523氏による強制肥満化SS
結局、俺は信吾から詳細を聞くことができなかった。
ホームルームが終ると同時に信吾は学校から姿を消し、電話にも出なかった。
まあ、もともと学校サボってどこかに行くタイプなのでそれ自体は心配してないが……
仕方ないので、俺はまた家に帰ると同時にPhantomVisionを起動させた。
「さてと…… ん?」
画面は、皐月の部屋ではなく、街中だ。
「おっと、まだ家に帰ってきてないんだな」
『ねぇねぇ、今日はドコ寄ってく?』
『ん〜〜 そうだ♪ 最近駅中にスイーツのテナントできたんだけど、みんなで一緒に行こうよ♪』
どうやら友人達と寄り道しているようだ。
『え〜〜梨子(リコ)、また? あたしは面倒だから行かないから』
『はいはい、フッキー、そんなこと言ってないでいっしょに行こうよ? ……エリがなきかけてるから』
『げ…… わ、分かったわよ……』
『はぁ、みんな元気だね〜〜 でもスイーツかぁ…… どうしようかなぁ』
皐月はみなのテンションに軽く押され気味になりつつ、悩んでいる。
ということは……
画面が暗転し、選択肢が表示された。
A.一緒に行く B.一人で先に帰る C.とりあえずコンビニ
予想通りの選択肢と、良く分からない選択肢が混じってはいるが、俺は、迷わずAを選んだ。
自分でもびっくりするくらいの速度で選択してしまった。
『じゃあ、みんなで行こうか?』
皐月はそう言って、5人でスイーツの店に向った。
移動中の様子を見ていても、マンネリでつまらないなぁと思っていると、
経験値28ポイント入手しました。 レベルアップまであと72ポイント
と、画面に表示された。
「経験値? どういうことだ?」
まるでRPGのような感じがするが、コレはどちらかというとノベルゲーム、やはりいまいちシステムが分からない。
仕方ないので、俺は漫画を読みつつ、皐月たちがお店に着くのを待つことにした。
スイーツショップにたどり着いた5人はそれぞれがケーキ1つに飲み物をトレーに載せて、ボックス席に座って談笑し始める。
「それにしても皐月、最近ちょっと甘いもの食べ過ぎてない?」
「ギクッ!!」
「いや、口でわざわざリアクション言わないでよリコ、しかも私はそこまで驚いてないから……」
「えー うっそだ〜〜 この間、着替えてるときにお腹の肉をこっそりつまんでいたのみたんだからね〜〜」
「ちょ、いつ見てたのよ!!!」
「リコちゃんに不可能は無いんだよ♪」
くだらない話をしているのを俺は覗き見しつつ、選択肢がでるのを待っている。
「んじゃ、もう1個たべよっかw」
「そうね〜〜 飲み物もなくなったし」
そう言って、皐月は席を立つ。
A、ケーキを取る Bケーキを取らない
即答でAを選択すると、
A、もう一つ取る Bもうやめる
勢いあまって即答でAを選んでしまった。
流石に食いすぎは悪いと思う。まあ、次が出たらBを選ぶとするかな。
A、もうやめる Bもう行くだけ行く
「B…… って、何気にトラップ選択肢かよ!!!」
思わず叫んでしまう。
「なんか今日はお腹すいてきちゃったし、いくだけいっちゃおうかなぁ〜〜〜」
そう言って皐月は次々とケーキや甘いものを沢山トレーに山のように積み上げていく。
経験値132ポイントゲット、レベルアップ。
貴方の選択権の幅が広がりました。
対象キャラクターのステータスが上がりました。
良く分からないが、レベルアップしたらしい。
「ちょ、ちょっと、皐月ソンナニ食べてお金大丈夫なの?」
ざっと見る限り、5000円以上はありそうだ。
「ダイジョブダイジョブ、なんかサービスで1000円らしいから、全部でw」
そう言って、皐月はバカバカと食い続けていく。
ステータス画面を見ると、
身長168センチ、体重59kg スリーサイズは、89/64/95
なにやら体重とかが増えている。
「……これ、どういうゲームなんだよ……」
あきれてモノがいえない。
レベルアップボーナス。次のうちから一つお選びください。
A、謎の注射器 B、謎の砂時計 C、謎のメガネ
「全部謎じゃねえかよ、しかもパスないし……どれ選べって言うんだよおいおい」
俺は、少しの間、悩むことにした。
「げふぅ〜〜もう一山いっとこw」
皐月がまたトレーをもってケーキを取りにいくのを見守りながら。
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