500氏その2
#メタルスラッグ,メタスラ,METAL SLUG
7.秘密兵器工場
おわっ!おわおわ!?…っと若干変な悲鳴を上げてモーデン軍兵士達が鉱山の中に逃げて行った。
マ「ここは…鉱山か? モーデン軍め、何か隠しているな」
あっという間にモーデン軍のしんがりを撃破したマルコはより重要な情報を求めて鉱山に入っていった。
そして、鉱山の奥深く…モーデン軍の秘密兵器工場に潜入したマルコと、一足先にいつの間にか潜入していたエリはモーデン軍の最新兵器に苦戦していた。
エ「うっとうしいわね! これじゃ標準が定まらないじゃない!」
次から次へと打ち込まれてくるミサイル及び、フレイムショット(火炎放射機)を紙一重で避けつつも、これでは攻撃に出る暇が無い。
四角形の部屋で天井の高い構造…中心を四角にかなり深く穴を空けた場所の天井にモーデン兵器がぶら下がっている。
上から見られている為に、こちらの行動は相手には丸見え…先手を打たれてしまう(モーデン兵器の方は死角に位置する武器を使う為、こちらからは見えない)。
埒が明かなかった…が。
マ「必ず隙が出来る! そこを狙って、あの兵器を支えているアームを破壊するんだ!」
マルコがエネミーチェイサー(追尾ミサイルを発射する様な物)を構えてアームに狙いを定めて打ち込み、破壊するとモーデン兵器のバランスが崩れた。
エ「今だわ、狙い撃ちよ!」
バシュッン!という音と共にエリの放ったエネミーチェイサーがモーデン兵器を支えていたアームに直撃、破壊され、モーデン兵器が穴へと落ちていった。
マ「やったか?」
余談だがこういう時の『やったか?』は絶対によした方が良い…
これで敵が倒された事は知る限り1度もないからだ。
そして…。
エ「っ! まだみたい…本当にしつこいわね」
アームを足の様に使って体勢を立て直したモーデン兵器、今度はマシンガンも乱射してきた…
3種同時攻撃はエリとマルコでも流石にきつい。
そしてさらに、良く見てみると、マシンガンの弾は…。
エ「ちょっと!? これって、あの太る弾じゃないの!?」
マ「なに? 例の女性限定肥満化弾丸か?」
エ「本っ当に嫌な奴…いや、嫌な機械!!」
そう言うと同時にエリの怒涛の猛攻撃によってモーデン兵器は黒煙を上げて機能を停止………。
エ「やったわ………痛っ!?」
不意にエリは肩に弾丸を受けた…どうやらモーデン兵器の最後の悪足掻きの一撃の様だ。
マ「これで壊れろ!」
マルコがエネミーチェイサーより強力なロケットランチャーを打ち込むと、今度こそモーデン兵器は完全に沈黙した。
マ「エリ! 大じょ…げぶぅ!?」
心配してエリの方向へ向こうとした瞬間、マルコの鳩尾に一撃必殺のトンファーが叩き込まれ、マルコは気絶した。
エ「少佐…本っ当にごめん」
そう言っているエリの身体は既に肥満化していた…
(ゲーム内のグラフィックで見てみると、2重顎にならないくらい肉が付いてる様に見えるし、垂れてもいないように見える)
エ「あ〜あ、これでフィオ達の仲間入りか…フィオ達と同じ様に戦闘力は低下してないわよね?」
試しにという事で、トンファーの1人組み手や銃撃戦時の戦術を一通りしてみて…不幸中の幸い戦闘力低下は見られなかった…が。
エ「ふぅ…ふぅ…嫌って言う程、揺れるわね…」
清々しい程に揺れた自分の肉を見てエリは思わず溜息(息切れも)が出た。
しかも動いた性で服が、はち切れる寸前の様だ。
エ「換えの服なんてないし…流石に少佐の服を剥ぐ訳にもいかないし………どうしたらいいのよ!!」
ダンッ!と地面を足踏みすると、少し遅れて部屋が揺れ始め…そして、崩れ始めた。
エ「!? …わ、私のせいじゃないわよ〜!!」
気絶したままのマルコを慌てて抱えて…そのまま部屋ごと陥落した。
8.モーデン兵器・地下巡行ミサイル
粉塵と瓦礫の山…奇跡的に無傷で助かったエリは、現状を確認する為に回りを観察した。
エ「ここは………地下遺跡?」
マ「…その様だ」
エリの一撃必殺のトンファーによる気絶から、いつの間にか気が付いていたマルコは、エリの方向を見ない様にしながら答えた。
マ「どうやら、先の戦いによる衝撃によって部屋が陥落したらしいな…こんな所に長居は無用だ。脱出ルートを探し出すぞ」
エ「(そう、そうよね! 決して私の……のせいじゃないわよね!!) ええ、分かったわ………?…! 少佐」
体重と言う部分はえらく小さくし、うんうんと自分を励まして、不意に人影に気付いて、声を上げた。
マ「どうし…!?」
振り向いた瞬間に、今度は手で目隠しをされた。
エ「服を新調するまで我慢しててよ?少佐」
某所の対使徒迎撃要塞都市の作戦部長と同じく、サービスサービスぅ♪…という訳にはいかない。
謝罪の言葉も無く、音もなく静かに走り出した…マルコを引っ張って。
