500氏その8

500氏その8

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#サモンナイト,サモナイ

 

5.自覚後は坂を転がるが如く

 

ツカツカと苛立たし気に歩くアムはソノラとアティ先生が入った部屋へ到着すると、そのまま入ろうとして止まった。
ア「(流石にいきなり入るのは駄目よね、ノックくらいはしないと………別にソノラ達が私に何かしたって訳じゃないんだから…)」
悶々と考え続けて生まれた苛立ちを一息入れて静めるとアムは部屋をノックをする。
すると部屋の中からバタバタと慌ただしい音がして来た。
ソ「ちょ、ちょっと待って!誰か知らないけど少し待って!」
酷く慌てた様子のソノラの声が聞こえて来る、それに加えてギシギシとベッドが軋むような音や衣服が擦れるような音が聞こえて来た。
ひょっとして寝ていたのだろうかと考えたアムだがそれにしては反応が早すぎたし、何よりここまで慌てる必要はない。
何か慌てるような事でもしていたのかとも考えて、ふとアティ先生と出て行った時のソノラの様子を思い出す。
気のせいと思っていたがあの時のソノラは妙に艶めかしいというか熱を持っていた気がする…。
アムはポカンとした後、1つの事柄にいきつき顔を赤くする。
ア「(いや、仲が良いっていうのはソノラの話してる時の態度から知ってはいたけど…まさかそんな…女同士で…!?)」
次から次へと起こる事態にパニックになりそうな頭を抱えて壁にもたれかかりそうになるアムだが、そこでふと気付く。
今開けてしまえばアティの裸体があわよくば見られるのではないか?っと…。
ア「…っ!」
躊躇いは一瞬で消える、元からこの湧き出た興味をどうにかする為にここにやって来たのだ、千載一遇のチャンスだと開き直るとアムは一気に部屋の扉を開けた。
ア「ちょっと何!? 騒がしい音がしたけどっ!」

ソ「ひゃあぁ!待ってって言ったのに!?」
アティ「…ふぁ?」
一応物音に驚いて心配になり入ったように見せる為に誤魔化しの言葉を発しながら入ったアムとベッドの横で慌てた様子で立っているソノラ、そしてそのベッドの上で惚けた様子で寝ているアティ先生。
部屋の中は一瞬の喧騒の後、しばらくの静寂が訪れる。
ア「………」
無言のままアムは周囲の気配を確認し、カシスとナツミが来る様子がないのを確信すると開いたままになっていた扉を後ろ手で閉める、そしてアムの視線はアティ先生に集中していた。
アティ先生は掛布団こそ被せられていたが全裸だった、加えて顔が赤くぼ〜っと心ここにあらずといった様子である。
ソ「あ、あのね、アム。これは、その…」
ソノラはしどろもどろになりながら何とか言葉を出そうとして上手くいっていない、ソノラの方は衣服を着ているがぐちゃぐちゃになってしまっていて慌てて着込んだのが丸わかりだった。
ア「(まさか、あるいはとは思ったけど…大当たりって訳ね…)」
予想が的中した事に複雑な気持ちが込み上げつつも、視線はアティ先生へと固定されたままだ。
ソノラを無視してベッドに近付き掛布団を引っ張ると完全にアティ先生の身体が露わとなる。

 

そしてそこでようやく意識がはっきりして状況が理解出来たのかアティ先生が目を見開く。
アティ「っ! あ、アムさん…!?」
慌てて身体を起こそうとするが胸とお腹がつっかえて中程まで起き上がった上半身は再びベッドに沈む。
そして今度は横に身体をねじるようにしながら何とか身体を起き上がらせるとアムに向き直る、とんでもないところを見られたと感じているのか顔は真っ赤だった。
ア「2人ってそういう関係だったのね…」
抑制のない声で呟くアムにアティ先生とソノラは動揺の色を隠せないまま沈黙をする。
そんな2人をアムは無表情な顔で見つめた後、わざとらしく溜息をついた。
ア「まぁ、他人の事に口出しはしないつもりだけど…これって普通の事じゃないわよね?  流石にナツミとカシスがいるし、もしかしたらこの先更に人数が増えるかも知れない…コレが原因で私達の関係がギクシャクしたら面倒臭いわ」
ソ「そ、それは…その、ごめんなさい、だけど…」
アティ「すみません、もしそうなるようでしたら私達はここを…」
沈痛な顔をする2人にアムは片手をかざして静止をかける。
ア「別にいいわよ、バレなければいいんだし・・・でも」
そこで言葉を切ったアムはニヤリと怪しく笑った、そんなアムに2人はゾクリと悪寒が走る。
まるで捕食者のような雰囲気を出すアムは微笑を浮かべたままアティ先生に近付くと、躊躇なくその大きな胸に手を伸ばして揉みだす。
アティ「っ!? あ、アム、さん?」
ソ「え!?」

