豚の花嫁

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第3章 受胎告知

 

ぬちゃぁ…

 

邪教徒たちがマリアンヌを豚の王から「抜く」。
マリアンヌの股間が糸を引き、豚の王の股間から離れる。

 

オオアアア…ブゴォ…

 

「ピグシーちゃんったら節操がないわねぇ…ちょっと休憩よ。」

 

豚の王は名残惜しそうに呻き声を上げる。
驚くべきことに、未だ射精は止まらず、トクトクと先端から白い精液が噴き出しては
なお上を向いたままの陰茎をつたい地面に垂れた。

 

「そのうち毎晩何回でもできるようになるから、今夜はこれでおしまいよぉ♪ じゃあねピグシーちゅあん♪」

 

ブゴッ! コビィィッ!!

 

「うふっ、かわいい子♪ さぁ、お嫁さんを牢に戻しなさぁい!」

 

酷い悪夢に打ちひしがれて、呆然としているマリアンヌは、教団員たちに引きずられて、洞穴を後にした。

 

ドンッ!

 

マリアンヌは牢の床に乱雑に放り込まれた。

 

「ピグシーちゃんとのステキな初夜はいかがだったかしらぁん? あ、そういえば初体験でもあったのよねぇん? 感想が聞きたいわぁ♪」
「…うっ…貴様…いっ…王家のっ…娘であるわ…私に…ご、こんなことしてタダで済むと…思うなよぉ…」

 

うつぶせになりながら、マリアンヌはその青い瞳をイサベラに向けた。
邪教徒に虚勢を張るが、嗚咽が混じり、言葉にならない。
誰が見ても空しい抵抗だった。
イサベラはさらりとマリアンヌの虚勢を無視して、続けた。

 

「さぁて、もうすぐだと思うのだけどぉ…」
「もうすぐ? 何がだ!?」
「感じない? お腹の奥底で、アツアツの豚精液が 『疼く』 の・が♪」
「う、疼く? だとぉ…?」

 

マリアンヌは、豚の王に射精された時より現在まで、下腹部の内側に貼り付くような熱い感覚を感じていた。
生まれつき神経感度の高いマリアンヌにとっては耐え難い不快感。
今夜が初体験であったマリアンヌは、膣内射精とはそういうものだと思っていた。
相手が半豚人ならばなおさらのことだと思った。

 

「疼く…何が…?」

 

  <<ドクンクッッ!>>

 

「!?…やっ…何?」
頭の中まで響くような、鼓動に似た感覚が全身を駆け巡った。
「はぁっ…やぁ…何!? …お腹がッ…お腹が熱いぃぃ!?」
「…始まったようね。」
ビクッ! ビクビクンッ!!
「やはぁ…体が…ヘン!? …な、何か来るうぅ!?」

 

マリアンヌは腹部を押さえてうずくまる。全身が痙攣し、発熱と悪寒を同時に感じる。
苦しむマリアンヌの腹部に、イサベラは手をあてがう。

 

「ふふふ…『視える』わぁ…」

 

イサベラがやっているのは、肉眼では見ることのできない者を感覚的に把握する「心眼の術」の一種である。
これを肉体に対して行えば、体内の臓器や組織の活動を直感的に理解することができる。

 

「アナタにも『ヴィジョン』を分けてあげるわぁ…」

 

イサベラはもう片方の手をマリアンヌの額にあてる。
イサベラの視ている情報を、マリアンヌと共有するためだ。

 

「視えるかしら? これが何だか分かるかしら?」
「これは…いやあぁ!?」

 

イサベラの手を介してマリアンヌの脳裏に浮かんだビジョン、それは、輝く球体に、数え切れないほどの蛆のようなものがたかっている光景だった。
直接見た事は一度も無いが、魔法生理学の講義で学んだことがある。
これはまさしく、精子が卵子と結合しようと殺到している場面である。

 

―豚の精子が―
自分の卵子に受精する―

 

「いやあああっ! 来ないでぇ!?」
「精子に何を言ってるのかしらん? さぁ、新しい命の誕生よ。豚の赤ちゃん孕みなさぁい♪」
「やだやだやだ! 孕みたくない! 豚の赤ちゃん…赤ちゃんいらない!! 赤ちゃんいらないぃ!!」
「赤ちゃんつくるために、今夜にしたのよ? 占術で排卵日を割り出したの♪ さぁ、一番元気な子が『来る』わよぉ?」
「嫌ぁ! いらない! いらないぃ! …ひっ!? いやあああぁぁ!!」

 

―その瞬間は実にあっけなかった。

 

<<ドクッ!……キューーーーンッッ!!>>

 

「!!…はぁ…ああぁぁぁ!!??」
「『入った』わね…」

 

残酷にも、魔法知覚が鋭いマリアンヌは自分の胎内に、自分とは異質の魔力を放つ存在が生まれたことを敏感に感じ取ってしまった。

 

「はぁ…嘘…あぁぁ…赤ちゃん…豚の赤ちゃん………ああああぁぁぁぁぁぁぁ…」
「おめでとうを言うわぁ。正真正銘、アナタの卵子に豚の子種が植えつけられてデキた、アナタの赤ちゃんよ。」

 

「はぁぁ…あかひゃぁん…?……」

 

ピピッ…プシュッ…プシュシュッ…
しょしょわああああああぁぁぁぁ……………

 

「あらあら、お姫様ったら『粗相』なさって…いけませんわぁ…」

 

絶え間なく続いた恐怖によって溜まりに溜まったものが絶望により溢れ出たのか、マリアンヌは小水を漏らした。
そして尿を失禁したまま脱力し、放心状態になった。

 

「あなたたち、タオルを持って来なさい。お嫁さんが汚れてしまったわ。」

 

教団員が指示に従って牢を出て行く。

 

「うふふ…豚の赤ちゃん孕んで、これで『豚の母』になったわけね♪ さぁこれから元気な赤ちゃんを産むために、たぁっぷり 肥 っ て もらいましょう…ふふふ…」

 

イサベラは今や「母」になったマリアンヌを見て、嬉しそうに笑った。

 

 

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