天外アナザーストーリー

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第3話〜親友ならぬ肥友の価値=プライスレス〜

 

 

――――――――――1ヵ月後
まだ私は1ヶ月前と同じ気持ちで、回りはもうデブが普通になってしまっていた。
なんだか取り残されてる私は気がつけばまた一回り太ったようで、パパが買ってくれた服が着れなくなっていた。
パパはもうすっかり慣れた(?)ようで、私を変な目で見なくなった。
見慣れたのか、私の身体についてあきらめてしまったのかは詮索しない事にした。
それがまた私の取り残されたような気持ちに拍車をかける。
さらには、どうやら私が町一番の大食いでデブな女の子らしいと知ってしまった。

 

それは、ある日のお昼時、私の友達である、サラとケーラが遊びに誘ってきた時の事である。
「カレンちゃ〜ん、あそぼ〜」
サラはそばかすとツインテールがトレードマークで、全身がパンパンに張り詰めたような太り方をした子だ。
全身がゴム毬ならぬ肉毬とでも言うべきか。
ムチムチと指先までパンパンと張った脂肪に包まれている身体をしている。
太っている事を除けば子犬のようなかわいい子だ。
ケーラは口数が少なく、ロングの髪形で私たちより大人っぽい雰囲気で身長も170はある。
ただ、ケーラもこの町の女性ということで、見事な洋ナシ形の体型をしており、胸もでかい。
・・・・胸は私の方が大きいんだけど・・・・。
脂肪は腹の肉が結構だらしない感じで、肥満化した近所の主婦の垂れ気味のお腹を思わせる。
肉は私より柔らかい感じだが、ぷよぷよたぷたぷというよりはだぽんだぽんって感じか。
両腕を上げた時の二の腕の脂肪の蠢きは3人組の中では一番に圧巻(?)なものである。
そんな私たちの体重は3人揃えば300kgは超える。
体型以外は物心ついた時からの付き合い・・・もとい腐れ縁である仲良し3人組だ。
その日は3人でケーキの食べ歩きをする予定である。
食欲に勝てない自分が情けない。

「カレンってば、まだデブである事が嫌なわけ?」
ケーラが少しあきれた口調で私に口を開く。ユッサユッサと揺れる腹肉はベルトで固定されている。
「カレンちゃんかわいいよ?そんなに恥かしくないって♪」
まん丸としたほっぺを赤くしてニコニコとサラが笑いかけてくれる。
太っていてもサラは子犬みたいで可愛い子だ。
子犬といっても「デブな」っていう形容詞がつくが・・。
2人とも私より後になってから「D」に太らされた口で、最初こそ取り乱したようである。
が、数日で回りの環境のおかげで、ダイエットをしないで、あと10〜20kg太りたいと言ってくる始末だ。
たまに、「そんなに嫌なら私にその体重分けて欲しいなぁ」と私の腹肉を摘みながら言い寄ってくる。
かなり嫌ではあるけど、他人にお腹の肉のみならず自分の脂肪を触られる揉まれるというのは、正直言って気持ちがいい。
だからこそやめて欲しい。
・・・・・変な気持ちになっちゃいそうだから。
トホホと肩を下げ、回りの女達の羨望の眼差しや男達の熱い視線を感じながらも私たちは、行き着けのカフェに到着した。
かつては普通のカフェだったが、今となっては、ケーキバイキング専門の店になっている。

 

「いらっしゃ〜い♪3人ともまた一段と大きくなりましたねぇ」
「え〜うそ〜?w」
「・・・・・・(汗)」
また太ったかと思うと、またガックシと肩を落としてしまう。
横の二人みたいに幸せな気持ちにはなれない。
で、3人仲良くいつものテラスにあるテーブルに陣取る。
「ふう〜〜〜〜つかれた」
「たしかにこの身体じゃ疲れるね(;^^」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ん?どしたのカレンちゃん?」

