違いというかなんというか・・・
なんだろう、理解はしたけど納得できない。
「もうなんでもいいわ・・・とりあえず・・・」
「アイツをぶっ飛ばせば良いと言うことだ。
単純で良いじゃ無いか」
というかこっちの話が終わるのを律儀に待つのね。
さっき奇襲したくせに。
「・・・少々面食らったが、貴様らに負ける私では無い」
「ロボットしか使ってないくせに?」
「そもそもお前戦闘できるのか?」
「・・・ロストゲイン達!」
ローブがそう叫ぶとどこに居たのか、凄い量のロボット達が出てくる。
「ここはまかせる」
「って結局逃げるんかい!」
「今日は戦闘用の装備では無いからな」
こいつ・・・良い性格してるわ。
「ではな。精々あがくが良い」
そう言うと昨日と同じようにすっと消えた。
「あんにゃろ・・・」
「沖方、とりあえず」
「ええ、雑魚をぶっ飛ばしましょう」
「絶望がお前達のゴールだ」
「格好いい台詞はいいんだけど、あいつらに絶望ってあるのかしらね?」
「・・・」
細田さんってもしかして中二病患者・・・?
・
・
・
とりあえず群がってきた雑魚共を千切っては投げ千切って鼻毛・・・もとい投げた。
もちろん二人とも無事とは言えない。
というか数多すぎるだろおい。
私はさっきの蜘蛛のダメージもあるからなおさらだ。
うぅ・・・絶対100kg超えたよ・・・
細田さんもあのスレンダーな身体はどこへやら。
よく言ってぽっちゃり。悪く言えばデブに片足突っ込んだような体型だ。
言っては悪いがつるぺただった胸は大分自己主張をするようになってるが、
それ以上に存在感を放つ腹がある所為で目立たない。
お尻も大分広がって大きな桃のようだし。
太ももも大分太くなってまさに“カモシカのような脚”になってる。
「う・・・判っていたとはいえ流石に精神的に来るな・・・」
「・・・でしょ?」
「まぁまぁ☆この事件が片付いたらダイエット手伝うわよぉ☆」
「それに元の体型の頃と同じように動けるよう筋肉も一緒についてるから
動けなくなったりしてるわけじゃないでしょ?」
「そうだけどさ・・・それでも納得できないもんなのよ」
まったく、女心が判らない奴め。
「さて・・・沖方」
「はい?」
「その・・・これから宜しくな?」
「あ・・・うん!よろしく!」
とりあえず仲間が出来たことに喜びを感じますか!
舞ちゃん成長記
体重94kg→ 体重132kg
B:121 → B:142
W:95 → W:110
H:108 → H:132
体重41kg→ 体重75kg
B:72 → B:92
W:55 → W:89
H:78 → H:102
「・・・これが谷間か・・・今までを思い出すと・・・くっ」