驚く2人を無視してアムはアティ先生の胸を揉み、他の部位にも手を出す。
お腹、太もも、二の腕、頬に至るまで揉んだりつまんだり撫でてみたり隅々まで堪能しつつアムは視線をアティ先生に固定したまま喋る。
ア「私はもう知ってしまった訳だし、口止め料っていう程でもないけど・・・少しアティを貸してもらうわよ、正直なところ・・・私、興味津々なのよねぇ?」
欲しいものが手に入った、アムは無意識の内にそう言わんばかりに嬉しそうに声を弾ませた。
アムの口角がニヤリと吊り上がる、舌なめずりまでしそうな様子だ。
ソ「え、えぇ!? そ、それは・・・けどぉ・・・」
アティ「あ、あの、ちなみに、拒否権は・・・?」
いつものアムと違う様子に戸惑いつつも、現状は理解した2人。
まるで大好物を取り上げられた子犬のような状態になるソノラと、玩具にされるのではと危惧するアティ先生の発言に対してアムは、
ア「拒否権なんて、あると思うの?」
とても素晴らしい笑顔で答えるのだった。

 

 

6.機械人形→海賊→狙撃手

 

ソノラは部屋の隅で体育座りで不貞腐れていた、目の前ではアティ先生がアムに好きなように身体を弄ばれている。
恋人のような関係である自分を差し置いてアムがアティ先生を好きなようにしている姿には嫉妬のような不快感を感じざるを得ないが2人の関係の口止め料と言われれば我慢するしかない。
ソノラとしてもこの関係があまり堂々と宣言出来る類ではないのは理解しているしそれが原因でアムが言ったように皆との関係がギクシャクしてしまうのは避けたいのだ。

 

ソ「(とは言っても、やっぱり嫌だなぁ…)」

 

そんなソノラの視線を感じつつもアムはアティ先生の身体を隅々まで堪能していた、身体にたっぷりと蓄えられた贅肉を揉み撫でて摘み持ち上げ思う存分といった様子だ。
愛撫と言うよりはマッサージに近いがマッサージにしては過剰の揉み込み具合である。
アムは自身の手に伝わってくる肉の感触に今まで味わった事のない高揚感と興奮を感じていた。

 

ア「(これは、想定外ね…こんなに、こんなに夢中になってしまうなんて思ってもみなかった…)」

 

どうやら自分は変わった趣味の持ち主でしかもその趣味の熱意が凄いという事をアムははっきりと自覚し、だが不快感も不安感もなかった。
今こうしてアティ先生の肥満体を味わってみて感じるのは心地良い興奮と幸福感、今までの生活でこんな感覚には1度として味わった事はない。

 

ア「(堪らない、止まらない、止めたくない…)………アティ、もう少しやらせてもらうわよ?」

 

アティ「ん、つぅ…は、あぁ、ぅん…は、はいぃ…」

 

贅肉を揉んでいる手を休ませる事なく動かし続けるアム、手の動きに合わせて時折アティ先生が喘ぎ声を出すがそれもまたアムを興奮させた。
ふとアムがアティ先生の顔を窺ってみれば潤み切った瞳で熱い吐息を吐き出している、アムとしては愛撫の気はなかったが執拗なマッサージは同等の効果をもたらしたらしい。
そんな感じている様子のアティ先生にアムはゾクゾクとした感覚を覚える。

 

ア「(ソノラと同類ね…ま、悪い気はしないけど…)」

 

興奮の渦中にいるアムは頭の片隅でそんな風に考え、ソノラを見る。

 

ア「………はぁ」

 

そして見ると同時に溜息を吐き、手を止めるアム。
アムが見たソノラは玩具を取り上げられた子供のような、あるいは想い人を寝取られた大人のようないろいろな感情がごちゃ混ぜになった様子だった。

 

ア「そんな目でみないでよ、わかった。もういいから…これ以上してたらカシスとナツミ以前に私とソノラの関係が面倒臭い事になりそうだし…」

 

アティ「ぁ…や、やっと終わっ…」

 

そう呟いたと思ったらそのままガクリと意識を失うように眠るアティ先生、ソノラに散々やられた挙げ句アムにまでやられたので体力の限界だったのだ。
眠ったアティ先生を横目に面倒臭そうにしながらアティ先生から離れたアムにソノラはブス〜っと膨れっ面で歩み寄ると拗ねたような声でつぶやく。

