624氏その1
それからの毎日には、ひたすら食べること以外にもなぶられたり叩かれたり、といった調教の行事も加わった。
鞭ではたかれ木馬に乗せられ、縛られたりつるされたり・・・
縛られたときはあちこちから肉がはみ出しなんともまぬけな姿になっていたことだろう。
だが、感じてしまっていた・・・。
そうして、1週間がたったときだった。
「よーし、そんじゃ、今日は、今までの成果を本人にもしってもらおう〜。」
「ご、ご主人様、今日はどんなことをするブヒか?」
そんなセリフをだしながら、アソコはすでに濡れ始めている。
理性だってまだちゃんと残っている。でも、期待してしまう自分がいる。
ご主人様が後ろに隠していた大きなものを私の前にさっと出す。
「キャーーーーー!」
その途端、絶叫してしまう。
そこにいたのは大きな丸太のような・・・私、なの?
ご主人様がとりだしたのは大きな鏡だった。
そこに写ったのは、以前よりさらに醜くなった、私・・・。
さらに大きくなった胸、だが美しいものではない。
だらしなく下に垂れ下がっている。乳輪もなんだか大きくなっており・・・醜い。
あごは二重顎、以前より太ったせいでぱっちりしていた目は細くなってしまっている。
腹はだらしない二重腹、垂れ下がった脂肪がヘソを前面におしだし二重腹の上の腹が下の腹を覆おうとしている。もうすぐ3重になりそうだ・・・
お尻も異常におおきくなっており、たぷたぷしていて妙な色気すらかもし出している。
そのままぺたりと座り込む。
鏡の向こうのデブも同じように座り込み腹は醜くいくつもの汚らしい層となる。
腋には収まりきらない贅肉がしみでるようにあり、二の腕はだらしなくたれさがる。
二日前に塗られた妙な薬のせいで、腋も、あそこも毛でいっぱいになっている。
ぶさいく・・・ではないと思う。
でも、以前のあの神々しい美しさはかけらも感じられない。
そこにいるのはだらしない体の・・・豚。
「喜んでもらえたかな?」
もう返事をする気力もない。
そんな私をひっぱり、ご主人様は私を連れて行き何かに乗るよう促す。
体重計・・・・。
そこに表示された数字は・・・
118kg・・・・・・・・・・
「バスト136、ウエスト114、ヒップ125ってところか。丸太だな。」
「・・・もう、いやぁ・・・。」
私の叫んだつもりの声はひどく弱弱しかった
理性は、今度こそ完全に戻った。
もう、絶対、これ以上、太りたくない。
「そっか、じゃあさ、帰してあげようか?」
それは、信じられない申し出だった。
「は、はい!」
きっと騙されてるに違いない。
そう思いつつも、もしかしたら出してくれるかもしれないという甘い考えが私の頭の中を支配していた。
「これを着て。」
そうやって渡されたのは、私の学校のセーラー服、ただし、サイズは相当なビッグサイズで、冗談のようにも見えた。
「ほら、早くきなよ、出たいんだろ。」
「は、はい!分かりました!」
もしかしたら本当にでれるかもしれない。
うれしい反面・・・なんだか物寂しい気分になる・・・。
食事は・・・おいしかった、すごく。
調教も、気持ちよかった・・・本当に。
太っていく自分・・・ドキドキもした。
あんなに細かった自分が・・・変わっていくのが・・・・。
でも!鏡に映った自分はあまりに衝撃的だった。
うまくはいえないがとにかくだ。
私はでるんだ。ここを!
そのまま彼は私を外へ案内する、
この家の地下なのだろうか。
他にもいくつも扉があり古びていてくもの巣も張っている。
もうあまり使われていないようだ。
「こっちだ。」
大きな階段を登るが途中で天上に突き当たる。
行き止まりかと思ったが彼がふたをおすと簡単に開いた。
隠し扉というやつだろうか。
そこからいくつか部屋を抜け、大きなホールに着いた。
上にはシャンデリアまである。ここがきれいなら私の家といい勝負だ。
だが残念なことに蜘蛛の巣だらけのススだらけ、汚れていてボロボロだ。
「じいちゃんが3年前にいなくなってから、ずっとこのままなんだ。」
「へぇ・・・。」
適当に相槌をうつ。そんなことはどうでもいいことだ。
そのまま家の外に出る。
そこは森の中、見たこともないような・・・。
「安心しなよ、学校までたった30分の距離だよ。お嬢様は近くに大きな森があることも知らなかったのかな。外で遊ぶのも楽しいよ。」
「そ、そうですか。」
久しぶりの外・・・時間の感覚が急速に戻ってくる。
今は5時頃だろうか。生徒が帰宅を始める頃だ。
そのまま進むと、そこには車が止めてあった。
「後ろに乗りなよ。学校まで送ってあげるよ。」
こいつは・・・本気で言っているのだろうか。
学校まで送る?
