830氏による強制肥満化SS

830氏による強制肥満化SS

前へ   7/10   次へ

 

 

欲望のままに肥育の継続を決めた後。
ミルクでおなかを一杯にした所で、やっと理性が戻って来た。

 

私だめだ・・ もう太ってるのに・・ また肥育入院しちゃった・・・ もっと太っちゃうよ・・・

 

肥育を続けてしまった事をいまさら軽率に思う。
そして、自分の置かれた状況を顧みて、急に羞恥心が湧いた。

 

マスクとハーネスだけの恥ずかしい格好・・・
しかも、そんな格好で四つん這いになってミルクをねだってたんだ・・・ 私・・
あそこも全部丸出しで・・ トイレの世話をしてもらってるなんて・・・
うぅ・・・ わたし・・・ 異常だよね・・・

 

異常、そう感じつつも、既にわたしの理性は欲望に陥落していたのだった。

 

で、でも・・ ミルクが飲めるなら・・・ いいかもしれない・・・

 

私は理性的に考えて、そう結論付けてしまうようになっていた。
あとは次々と、自分に甘い考えが浮かんでくるようになる。

 

お薬が多分ミルクに入ってるから、そのお薬を無くしてもらえば・・・ 太らないし・・・
安心してミルクだけ飲みつづけられるんじゃないかな・・・?

 

ただミルクを飲んで、寝て、排泄する日々。
夢でも見るくらいに当たり前の日常となっていた生活。
でも、同じような生活が出来るなんて事自体が全くナンセンスだった。

「満腹になったみたいですね。じゃあ、これからの入院肥育の準備をしましょう。入院に必要な手続き等は全て任せてもらっていいですね。」
「ンー・・」
「佐野さんにはこれまで在宅肥育、週末入院肥育、一週間入院肥育、と新しいからだに生まれ変わるために施術をしてきましたよね。」

 

一つ一つ、念を押すように話す阿藤に私は恐怖を感じていた。慇懃な時の阿藤ほど怖いのだ。
何かが起こる。そう直感した。

 

「次の入院肥育の前に、一旦これまでの肥育の仕上げをしましょう。」

 

仕上げ・・・ って何・・? 何するの・・・?

 

阿藤の言葉からしばらくして、体が少し震えるような感じがした。
全身の肉が小さく波打つ。私は訳がわからず狼狽する。
やがて、別の感覚が私を襲った。

 

えっ、なんか・・・ お、重い?!

 

時間とともに、どんどん体が重くなっていくのだ。
両手と両足にジワジワと荷重がかかっていく。

 

もしかして、一気に太らされてるの?!!

 

そんな恐ろしい可能性が頭をよぎる。
今までそんな事は一度も無かったし、ありえない。
でも何も見えない私には、それが現実に思えさえする。
半ばパニックになった私は全身を揺らして抵抗する。
それでも体重の変化は止まらない。

 

なんで・・・ 何で?! ・・・・どんどん重くなるよぉ・・・?!
やめてぇ・・・ イヤァァ・・・・

 

その変化は私が重さに耐えられなくなる寸前まで続いた。

 

私は呆然としたまま、急激に重くなった体をなんとか四肢で支えていた。
そこへ阿藤がようやく口を開いた。

 

「ハーネスを吊る力を弱めただけですよ。足の力で自立してくださいね。」

 

確かにこの10秒くらいのうちに、ハーネスの支えは全く無くなってしまっていた。
つまり私は今、久しぶりに自分の力だけで四つん這いになっているのだ。

 

急に太ったわけじゃないんだ・・・ 良かった・・・・・・?

 

理由が分かり、一旦恐怖から解放される。
しかし、元々そこにあった、もっと大きな恐怖に気がついてしまう。

 

え・・・ ってことは・・・ 私・・ こんなに重かったの・・・!?!

