FGI氏その3
「まあ、次はこれを飲んでくれ。色が酷いが、毒じゃないから大丈夫!」
「???」
言われた通り、優希は怪しい紫の物を一気に飲む。途端、優希がむせた。
「う、ゲホッ・・・ 不味い・・・!?」
突然、優希は体に違和感を感じた。まるでサウナに居るように体が熱い。
ダラダラと汗が流れ、ドスンと座る。裸の為、尻や太股が横に広がり、
汗を吸う物が無いため床に汗溜りが出来る。
「はぁ・・・ にゃにがどうして・・・!? にゃ!?」
「お〜! 原理は分からんが、とにかくすごい!」
「おい礼矢! にゃんかうまく喋れにゃいぞ! 一体にゃんだあの飲み物は!」
「・・・ちょっとためしに・・・」
『な』が『にゃ』になってる優希を無視し、礼矢は優希に向かってボールを転がす。
優希の前をボールが行き過ぎた直後、優希は体ごと突っ込みボールをキャッチした。
室内にドスンと重い音が響く。
「は!? にゃにを私はボールに飛び付いてるんだ!?」
「凄い! 流石はS(少し)F(不思議)パワー! 『猫の心を得る程度のお薬』って嘘じゃなかったんだな!」
「礼矢! 一体私ににゃにを飲ませたんだ!」
「ふふふ・・・ そう騒がなくてもいいじゃないか、これは優希が選んだ選択なんだから・・・(なでなで)」
そう言って礼矢は優希の喉あたりを撫でる。優希は礼矢を叩こうと思ったが・・・。
「にゃ・・・ にゃんか、気持ちが良い・・・」
すっかり猫な優希は、うまく扱われていた。
「さて。これで夢にまで、いや、妄想していた事が楽しめるよ」
「にゃにを一体・・・?」
礼矢はポケットから『猫じゃらし』を取り出す。途端に優希が叫ぶ。
「ま、待て! 今の私にそれを見せるにゃ! 頼むから!」
「その服を着た優希に拒否権は無〜い♪」
優希の前に猫じゃらしをチラつかせる礼矢
。優希の目線が猫じゃらしに釘付けになり、猫じゃらしに手を出すが、ネコ手なので掴めない。
そんな状態が10分は続いた。
「ぜぇ、はぁ・・・」
優希は既に汗だらけで、だらしなく舌を出していた。
普段の優希ならこんな舌を出す様な事はしない。薬の効果だろうか。
「ホ〜ラ、こっちだよ〜♪」
S神が乗り移った礼矢は、優希から離れた場所で猫じゃらしをふっている。
優希は無視したかったが、今の優希は猫である。体が勝手に動き、ハイハイの要領で近付いて行く。
「はぁ・・・ はぁ・・・ (腹が邪魔で進み難い・・・)」
立てばいい、そう思っているのに、今の優希は立てなかった。まるで自分が立てる事を忘れたかの様に。
「よしよし優希、偉い偉い♪」
「あ・・・ う、な、撫でる、な・・・」
「さあ、頑張ったご褒美だぞ〜♪」
そう言って礼矢はとどめのアイテムを出し、優希の後ろに投げる。
本能的に後ろを振り向いた優希は、またも体ごと飛び付いた。礼矢が投げたのは『マタタビ』だった。
マタタビを見て、自分の意思とは関係なくじゃれる優希。マタタビの前で転がり、動き回る。
汗でベトベトの体に部屋のゴミがまとわりつく。
「礼矢・・・ 頼む、止め、て、くれ・・・」
「え〜? 仕方ないな〜・・・」
礼矢はマタタビを拾い、優希の目から隠す。
途端、さっきまでハイハイで動きまわってた優希は腹から崩れるように倒れた。またも部屋に重い音が響く。
「み、水・・・」
「はい、水♪」
礼矢はコップではなく、深めの大皿に水を入れてくる。
優希は文句を言おうとしたが、体は勝手に水を舐める様に飲んでいた。
