937氏による強制肥満化SS

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「おーい、元気かー?」

 

私が自室でポテチをほおばりながらテレビを見ているとあいつが訪ねてきた。

 

「あっ、お前!」
「おっと、そんな怖い顔をするなよ。俺のマシンで元の体形に戻っただろ?」

 

「そういう問題じゃないわよ!確かに体形は元に戻ったけど、戻るまでの間が大変だったんだから。
歩くだけでふぅふぅ息があがって買い物も大変だったし、服を全部買い換えなきゃいけなかったのよ。挙句の果てには、太りすぎだって理由でモデルの仕事は首だわ!おかげで今は無職よ。」

 

「俺もこの間の実験のせいで会社を首になった。それじゃ、お前は生活費に困っているんだろ?」
「そうよ。デブだったころの習慣が身についてしまって食費が増えて困ってるわ。」

 

「それじゃ、少しバイトをしてみないか?」
「何のバイト?」

 

「薬品のモニター」
「おいっ!また、あんたの変な実験に私を巻き込む気だな!」
「そんなに怒ると血圧が上がるぞ。俺は前の会社を首になった後、紅白製薬にヘッドハンティングされてな。体力を増強する薬品を開発することになったんだ。そのモニターを探しているんだが、なかなかモニターになってくれる人がいないんだ。そこでお前に頼もうと思ったわけだ。」

 

「いやよ、絶対受けないわ」
「バイト代5万だそう」
「ご、5万?!」
「そう、5万。暮らしに困ってるんだろ?」

 

「うーん・・・」
私は大いに悩んだ。

 

 

 

結局、5万の魅力には勝てず、私はモニターのバイトを受けることになった。

 

「ここがあんたの仕事場?少し不気味ね」
「まあ、おおっぴらにできないこともしてるらしいからな。詳しくは知らんが。
それはともかく、試してもらいたい薬品はこれだ。」

 

そういって彼は大きなフラスコを取り出した。中にはピンク色のゲル状の物体が入っている。
「キモッ、これがあんたが開発した薬品?」
「そうだ、名付けて『HI-10000』。体内に取り込まれることで筋細胞も肥大させ筋力を上昇させる。」

 

「(嫌な予感がするわね・・・)」
「百聞は一見にしかず。さあ、試してみようか」

 

そういって彼はフラスコの栓を外した。
すると中の物体がフラスコからはい出して、私の体にまとわりついてきた。

 

「あ、待って。まだ心の準備ができてない」
逃げようとする間もなく、ゲル状の物体が私の口の中に入ってきた。

 

「ひょっとまっふぇよー(ちょっと待ってよー)」
甘い味が口の中に広がる。呼吸ができずに息が苦しくなり、私は思わず目をつぶる。

 

ごっくん
「ぷっはーっ、苦しかった。もう終わり?意外とあっけなかったわね。」

 

「ふふふふふ、実験は成功したようだな。」
「失敗じゃないの?何も変化を感じないわよ。」
「本当にそう思うのか?鏡を見てみろ」

 

鏡を見て私はびっくりした。
完全なぽっちゃり体形に変貌してしまっていたからだ。
小さかった胸はお餅のように膨らんでいた。
胸だけではない。お腹も脂肪がついて、さながらマシュマロのようだった。
腰に手をやるとぷにぷにとした贅肉の感触があった。

 

「何よこれ?!肥大するのは筋細胞だけじゃなかったの?」

 

「俺は『筋細胞「も」肥大させる』といったんだぞ。この薬品は筋細胞のほかに脂肪細胞も肥大させる。筋細胞の肥大によって筋力を増加させ、さらに太らせることで耐衝撃性能と持久力をつけさせるのだ。」
「はめたわね!」

 

「ハハハハハ、実はこのアイデアは以前キミにのしかかられた時にひらめいた。事前に太ると分かっているとお前は絶対に拒否すると思ってな。」

 

「うう、くっそー。でも、バイト代5万は欲しいし・・。」
「さあさあ、さっそく街へでて薬の効果を試してみようじゃないか。」
そういうと、彼は扉の方へ向かっていった。
私もぽてぽてと彼に従って歩いた。

 

 

楽運町。
栗栖が勤めている研究所から車で10分ほどの山間の町である。
この町は美容にいい温泉が豊富に湧いているため美人が多いことで有名である。

 

昼下がり、メインストリートを玲子と栗栖が並んで歩いている。
「みてよあの人、この町では珍しいぽっちゃりさんね」
「何を食ったらあんなに太れるのかしら」
偶然すれ違った女子学生が玲子をみてひそひそと話す。

 

痩身の美人が多いこの市では、ぽっちゃり体形の今の玲子はことさら目立っていた。
太った人がめったにいないこの町では太った人をみること自体とてもめずらしいからだ。
恥ずかしさのあまり、玲子はほほを赤くする。
「もう、私がこんな目にあうなんて・・・。このバイトが終わったら痩せてあんたらを見返してやるんだから。」
「何をぶつぶつ言ってるんだ? そんなことより腹減ったな。あそこのハンバーガー屋にはいろうぜ。」
「こいつは能天気でいいわね。確かにむしょうにお腹が減ったわ。」