 

ぐぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

恥かしさで沈黙する口の変わりにお腹が激しい空腹を訴えてきた。
「「プッ」」
「うう・・・・・・・・」
「そういえばもうご飯の時間だしね」
「いや〜私たちの誇りだよカレンちゃん♪」
「う〜〜〜〜〜からかわないでよ〜〜〜〜!」
3人で座ってる椅子(×2)がミシミシ悲鳴を上げる。
程なくして、二人のお腹の無虫も鳴り響く。

 

くきゅ〜〜〜〜るるる〜〜〜〜  ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

 

「じゃ、じゃあ、さっさと食べちゃおうか」
「そうね(汗」
3人はそそくさとケーキを皿一杯に盛り付けるために、ケーキを取りに行く。
大きな身体を揺らし、他の女の子と一緒になってケーキをとるために並ぶ様はある意味壮観だ。
その中でもカレンら3人組が一際目立っている。
程なくして、3人は満足した表情で(私は内心複雑な心境だが)テーブルにつく。
大きなお皿・・・・お盆に直接ケーキを敷き詰めて食べるのはもはや普通。
そしてカレンは敷き詰めるというより積んでいる。
これもまた3人とっては見慣れた光景となっている。
ガフガフムシャムシャ
3人はペチャクチャと話を続けながらも早いペースでケーキをむさぼっていく。
サラと私は食欲のあまり食べ方が汚く、頬や胸元にクリームやイチゴやらがついたり落ちてたりして、時々、指で掬ってペロリと食べる。
ケーラは大きくフォークでケーキを切って、太い指を器用に使って、ペロリと一口で平らげる。
まだムクムクブクブクと太っている。
それが嫌だと思ってるのになんで私はこんな事をしているんだろう。
でも、このケーキの美味しさを味わう(貪る)のは何者に変えがたい幸せだ。

「はぁ・・・・・おいしい・・・・・・。・・・・・・・・・・・ゲップ」
つい、ゲップと共に恍惚とした表情になってしまう。
それほど食べる事が堪らなく身体が本能が喜んでいるのだ。
おかわりを3人とも最初と同じペースで5回程繰り返す。
最後になって、サラが欲張ったのが、最後の3個程のケーキが食べれなくなってしまった。
「ゲフ・・・・・・うう・・・・・取り過ぎちゃったかな・・・・・・。カレンちゃん食べれる?」
「う、うん」
内心もうちょっと食い足りないと思っていたカレンはあっという間に残りのケーキを平らげてしまう。
「ふ〜〜〜〜もう私も限界だよ(・・・・本当はもうちょいいけそうなんだけど)」
膨らんだお腹を思わずさすりながら、二人のお腹を見る。
「カレンちゃんならもうチョイは食べれそうなんだけどな〜♪ザンネン♪」
サラのお腹は元々パンパンと張った感じなのでイマイチ判らない。
とは言え、ベルトを外し、ジーンズのボタンを外し、ファスナーが3分の2程あいてしまってる。
汗で少し溶けて胸元の奥に滑ってしまったクリームを拭くために、太い指を胸の谷間につっこんで拭き取ろうとしている。
そこまで勢いよく食ってたのだろうか。
「もっと食べたかったら食べていいんだよ?バイキングだし。私たちはお茶でも飲んでるしさ」

ケーラが、私の食欲と自分の食欲の違いを判っているのだろうか、気を遣ってくれる。
ケーラもすでにお腹のやベルトを外している。もう限界まで食べたのだろう。
「た、たはは・・・・・・・・。じ、じゃあ、もう少しだけ。」
というわけで、その後10分程私はケーキを貪った。
羞恥心に勝る食欲が憎くも感じられる。
だが、それよりも、食べる事の幸福感の方が強いのが私をより複雑な心境にする。
その後、私たちは服屋で服を購入し、解散した。

 

 

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#天外魔境 第四の黙示録


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