地獄へ近づく箱
前へ 1/2 次へ
哀川 千鶴(あいかわ ちづる) 25歳 身長163cm 体重55kg
親の残した借金まみれの生活をどうにかするべくとあるゲームに参加した女性。
真っ暗な会場。
ざわめく観衆達。
異様な空気が漂う中、パッとスポットライトが点き、中央の男を照らし出す。
真っ黒な服に真っ黒いサングラスをかけた男がマイクを握りしめ、叫んだ。
『レディース、ア〜〜〜ンド！ジェントルマンッッ！
さぁさぁさぁさぁ！！皆様お久しぶりです！初めましての方は初めまして！
長いこと閉鎖されていたこの地下施設のリッニュ〜アルッッ！が終わりまして！
いよいよ、いよいよ！！再開と相成りました！！
寂しかった方はいらっしゃいますか？ご病気になられてしまった方はいらっしゃいませんか？
・・・結構！！病も疲れもミサイルも吹っ飛ばす本日のイベントはこちら！！』
そう言って司会の男が背後にあるモニターを仰々しく指さす。
そこには『恐怖！？クイズで天国地獄エレベーター』という文字が躍っている。
『今回の最初のイベントはこちら、クイズエレベーター！
初お披露目のイベントであり、このリニューアル回に相応しいイベントでしょう！
そして〜〜〜〜！今回このイベントに参加する女性はこちら！！』
モニターの画面が切り替わり、エレベーターの内部が映し出される。
そこには若いOL風の女性が一人立っていた。
『こちらの方は哀川千鶴さん！事業が失敗が原因でご両親は自殺・・・残ったのは大量の借金！
その額なんと1億円！今回はその借金返済の為に参加です！！』
モニターに映る女性は緊張と嫌悪感が入り交じった表情のままマイクをぎゅっと握りしめる。
『ではここでルール説明と参りましょう！
ルールは至って簡単、出されるクイズに答えるだけ！正解するごとに1000万円をドドンッとプレゼント！
ですが間違えると特殊なガスが噴出されます！
なんとこのガス、千鶴さんにあらかじめ飲んで頂いた薬と反応し千鶴さんを急激に太らせていくのです！
こちらは間違える度に+10kgの体重増加を行って頂きます！
出題数は全10問！出る問題は様々なジャンルから！
さぁ千鶴さんは完全回答、パーフェクトを達成できるのでしょうか！？それではぁ・・・第一問！！』
司会の男がそう言うと、モニターに問題が映し出される。
『徳川家の歴代将軍を10人答えよ』
『おっと最初は歴史の問題！徳川家将軍10人！
さぁいけるか！？制限時間は30秒です！ではスタート！』
司会の声に合わせて千鶴がドンドンと答えて行く。
やがて10人の名前を言ったところで成功を告げるファンファーレが鳴り響いた。
『おっと第一問は無事に正解の模様！歴史にはお強い模様です！！
ではこいつはどうでしょう？第2問！！』
司会の叫びと共に2問目が表示される。
内容は『インターネットで使われるwww、何の略？』
『さぁ第2問は一般人にはあまりなじみの無い問題！！果たして答えられるか！？
制限時間は同じく30秒！よーい・・・スタート！』
千鶴はうんうんと唸っていたが、結局何も答えることが出来ずに30秒が経過した。
『残念！そこまでです！正解はワールド･ワイド･ウェブの略でした！
私も昔は自作のホームページを・・・おっと、余計な事でしたね。
では千鶴さんには早速の〜・・・罰ゲーム！！』
ブシュッと音と共にエレベーターの中にガスが充満していく。
直後、千鶴の体がぷくりっと一回り大きくなった。
それと同事にエレベーターがガコンと音を立てて地下へと降りていく。
『エレベーターの落下は千鶴さんの体重と連動しております。
つまり千鶴さんが太れば太るほど地下へと向かっていくのです！
さらにもしも最下層に着いてしまった場合はペナルティがございますが・・・既に1問正解している千鶴さんには今の所関係有りません。
さてさて・・・たった10kg・・・されど10kg。
皆さんにはじっくりと観察して頂きましょう！』
エレベーターに設置されたカメラが千鶴の体を様々な角度から映していく。
さっきよりも大きくなった胸や尻、スーツの余裕が無くなった腹部。
千鶴は恥ずかしいのか腹や胸を隠すように腕を組む。
『う〜ん・・・やっと帰ってきたという実感が湧いてきました！皆さんもそうなのでは無いでしょうか？
それでは第3問！！』
司会の声に合わせるように、モニターに次の問題が表示されるのだった。
・
・
・
『さて・・・ただいま9問目を終え、正解6問の不正解3問・・・このままでは目標金額の1億円には届きません。
そこで・・・リニューアル記念出血大サービスといたしまして、千鶴さんには最後のチャンスをお送りしたいと思います！』