 

二人は近くのハンバーガー屋に入ることにした。
「いらっしゃいませー。」
若い女の店員が挨拶をする。おっとりした感じのかなりの美人だ。
玲子はメニューを見てすかさず注文する。
「えーと、ポテトのL2つに特大サイズのハンバーガー2つ、それにシェイクのL。」
店員は、一瞬ぎょっとした顔をした後、玲子のまんまるなお腹を見て納得したように微笑む。
「おい、もしかしてそれ一人で食う気か?」栗栖は思わず言った。
「ええ、そうよ。なんだがお腹が減って仕方がないの。あんたも頼んだら?」
「(薬の副作用かな?)じゃあ、俺はハンバーガーのMとコーラMのセット。」
「かしこまりましたー。お席までお持ちしますので少々おまちくださいー。」

 

店員が舌足らずに言った後、玲子と栗栖は席についた。
「何よあの店員、あたしのお腹をじろじろ見て。」
「気にするなよ、この町では太った人自体が珍しいんだって。
それよりも、これに参加してみないか?」
そういって栗栖はどこからか一枚のビラを取り出した。
「なになに、『楽運町商店街主催 女相撲大会』!?」
「うん、この町は美人が多いこと以外に特徴がない町なんだけど、町長がそれを逆手にとって町おこしの一環として毎年相撲大会を開いているんだ。参加者は全員びっくりするような美人でさ、美人たちが組み合う様子が人気で、今ではこの町の観光の目玉だ。
確かさっきの店員も参加者の一人だぜ。」
「なんで私がこんなのに参加しなきゃいけないのよ?」
「体力増強薬の効果を試す絶好のチャンスだろ?これに参加しないとバイト代払わないぜ」
「うーん、でも私だけ太ってちゃ目立つわよね・・・。そうだ、いいこと考えた。体力増強薬はまだある?」
「ああ、研究所においといて盗まれたら大変だから、このカバンに入れて何個か持ってきてるけど。何に使うんだ?」

 

ちょうどその時、さっきの店員が注文したものを持ってきた。
「おまたせしましたー。ハンバーガーとコーラ、それにポテトとシェイクですー。」
「あら、ありがと。それより店員さん。ちょっと口開けてくれる?」
「はい?何ですかー?」
店員が口を開けると同時に、玲子は素早く栗栖のカバンから体力増強薬を取り出し、
栓を開けて中身を店員に向けて放り投げた。
「それっ」
増強薬は店員にひっつくと、彼女の口の中に素早く滑り込んだ。
「ふむむ、ひゃんですかー、こへはー」
「さっき、私のお腹をじろじろ見て笑った罰よ。あんたも太りなさい。」
ケプッ。可愛らしいゲップとともに店員が薬を飲みほした。
すると、彼女の体がムチムチと魔法にかけられたように膨らみだした。
ゆったりとしたエプロンは、彼女の体が大きくなったために、ぴっちりと彼女の体に張り付いた。
「まだ、太り方が足りないわね。」
そう言うと玲子は店員が持ってきた特大ハンバーガー2つ、コーラ2本、シェイク、ポテト
を彼女の口に押し込んだ。

「ぐむむ、ひゃめてー。」
しかし、体力増強薬によって強くなった玲子の力にかなうはずもなく、
店員は口に押し込まれるままに食べ物を飲み込んでいった。
店員が食べ物を飲み込むのにつれて彼女の体はさらに膨らんでいった。
ぴっちりだったエプロンは肉圧によって悲鳴をあげ今にも破れそうだ。
おとなしそうだった顔は太ったことにより目がいくぶん細くなり、脂でてかてかと光っている。
少し痩せたおすもうさんといったところだろうか。
もはや美人とは言えないがころころとして可愛くはある。
「あらあら、こんなに太っちゃった。薬の効果かしら。」
そう言いながら玲子はぷっくりと膨らんだ店員の腹肉を弄ぶ。
「ふえええん。」店員は泣き出してしまった。
他の客も何事かとこちらに視線を向ける。
「おい、何をするんだ。いくらなんでもひどいじゃないか。」栗栖が声を上げる。
「いいじゃない、この人も相撲大会に出場するんなら太ってた方が本格的じゃない。
それにあんただって体力増強薬のモニターのデータが欲しいんでしょ?」
「うーむ、確かに俺もより多くのデータが欲しいが・・・。」

「でしょ?そうと決まれば他の参加者も太らせにいくわよ。」
そう言うと玲子はハンバーガー屋をあとにした。
「やれやれ」栗栖が玲子の後に続く。
「ぶええええーん。」
二人が立ち去った後、まるまると肥えた店員の野太い泣き声が店内に響くだけだった。

 

 

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