 

重さの正体、それは一週間振りに実感した自分の体重だった。
その事実を知り、愕然とする。

 

もうこんなに太ってたなんて・・・ 知らなかったよぉ・・・ うぅ・・・ どうしよう・・・

 

私はあまりの重さとショックとでバランスを失い、後ろに倒れてしまう。
それはへたり込むというよりは、つぶれるようだった。
肘が床につくと胸とお腹が床に広がり、膝が曲がるとお尻が床に落ちた。

 

まるで、張りのあるクッションの上に倒れ込んだような、そして脚の間にクッションを挟んで座り込んだような感覚。

 

でもクッションじゃない・・ これは私の体だ。
ミルクで満たされたクッションが擦れ、揺れる。
その全ての感覚が主張している。これはまぎれも無くおまえの体だ。
暗闇の中、触覚だけを頼りにして、肉肉しい自分の体が次々と描かれる。
絶望感は時間とともに膨れ上がっていった。

 

私・・ お肉だらけだよぉ・・ いやぁ・・・ 厭ぁ・・・・

 

絶望に打ちひしがれる私に、鳴く暇も与えず、阿藤が言う。

 

「さあ、立ってください。」

 

覚悟を大幅に上回る体重の増加。実感したショックで手足に全く力が入らない。

 

立ってください。ゆっくりと、もう一度阿藤が言った。
私は阿藤の厳しさを思い出し、電気が走ったように立ちあがろうとするが、簡単には立てない。

 

「ンーーー!!」

 

ほとんど全力を振り絞り、5秒以上かかって元の四つん這いにやっと戻れた。

 

「ンフーッ ンフーッ ハァっ ハァっ・・・・」

 

途端に息が上がってしまった。
なんでこんなに重いの・・・? 
私今・・・何キロなんだろう・・・??

 

今の私には、自分の体重を支えられるだけの最低限の筋肉しか無かった。
それも両手両足を使ってやっと。
その原因は肥育による急激な体重増加だけでなく、ここ一週間着けていたハーネスによるものだった。
ハーネスは姿勢の制御のためだけの物ではなく、実際は私の筋肉量をギリギリ四つん這い歩きしかできない程度に制御しつづけるための物だったのだ。

 

プルプルと震える腕。重たい・・・!

 

「うん。立てましたね。おめでとうございます。佐野さん。あなたは今生まれ変わったんですよ。」

 

確かに生まれたてのほ乳動物のような頼りない四肢だが、生まれ変わった、という言い方は少し変な気がする。
阿藤がそんな言い方をするのは今日が初めてなのに、強調するかのように何度も言う。
阿藤のその言葉が比喩ではなかった事を知ったのはもっと後の事だった。

 

私はこの日、本当に四つん這い歩きで歩く動物になった。
そしてこのときはまだ、その生き物の名前を知らなかった。

 

これからは床で寝てください、そう阿藤が言う。
床で寝る躾けをしないといけない、そう言う言い方をした。
床は固くないし、冷たくもないから不快ではないけど、惨めだ・・・ そう思う。
でも本当に惨めなのは床で寝る事ではなかった。

 

阿藤の細かい指示に従って、横に寝かされる。
先にお尻を落としてから、ころん、と横に倒れる。
ゆっくりやったつもりだったが、どう、と倒れてしまった。まるで鈍重な草食動物のような動き。

 

横になった私の手足を阿藤が掴む。
一本ずつ持ち上げて、床に置く。
寝ている間の手足の位置まで細かく決められるのだ。

 

「最初だから、寝やすい姿勢、教えますね。」

 

自分の手で自分の体を触る事ができないので、自分の体がどうなっているかまだ知らない。
その代わり、阿藤の指示した姿勢は二の腕やおっぱいが折り重なる様になっていて、嫌が応にも、押し合う肉を感じさせられるのだった。
体のあらゆる場所の肉付きを文字通り体感させられる、そんな姿勢だった。

 

おっぱいが二の腕の間でみっちりと重なってる・・・
腋にもお肉がついてるし・・・
おなかとおしりが床に広がってる・・・
太もも同士が遠い・・・ こんな太いの??

 

うぐっ・・・ ふ・・・ 太ってるよぉ・・・

 

つい10日前までは全く感じた事がないその感覚。
想像するだけでおかしくなりそうだった。

 

そんな心とは裏腹に、横になっただけで、満腹の私の体はミルクを脂肪に換えようと、すぐに眠りに落ちた。
心の動揺は夢に映しだされ、私は夢の中で全く身動きのとれない肉塊になっていた。

 

 

前へ   7/10   次へ


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database