624氏その3

624氏その3

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#催眠,MC,mc

 

「う〜ダルイ〜。」
学校までの道のりがこんなにきついなんて…、
目の前の坂道に終わりが見えない。
うう、やっぱり、太りすぎるのもよくないかも。
「おはよう、風花!」
そこに颯爽と現れたデブ…、じゃなくて麗奈・・・って麗奈!
「な、何て格好してるのよ麗奈!?」
「え、何の話よ、風花。」
麗奈は以前と同じ服をちゃんと着ている。
そう、太る以前と同じ服を…。
ボタンは上をかろうじてとめているが下はほとんど止まっていない。
胸はギリギリ隠せているがお腹は丸出し。ボヨンボヨン。
下はもちろん超ミニというかパンツ歩くたび見える…、
しかもそのミニのスカートはキツキツで麗奈のお尻に必死で耐えている。
制服で、前の買い物の時よりひどい格好じゃん…。
そして今日もまた一段と臭い…。

「そ、そのお腹はみだしてるよ!そ、それに、パンツ見えちゃうよ。」
「あら、そんなこと気にしていたの?まったく、風花は奥手ね。女の美しさはこのお肉にあるのよ。パンツだってミニのスカートはく女の子にとっちゃ宿命みたいなもんでしょ。匂いなんて人々を惹きつけづにはいられない極上の香り。足だってムチムチしててきっとクラスの皆は私に釘付けよ!」
何だか別の意味で釘付けになりそうな気が…。
「さ、いくわよ、オホホホホ!」
「な、何でそんな元気なのよ…麗奈…。」

 

教室に入ると視線が一気に私達に集まった。
「うふふ、ほら、見てみなさい風花。みんな綺麗になった私達に驚いているわ。」
わ、私は正直、今になって太ったことを後悔してるよ…。
みんああからさまに『うわぁ…』って感じの目。
「お、おい、あれ誰だよ。」
「う、後ろの奴は風花らしいぞ。前のデブが言ってた。」
「ま、マジで!?ふ、風花ちゃんが…俺のマドンナ風花ちゃんが…。」
「お前、あんなアホっぽい女が好きだったのか。まっ、かわいかったけど、今じゃほとんどブタだな。ま、それでも顔はそこそこいいんだし、今告れば成功するかもよ。」
「バカいうな。勘弁してくれ。つか何かあのデブ二人入ってきてからくせぇしよ…絶対やだね。」
「第一風花って元々ぽっちゃりしてたじゃん。その点、このクラスのアイドル、麗奈ちゃんはいっつも綺麗でさ〜。」
「あー、確かにありゃ、別格だよな。センスがよくて、スタイル抜群で…まぁあのお高い性格俺にはあわんけど。」
「はっ、いってろデブ好き。はぁ〜麗奈ちゃん、早く来ないかな〜。」
そういってしゃべる男の隣に座る麗奈。
「あ、あれ、あんた、そこ、麗奈ちゃんの席なんだけど。」
「何をいってるの?麗奈は私よ、あまりに綺麗になったから、ビックリしたかしら?」
おしゃべりをしていた男二人はそのまま固まってしまった。

 

私達について話しているのはこの二人だけじゃなかった。
「く、臭い!な、何この匂い?」
「う、うそ…あれが麗奈に風花なの…。」
「うう、何だよあのミニスカート…。よく考えて着てこいよ…。」
「何あの格好、罰ゲーム?」
くっ、麗奈ちゃんのことバカにしすぎ、誰がどんな格好しようと自由でしょ。
いちいちおしゃべりしないでよね。
そ、そりゃ、今日の麗奈ちゃんは、ちょっと、いや、かなり異常な格好をしてるのは
認めるけどさ…。
っていうか、うん、かなりひどい…。
うう、催眠解いた方がいいのかな。
でも、解いたら麗奈ちゃんすぐやせて私のことまた嫌っちゃうかも…。
う、うまく催眠する言葉を考えるかな。
「おい、号令を早くかけろ!」
うわ、担任の黒松!いつのまに〜
「起立、例!着席。」

その声に応じて、デブと言われて悦に浸っていた委員長の麗奈が号令をかける。
その麗奈を見て黒松は目を丸くする。
「お、お前、明石か?明石麗奈か?」
「ええ、そうですけど。」
「お前、また随分と太ったな。」
バカバカバカ!デリカシーの無いバカ教師!何いきなり言ってるのよ!
「先生、褒めていただいてありがとうございます。」
褒めてないよ!麗奈!
周りからは笑いが起こる。クスクス。アハハハ。
ソレを見て笑いかける麗奈はあまりに惨め。
「おいおい、褒めてないぞ、明石。」
いちいちいわんでいいのよ!バカ教師!
「またまた、先生は……?え?……?あれ?」
ん、何か麗奈の様子がおかしい。
周りを急にキョロキョロし始める麗奈。
い、いったいどうしたのかな?