そんなことをすればこいつはすぐにつかまってしまうはずだ。
一体何を・・・
「早く乗りなよ。」
ここで逃げたっていまや力士のような体重なのだ、絶対にげられっこない。
車なら、もし学校と違う方向に向かっていることに気づけば飛び降りればなんとかなるかもしれない。
「いえ、車を運転できるんだ・・と思いまして・・・。」
「はは、これもじいちゃんに教わったんだ。」
「そ、それはそれは・・・。」
どうやらむちゃくちゃなおじいさんのようだ。
とにかく乗り込むことにする。
普通の車より少し大きいくらいなのだが、以前よりかなり狭く感じる。
鏡がなくとも改めて自分が太ったことを実感し悲しくなる。
だがもうすぐ、抜け出せる。
そしたらダイエットしまくって学校に返り咲いてやりますわ!
「車でなら10分で着くと思うよ。それまで話でもしようか。」
正直話なんてしたくない。そんなことをしてこいつの気が変わったらと思うと・・・
いえ、弱気はダメよ篠崎美香!
クールになるの、落ち着いて話せば、なんてことはないわ!
「ええ、いいですわ。」
「俺のじいちゃんはさ、あんたのお父さんにはめられたんだ。」
こいつ・・・このタイミングで・・・はめられたなんて・・・
「ど、どういうことかしら。」
「お金を出資するって言われてさ、大きな豪邸も用意してもらった。そこでたくさんの研究者と研究をしていた。お金は後ほど渡すから今はそちらで工面してくれってさ。だからじいちゃんは借金までこさえて必死で研究した。まぁ何かは知らないけどね。それでやっと完成してあんたのお父さんの所にもっていったんだ。」
「・・・・・・・。」
「意気揚々とあんたの家の屋敷に入ったはずなのに、出てくるときには今にも死にそうな顔をしていたんだ。聞いた話じゃ研究の成果を奪われそのまま追っ払われたそうだ。だけど、研究室にはまだたくさんのデータがある、そう思って戻ったときには屋敷は物も人ももぬけの殻。周りにいた研究者皆あんたのお父さんの部下だったらしい。」
「そ、そんな・・・父が・・・。」
「じいちゃんは・・・自殺したよ。」
・・・もしかして、私がこいつに連れ去られたのは、退学のことだけでなくおじいさんの・・・・。
いや、関係ないわ!そんなこと私には関係ないじゃない!
とにかく余計なことはいうまい、もうすぐ私は自由なのだ。
外の景色はもう見知ったものに変わっていた。
「さぁ着いたよ。」
そこは学校の正門近くの路地裏。
本当にこのまま解放する気なの・・・・・・・。
「ほら、行きなよ。そして、助けでも何でもご自由に。」
男はわざわざ車の後ろまできてドアを開けた。
本当に、どういうつもりだ?だが、そんなことはどうでもいい。
私は走った。この男の気がいつ変わるか分からない。
早く助けを求めなくては!
校門はすぐ近く、あの男も後ろから着いてくるが私に追いつこうという感じではない。
ちょうど校門から出てくる男子が二人、あれはクラスメートの・・・
ええと、名前は忘れましたわ。
とにかく、助けを!
「はぁひぃはぁふぅ・・・あの、たすけてください!はぁ・・・私、以前退学させた変な男に捕まっていたのですわ!」
なぜか男達はキョトンとしている。一体どういうこと?
すぐ後ろには、もうあの男が迫っている!
「わ、私ですわ!篠崎美香です!そこにいる男を捕まえてくださいな!」
「あっはっはっはっは!!」
突然前の男二人が笑い出した。