「(く・・・ なかなか飲めにゃいし、腹が邪魔で前に屈み難い・・・)」
「よしよし♪ 良い娘だぞ〜♪」
礼矢は完全に欲望の赴くままに行動していた。水を飲む為下を向いてる優希を前ぶれなく撫でる。
「ああ、気持ちいい・・・♪ プニプニ、いや、ブヨブヨした体が余計に気持ちいい・・・。まさしくデブ猫・・・」
「ば!? デブ猫言う・・・ にゃ・・・ うぅ・・・ ブヨブヨ・・・ じゃにゃいぃ・・・」
気持ちいいのを耐えつつ否定する優希。礼矢は構わず撫で続ける。
「いいじゃないか、別にデブでも・・・ かわいいんだからさ・・・」
「あ・・・ あぁ・・・ いや、この、まま太れば、礼矢だって嫌ににゃって・・・」
泣きそうになる優希を後ろから抱きしめ、礼矢は腹を揉む。
揉んでいるお腹の肉もだが、背中、尻肉の柔らかさが体で分かった。
「俺は優希を置いて逃げたり何かしないさ! かわいい彼女を置いて行く男がどこにいる?」
「にゃ・・・ 嘘だ・・・ こんにゃ、ブヨブヨの、ただ食べるだけで、回りから変な目で見られる私にゃんて・・・ いつか礼矢だって・・・」
「優希・・・(自覚あったのか・・・)」
礼矢は優希の正面に回り込み、もう一度、優希を正面から強く抱きしめた。
「俺は優希を嫌いになったりはしないし・・・ 今も昔も優希は優希、俺が大好きな優希のままだよ。俺は例え優希がどんな姿であっても、優希を見捨てたりはしない」
「・・・礼矢、お前は優しいにゃ・・・?」
礼矢は涙ぐむ優希をだきしめたままベッドに向けて押し倒した。
「さて、最後はその柔らかさを堪能させてくれ、優希・・・」
「にゃ!? 礼矢、待て、そういう行為は・・・ あひゃん!?」
別に優希の想像した行為とは違うが、礼矢は優希の首あたりを撫でまわす
しつこいようだが、今の優希は『猫』である。優希は撫でられ、何も出来ない。
「あ、顎を・・・ やめ・・・」
完全暴走中の礼矢は、たぷたぷと触れる度に揺れている顎を触れ、優希にキスをする。
「こんな優希を、俺がなぜ嫌いにならなければならない? こんなにかわいいのに・・・」
そして、礼矢は優希の頭、後頭部あたり(猫が撫でられて嬉しい場所・・・ らしい)を毛づくろいするように撫でる。
「あ、う・・・ 気持ちいい」
薬が強すぎるのだろう、気持ち良さそうにうなだれている優希の口からはよだれが出ている。
次に礼矢は優希の腹を触る。
「柔らか〜い♪ マシュマロ? いやいや、そんな物じゃないねこの柔らかさは!!」
「れ・・・ いや、腹は止めて、くれ・・・」
「(まだクール状態かな?)や・だ♪」
腹を触り、撫で、つつき、押し、抱き、持ち、摘み、揺らす。
嫌がる優希を完全無視の礼矢は優希の腹を好きなだけ楽しむ。
「あ、あぁ・・・ 礼矢・・・ 頼、止めて・・・お願い・・・」
「(きた! デレ来た! デレタイム来た! これで勝つる!)」
優希の性格は『思った事は話し、冷静に物事を運ぶ、ポーカーフェイスでミステリアス』だと
礼矢は思っている。
(もとい、それを礼矢はクールだと思っており、優希を『クーデレ』だと思っている。)
が、あんまり『自分に嬉しい予想外』が続くとクールが壊れ、自信満々なしゃべり方じゃなくなる。
それを礼矢は『デレタイム』と呼んでいる。こうなると、優希は言われるがままだ!(礼矢談)