「明石、そもそもお前、どういう格好しとるか分かっているのか?お腹は丸出しでパンツは丸見え。そのうえ汗臭いひどい匂い。一度家に帰って鏡を見たほうがいいんじゃないか?そんなにデブを見せびらかせたいか?」
クラスのみながどっと笑う。
こ、こいつ!!麗奈に向かってなんてひどい…、
服装を注意するにしたってそれが教師の言うことなの!!
「デ、デブ…。」
そう口にしてゆっくりと自分の体に目を落とす麗奈。
「!!!!!!な、何このひどい格好!?」
え?ど、どういうこと?こ、これってもしかして、催眠が解けた!?
「ん?何だ、お前自覚していたのか?なら、早く服を直して来い。」
「し、失礼します!!」
そういって教室を飛び出す麗奈。
「ま、待ってよ麗奈!」
私はすぐさま追いかけようとする。
「おい…お前、勝手に教室を出るな。」
黒松…あんたね!
「逃げたデブを追いかけるのはデブが適任だからいいんじゃないですか〜?」

クラスのバカ男子がそういうとまたどっと笑いが起こる。
何よ、うちのクラスってこんなに最低な連中でいっぱいだったの?
私が痩せてた頃はヘコヘコしてたくせに…この!
私はポケットから十字架を取り出しさっとクラス全員にかがげる。
「催眠にかかれ!」
そういった途端クラス全員の目から生気が無くなる。
こいつらバカにこれ以上麗奈を傷つけさせないために…
何ていえばいいだろう…。そうだ!
「あんたら分かってないみたいだけどね!デブっていうのは最高の美なのよ!だから当然男子はデブな女性に憧れデブを好む!そして、女子はデブこそ最高の美しさと理解し、デブに憧れる!皆はまさに美の象徴である私と麗奈を敬う!デブの汗こそ最高の香水。デブこそ最高の美よ!!麗奈はあんたらより格上なの!!よし、催眠よとけろ!」
これでいい、私はすぐさま麗奈を追いかけた!

 

「麗奈!待って!」
「こ、こないで!」
麗奈には簡単に追いつけた、朝は上機嫌で元気だったがやはり足自体は私より遅い。
どうやら玄関口に向かっているようだが…
バチーン!
突然なり響く音。どうやら麗奈が盛大にずっこけたようだ。
そのため顔やお腹、太ももの肉が廊下に当たりこんな甲高い音がしたのだ。
「うううう、どうして、どうしてこんなことに…。」
「追いついたよ!麗奈!」
「もう、ついてこないでよ!」
そういってすぐ近くにあった保健室のドアの中に飛び込む。
「ちょ、待ってよ!」
麗奈は保健室の一番奥のベッドに飛び込むシャっとカーテンをしめる。
「来ないでっていってるでしょ!」
「れ、麗奈、どうしたの。私だよ、風花だよ。なんでもいってくれれば力になるよ!」
「あんたが風花だってことくらい分かってるわよ!デブなんだから私に近づかないでっていってるの!」

え、えええ?ちょ、ちょっと待ってよ!
「れ、麗奈だって、デブ、でしょ…?」
「おかしいわよ!私、デブなんか大嫌いだったのに!気づいたらバクバク食べて、デブは美人だとか勘違いしてて…、デブになってしまいその上こんな間抜けな格好で学校に来てる…。
おかしいわよ!私はデブなんか大嫌いなのよ!だから、私がデブに憧れるのも、デブに実際になっちゃうのも、そして…あんたみたいなドデブと仲良くしちゃってることもありえないのよ!!」
「れ、麗奈ちゃん…で、でも、私達親友…。」
「親友!?私があんたみたいなデブの親友になると思ってるの!?ほんと私どうかしてたわ!!絶対痩せてやる、痩せて皆見返してやる!」
「れ、麗奈ちゃん…。」
「うっさいデブ!!」
!!!…麗奈ちゃん…、私は、麗奈ちゃんのこと大好きなのに…ひどいよ…
何でそんな見方しかできないの?
ひどいひどいひどいひどい…
「麗奈ちゃん。」
「うっさいっつってんでしょデブがぁ!!」
「催眠にかかれ。」
途端に麗奈の目は生気を失う。
「ふふふ、ふふふふふふふ。さて、ダイエット勝負だけど、私の勝ちだったよね。だから今からいうことを、聞いてもらおうかな、私の大好きな麗奈ちゃん。」

 

 

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