エ「追いついたわ、モーデン軍ね…こんな所で何をしているのかしら?」
物陰に隠れて覗き込んだが、数人程のライフルを持ったモーデン兵士が談笑をしているだけにしか見えない…。
マ「目的は分からないが…殲滅しておいた方が良さそうだな…いくぞ!」
エリが視界に入らない所から覗き見てみたマルコの一声で一気に2人は駆け出した…しかし。
?「YAHAHAHAHAHAHA!!」
突然の大声に警戒した2人はそこで止まった。
マ「この下品な笑い声は…」
そう言うと同時に、笑い声の主…アレンがマルコ達の進行方向に飛び降りて来た。
ア「正規軍本部基地殲滅戦以来だな?マルコ?」
マルコ達と真正面から向き合う形を取ったアレンに対し…。
マ「ああ、そうだな…あの時の借りを返す事にしよう」
ハンドガン(拳銃)を構えたマルコにアレンは、いかにも残念だと言いたそうな態度を取った。
ア「貴様の相手をしている暇は無い…そろそろゲストが来る頃だからな」
ズガアアァァン!という破砕音と共に、壁から巨大なミサイルが出て来た。
ア「紹介しよう、我が軍が新たに開発した地下巡行ミサイルだ…こいつの行き先は分かるな?」
エ「SV計画研究所ね?」
ア「その通りだ、雌ぶ…ぐぉ!?」
侮辱の言葉を吐こうとしたアレンの胸元に銃弾が打ち込まれていた。
エ「あんまりふざけた事は言わない方が身の為よ!!」
憤怒の感情に身を任せて放ったエリの銃弾は正確にアレンの右胸を直撃していた………が。
ア「お前達! こいつ等を始末しろ! …俺は先に撤収する!」
アレンはピンピンした様子だ。アレンは、今までマルコ達と激戦を繰り返し、何度も致命傷物の攻撃(例えば、レーザーガンやロケットランチャー、手榴弾や火炎瓶等の猛撃)を与えても決して死ななかった男である(1度、シャチにも食われたが、ピンピンしている)…そう簡単にはやられない。
マ「待て、アレン!」
エ「少佐! 今はミサイルを食い止めるのが優先よ!!」
マ「そうだな…いくぞ!」
エ「了解!」
地下巡行ミサイルが壁を貫通してSV計画研究所に驀進するまで残り数分………。
9.ミサイル沈黙
ブツ…ブゥゥゥゥン…ミサイルのロケットエンジンが停止し、ミサイルが地面に横たわった。
マ「よし! アレンを追う………何をしてるんだ?」
マルコの視線の先にはエリが、倒したモーデン兵士の服を剥ぎ取っている光景が見えた。
エ「このボロボロの服でいつまでも居たくないのよ、モーデン兵士の服でもこの際構わないわ」
2着分のモーデン兵士軍服を羽織っている(着る事は無理だ)…まるでローブの様だ。
エ「少佐はアレンを追って。私はこのミサイルを留美と一緒にSV計画研究所まで持って行くわ」
マ「それは構わないが…」
エ「ほら? アレンに逃げられるわよ? 少佐は心配しないで早く行って」
マ「分かった、俺はこのままアレンを…モーデン軍を追跡する」
そう言って、素早く地上へと駆け走っていくマルコを見送ったエリは通信機を取り出した。
エ「あ〜あ〜、テストテスト… 留美〜? 聞こえる?」
少し雑音がした後に、留美が出た。
相「はい、聞こえますよ、エリさん〜」
少し通信機を耳から放してからエリは通信を再開する。
エ「(耳痛〜…) …相変わらず元気ね? 留美」
相「そうですか? まぁ、それはさておき… どうしたんですか? 用件をどうぞ〜」
エ「モーデン軍のミサイルを回収、SV計画研究所まで運搬して欲しいのよ…多分、これはオグマ社の開発した物だから」
ミサイルのモーデン軍マークのすぐ横に小さく描かれた、ケルワド・オグマ社のマークを見てエリは推察する。
エ「このミサイルには恐らく、私達を太らせた薬が搭載されている筈…まだ知らないのか、戦力低下をまだ狙っているみたいだから」
先ほどのモーデン兵器がまだ太る弾(エリ達はドラッグブレッドという名称を知らない)を装填されていた所を見ると推測できる。
相「なるほど…ん? 私達って事はエリさんも太ったんですか?」
エ「…まあ、ね」
相「わぁ〜、これでお馴染みの皆さんは全員肥満化した訳ですね〜?」
若干嬉しさが混じった声が聞こえた…
その事に、少しカチンと来たエリだったが、しょうがないと割り切った。
エ「ともかく、場所は鉱山付近の地下遺跡よ… なるべく早くね? できれば服も持って来て」
相「イエッサー♪ 任せてください! 迅速かつ的確に…」
最後まで聞かずにブチッと切ると、ミサイルを背もたれにして、崩れる様に座り込んだ。
エ「はっ…はぁはぁ…ふぅふぅ………む、無理する物じゃないわね」
軽く噴き出た汗を拭いつつ、エリは自分のお腹に手を当てた。
エ「ちゃんと痩せられるわよね?」
このままでも戦闘は十分可能だがやっぱり痩せておきたいエリだった………。