「いいじゃないか、俺は柔らかくて気持ち良いぞ? そこらへんの他人の目なんて気にしたら駄目だぜ?」
「え・・・本、当?」
「ああ、当たり前だろ?優希は優希、人は人なんだからさ! 人の目なんて気にしてたら生きていけないよ」
「うん・・・ それも、そう、だね・・・」
優希の返事を聞いた直後、礼矢は優希をだきしめる。
「あ、礼矢、駄目、今の私、汗で汚いよ・・・ ベットもビシャビシャだし・・・」
「そんなこと気にしないさ・・・ 優希・・・」
「礼矢・・・」
・・・そして、夜は更けていった・・・。
――朝。
「おい、もう昼だぞ礼矢。起きろ」
「・・・ん? あれ、着替えてる。残念・・・」
「あんな姿で居られるか。さあ、早く昼ご飯を食べに行くぞ」
話し方が戻っている優希の服はネコスーツでも昨日買って来た服でも無く、
昨日まで着ていた小さいサイズの服だった。
が、既にシャツは汗を吸って服に張り付き、ズボンは内圧で破裂しそうな勢いだ。
「なんで昨日買って来た服じゃないんだよ」
「いや、まだ着れそうだったからだが? ・・・ほら、行くZ」
優希が足を上げた時、内圧でズボンの尻が破けた。
確認しようと優希が背中を向こうとしたとき、前につき出る形になった腹が服からはみ出て、
ズボンのボタンが吹き飛んだ。
「・・・優希、無理して着ないで、昨日買ったのを着たらどう?」
「・・・うむ、すまんが着替えてくるから、そっちも準備してくれ」
「あ〜い」
優希が着替えに行く。礼矢は着替ながら昨日の事を思い返していた。
「(柔らかかったな、優希。今までデブ専じゃないって自分に言い聞かせてたけど、昨日よ〜く分かったよ。俺は完璧デブ専だ・・ ・優希見ると男達の大和が・・・)」
昨日は結局、優希と×××な事をしたりすることも無く、ただひたすら優希をいじってただけの夜だった。
間違いなく礼矢は楽しんだだろうが。
「・・・ん、いっか。優希、まだか?」
「いや、私もいいぞ」
今度の優希はゆったりした服を着ていた。が、下は礼矢のチョイスでスカート(ミニではない)となっている。
太股部はロングの靴下に溢れて乗っかった肉とぶっとい足が見え、長めのスカートにも関わらず時たまスカートから汗で濡れた下着が見える。
誰もの目が行く太股部分は、誰もが目を背ける部分になっていた。今の礼矢みたいなのを除いて。
「う〜ん・・・ 我ながら、グッチョイス!」
「何を言っている。ほら、ケーキバイキングの約束だろう? 昼ご飯食べた後に行くぞ」
「え? 今日行くの?」
「当たり前だ。昨日あれだけ動かされたからな、今日は腹一杯食べるからな」
「おま、いつも大量に食ってるだろうが、昨日のラーメンとか・・・」
「あんな物、後もう一杯は食えたぞ?」
「なん・・・ だと・・・? でも、俺もケーキ食いたいし、休憩を挟んで食べにだなぁ・・・」
「昨日は礼矢が好きかってした。今日は私が我が儘を言わせて貰うぞ? さあ、とりあえず昼ご飯を食べに行くぞ!」
それにしてもこの優希、ノリノリである。礼矢は観念して優希の提案を飲むことにした。
「(´・ω・`)」
「何をトボトボ歩いている。ほら、シャキッと歩く!」
優希が礼矢の背中を叩き、笑いながら早いペースで前を歩く。
優希は軽く叩いたつもりだったのだろうが、体重の乗った一撃は結構な物だった。
「あうぅ・・・(・・・ま、嬉しそうだからいっか・・・)」
楽しそうに歩く優希の後ろからニヤニヤしながらついて行く礼矢だった。