666氏その1
第4話
「さて、どんな身体になったのかね」
家に帰った僕は、早速プログラムを起動させて美咲のデータを表示させた。
【初期値】
身長:159.2cm
体重:49.6kg
B:トップ84.8cm、アンダー66.7cm
W:57.4cm
H:84.1cm
【現在値】
身長:159.2cm
体重:63.3kg
B:トップ83.4cm、アンダー74.1cm
W:68.7cm
H:91.1cm
「ウエストの増加が凄いな。プールを出た時によくスカートがはけたもんだ」
きっとお腹を思い切り引っ込めた状態で無理やり詰め込んでいたのだろう。
ボタンが飛ぶのも当然、というよりケーキを7個食べるまでもっていたほうが不思議なくらいだ。
「胸はまた大きくなったな…でもやっぱりAカップのままか」
単純に考えれば明後日にはAAの領域に突入することになる。
つい1週間前はEカップに近いDカップだったのに、すっかり貧乳になってしまった。
また何か新しい条件を付け加えようかと思ったが、あまりいい案が思いつかなった。
「しばらくは放っておくとするか…」
今日のところは大いに楽しめたし、この辺にしておこう。
翌週は特に何もせず、ただ美咲の様子を観察していた。
美咲の食べっぷりは凄かった。
授業中はこっそりと飴玉を舐め、休み時間はスナック菓子やチョコレートを食べる。
昼休みになると学校を抜け出し、近くの牛丼屋やファーストフード店で以前の2倍量の食事をとる。
そして放課後には甘味処やケーキショップを梯子して歩く。
実際に見たわけではないが、夜食もかなりの量をとっているようだ。
なんとも凄い大食漢になったものである。
こんな食べ方をしていて太らないわけが無く、美咲のスタイルはどんどん崩れていった。
細かった腰には脂肪がまとわりつき、X型にくびれていた体型は見る影も無くなってしまった。
顔もすっかり丸くなり、顎は2重になりつつあった。
あまりに急な太り方に制服も悲鳴を上げていた。
プールの後、美咲はサイズを上げたスカートを新調した。
しかし、やや余裕を持ったサイズで購入したはずのスカートは、どんどん容積を増していく美咲のウエストに追い付けなかった。
結局、購入した数日後にはたっぷり付いた脂肪がスカートを圧迫し、美咲はさらにワンランク大きいサイズのスカートを買う羽目になった。
また、女子の制服はセーラー服なのだが、美咲はそれを少し詰めて着ていた。
そうすると腕を上げたり背伸びをしたりするたびに服が持ち上がり、へそ出し状態になったり背中がちらちらと見えたりしてなかなか色っぽいのだ。
もちろん、自分の身体に自信があるからこそ美咲はそんな着方をしていたのだが、今では全くの逆効果である。
(あんなに出っ張ったお腹じゃあ見ているほうがげんなりするよ。もうほとんど羞恥プレイだな)
ぽっちゃりを通り越して肥満体になってきた美咲を見て、僕は暗い喜びを感じた。
終業式も終わり、いよいよ明日からは夏休みという夜。
僕は例によってプログラムで美咲のデータを確認していた。
身長:159.2cm
体重:73.6kg
B:トップ88.0cm、アンダー81.2cm
W:76.8cm
H:95.3cm
「立派な体になったもんだよなあ」
さすがにバストのサイズダウンはもう止めてある。
AAカップまで来たんだし、もう十分だろう。
「これからどうするかな… ちょっとマンネリ気味だしなあ」
最近は美咲も全く外に出たがらなくなった。
終業式前の5日間は体調不良を言い訳に 学校も休んでいたくらいである。
もう修一を餌にして誘ったところで遊びには来ないだろう。
「いっそのこと、一旦プログラムを解除して痩せさせてやるか?」
プログラムを解除して異常な食欲を無くしてやれば、当然美咲はダイエットを始めるだろう。
なんならこのプログラムでダイエットを支援してやってもいい。
そして元の体型に近づいてきたところで、また一気に太らせてやるのだ。
「せっかく苦労して痩せてきたところでまた太る… そうなったらどれくらいショックを受けるのかねえ」
そうと決まれば話は早い。
僕は今までの設定を全て消去し、美咲の嗜好を元に戻してやった。
「頑張ってダイエットしてくれよ、美咲」
頑張れば頑張るほど、あとの落胆も大きくなるからね。