 

ソ「ぶ〜、そう思うんなら最初からこんな口止め料にしないでよ」

 

ア「仕方ないじゃない、自分でもここまでになるなんて思ってなかったんだから…」

 

本当に意外だ、と言わんばかりな様子のアムにソノラは苦笑した。
自分の時もこんな趣味があったとは思いもしなかったからだ、アムの今の状態はよく理解出来たソノラだった。
だからこそソノラは釘を刺しておく。

 

ソ「うんうん、アムの今の気持ちは私も経験した事だからよく分かるよ。だけどもう先生には手を出させないからね?」

 

口止め料としては我慢していいが本気で取られたらたまったものではないと少し真面目に言うソノラにアムもソノラと同じく苦笑する。
苦笑して困った顔をする。

 

ア「それは勿論だけど、そうなったら私のこの趣味はどうしたらいいのかしらね? ここまできて今更なかった事になんて出来ないわよ」

 

元々この湧き出た興味をどうにかする為にここまで来たアムだったが、その興味はもはやかき消すなど不可能なレベルでアムの中で膨れ上がっていた。
そしてついさっきまでアティ先生という肥満体を味わった…味わってしまった事でもはやアムにはこの興味、はっきりと自覚した趣味に蓋をする選択肢はなかった。
アムは手に目をやる、いまだに肉の感触は残っていてその残滓を味わうように握りしめた。
そんなアムの様子を見たソノラは質問をぶつける。

 

ソ「ねぇアム、私は先生じゃないと嫌だけどアムは先生じゃなきゃ駄目?」

 

ア「? それって、アティの肥満体じゃないとって意味? それは、よく分からない…何から何まで初めてなのよ、はっきりなんて言えないわ」

 

藪から棒とも言えるソノラの質問にアムは考えながら答える。
確かにソノラの話から興味を持ち、アティ先生の肥満体、そして先程までの行為で趣味の確信には至っているがそれがアティ先生限定の興味、趣味なのかどうかは不明だ。
考え込むアムにソノラは、アティ先生が熟睡している事を確認してから話を切り出した。

 

ソ「…もし先生じゃなくてもいいって言うなら協力出来るよ。私の仲間でクノンって子がいるんだけど…私、そのクノンから肥育に関する知識、教わってるんだ」

 

ア「肥育に関する知識…?」

 

ピクリと反応するアム、肥育とはつまり太らせる事…ソノラはアティを太らせたのか、そんな視線を向けるとソノラは微妙な顔をする。

 

ソ「初めは違うけど、後の方は合ってるというか…えっと、とにかくそういう知識はあるの!他にもいろいろ楽しめそうな知識もね!ようはアムが先生以外の誰かでいいなら協力出来るよって話!
  まぁ、あくまで知識を提供するだけで提供した後は先生のところに戻らせてもらうけど…」

 

話を誤魔化されて少し気になったアムだったが今そこは重要じゃないと考え、ソノラの提案の方に意識を向ける。
さっきまでは肥満体というある種の完成形を味わった。
例えるならば咲き誇った花を味わっただけだ…種から育て、芽を、蕾を育て愛でていく、いわば過程の段階を味わっていない。
アムにとって非常に魅力的な提案だった。
しかし問題もある。

 

ア「提案も協力も願ったり叶ったりだけど、他の誰かって誰がいるのよ? まさかソノラが?」

 

ソ「んな訳ないでしょ、ほら? いるじゃない、2人も候補が…」

 

ア「それって…」

 

ソノラがニンマリと悪者顔で囁く、海賊だという事を考えればお似合いな表情を浮かべ、手を差し伸べた。
それを見て、囁かれた内容を聞いて、アムは今頃寝ているであろうあと2人の同居人の顔を思い浮かべた。

 

ア「………」

 

そんな事をしてばれたら関係が悪化どころじゃないかも知れない、しかしそれを言うならアティ先生とソノラの関係性だってばれたら…である、しかし考えようによってはこうも考えられる、ばれなきゃ問題ないと。
ソノラもそう考えているのだろう、あるいはアティ先生に手を出させない為の防波堤の役割を2人、あるいは1人に担わせる事の方が重要と考えたのか。
そもそもそれ以前に肥育、しかも仲間を肥育というこの行為が悪いのか悪くないのか、迷いはあった…迷いはあったが決断はすぐだった。
過程を想像するだけで心が踊る、アムはソノラの手を握る。

 

ア「よろしくね、ソノラ?」

 

そう言いつつ笑ったアムの瞳には欲望の炎が渦巻いていた。

 

 

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