司会が楽しげにそんな言葉を語る。
エレベーターの中の千鶴は30kgも太った事により立っているのもやっとの様子である。
既に着ていたスーツはボタンが全てはじけ飛び、所々破けていて既に服としての役目は果たせていない。
当然ブラジャーも全くサイズが合っておらず、ノーブラの上にシャツを辛うじて羽織っている状態だった。
スカートはホックが完全に壊れており、チャック部分から深く入った亀裂が今にもスカートを破り捨てかねん状態だ。
『次の最終問題、正解すればボーナスとして1億円贈呈いたしましょう！！
ですが、問題の難易度は非常に厳しい物となっております！
さらに不正解の場合、当然体重の増加は凄まじい事となります！具体的には+100kg！
そしてエレベーターは最下層へと一直線に落下！最下層に着いた場合は先ほども言った通りのペナルティがかせられます！
とは言え失敗しても6000万円はお支払いしますが・・・勿論ここで辞退して次の問題を普通の問題にすることも可能です！
さて・・・千鶴さん、受けますか！？受けませんか！？』
モニターにアップで映される千鶴の顔。
ほっそりとしていたはずの顔は贅肉で丸く変わっている。
千鶴はしばらく考えた後、その丸くなった顔を縦に振った。
『流石です！さてさて千鶴さんはチャンスを物に出来るのか〜〜！？
それでは最終問題・・・どうぞ！！』
司会がモニターを仰々しく指さす。
モニターに映った問題は・・・・
『若木・稲・月桂樹・菊・○・桐。○はなに？』
モニターを見ていた千鶴が固まる。
『さぁまさかの問題ですが、果たして答えられるか！？
制限時間は20秒！では・・・どうぞ！』
考える千鶴。
だが何も答えられないまま、20秒が過ぎた。
『さて・・・残念ながら正解は出来ませんでした・・・
さぁ、張り切って行きましょう！！罰ゲェェェェエエエッム！！』
今までよりもずっと多いガスがエレベーター内に噴出される。
画面がガスに覆われ、中でむせ返る千鶴の声だけがスピーカー越しに聞こえるだけになる。
やがて画面が晴れると・・・
『いやぁ・・・いやぁ・・・！！』
画面に映る千鶴は丸々と肥え太っていた。
完全に破れて何も隠せていない服。
その下には深い谷間を刻む巨大な胸。
完全に球体になった贅肉だけの腹。
もう2度と立ち上がる事は出来ないだろう脂肪だけの足。
肉の小山となった千鶴はただただ泣くだけだった。
そして追い打ちをかけるようにエレベーターがドンドンと地下に降りていく。
やがて、ドスンという音と共に最下層へとエレベーターがたどり着く。
『さて・・・いよいよペナルティが発動します！』
司会がそう言うとエレベーターの扉が開き、中に次々と食事が黒いスーツの男達によって運び込まれていく。
ピザに牛丼にチョコレートケーキ等々・・・見るからにカロリーが高そうな料理ばかりだ。
『今回のペナルティはこちら！！運び込まれた食事を全て食べきって頂きます！
その総カロリーなんと驚きの3万キロカロリー！！成人男性の二週間分の平均摂取カロリーに相当します！！
当然こちらの食事にも先程のガスと似た成分の薬が混ぜてあり、食べるだけで即座にカロリーを吸収！
食べきったときに果たしてどうなるのか・・・そちらも合わせてお楽しみ下さい！！では参りましょう！！お食事、スタート！！』
司会の言葉と同事に男達が千鶴の口に無理矢理食事を詰め込んでいく。
それに合わせるように千鶴の体が膨らんでいく。
一口ごとにぶくり、ぶくりと。
最初は料理を置く場所があったはずのスペースは千鶴の体に飲み込まれていく。
いやだいやだと声を上げる千鶴を無視してドンドンと口の中に詰め込まれていく料理。
ドンドンと膨らむ体。
四肢は動かせなくなり、千鶴はただただ男達に食べ物を詰め込まれる。
その様子に会場は大きく盛り上がる。
やがて・・・
『さぁ・・・今最後の一口が運ばれます！！』
あれだけあった料理の山が全て千鶴の体に入った。
『ご覧下さい！あの体を！！あの肉の山を！
体重は測定出来ませんが、先程から鳴り響くエレベーターのエラー音が彼女の体重が400kgを超えたことを教えてくれています！
千鶴さんには後ほど6000万円が支払われますが、果たして使い道はあるのでしょうかねぇ・・・』
司会の言葉を聞きながら、千鶴は何も動かせなくなった自分の体を見て乾いた笑い声をあげ、涙を流すのだった。
哀川 千鶴
身長:163cm
体重: 55kg → 85kg → 451kg
Ｂ:89cm → 97cm → 207cm
W:58cm → 102cm → 229cm
Ｈ:88cm → 110cm → 249cm
前へ 1/2 次へ