FGI氏その6 召集編

FGI氏その6 召集編

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『セカンド・ターゲット』

 

遺跡からそんなに遠くない城下町、カサレリア。
そこには『奇跡の王女』『幸運の女神』と呼ばれる女性がいた。
彼女が産まれた日に隣国との戦争が終わり、彼女の誕生日には国に必ず良い事が起こり、彼女は国中の人間に愛されて育った(その為少々我が儘に育ったが)。
彼女自身も運が良く、彼女が何か悪いことがあって泣いている姿を見た物は無く、『泥の中を走っても純白のドレスが汚れる事は無い』と言われる程であった。
そして彼女が15歳になり、その美しさの為近隣諸国から縁談の話が大量に持ち上がるなか、事件は起きた。
彼女の噂を何処からか聞き付け、魔王が城を単身で攻めたのだ。
火の上がる城を遠くから見て『王女の幸運も魔王には通用しないか・・・』と町の人は嘆き、王女の生存は無いと諦めていた。
だが、魔王は王女を生かしたまま消えて行ってしまった。
王女の幸運は魔王をも退けたと町民は喜んだが、王女は人前にでる事が出来なくなり、新しく建て直した城には『国王代理』として王女の側近が立ち、王女は指示をするだけになった。
事件から2年。未だに国民が飢えたりする事は無いため、「王女の幸運は続いている」と誰もが思っている。
・・・しかし、王女の姿を見た国民は居ない。

 

夜。カサレリア城内王女の部屋には王女と国王代理である王女の側近の人間がいた。
王女の姿を見る事があるのはこの側近だけであるが、今はカーテン越しで見えない。
「ヘレン様・・・ 国民はやはりヘレン様の正式な即位を望んでおられます。この際恥は置いといてですね・・・」
「何度も言ってるじゃない! この私はあの馬鹿魔王の呪いを解くまで絶対に即位しないわ!」
女性にしては太めの声が響く。カーテンからは荒い息遣いも聞こえる。
「しかし、やはり王女として・・・」
突然カーテンからぶっとい腕が出てカーテンが開かれる。
「ハンゲルグ! あなたはこの私のこの様な姿を国民に晒せと!?」

 

――魔王はあの日、ある呪いをかけていった。
それは『健康的に太り続ける呪い』であり、現にヘレンは歩けるし走れるし健康である。
が、体は常人のそれを既に超え、身長はあれから全く変わらず158cmなのに横幅はどんどん増えている。
様々な解呪魔法、ダイエットの為の運動、サプリ、断食と色々試したが、全く効果は無く呪われてからずっと太る一方であり、目の前に居る姫は昔の美しい姿など面影の無い、汗だくで着る服がない為全裸と言う羞恥心のかけらもない姿だった。
ベッドに横たわった肉塊、もといヘレンは肉に邪魔されながらも立ち上がりハンゲルグの前に立つ。
ハンゲルグより20cmほど低い身長にも関わらず相当な威圧感があり、ハンゲルグがたじろぐ。
「いや、確かに見た目はアレですが、事の次第を話せば大丈夫かと」
「誰がアレよ!?」
体を揺らしたヘレンのパンチがハンゲルグの腹に入る。
体重の乗った一撃で後ろによろめき倒れかける。
「姫、一撃がきついです・・・ もう体重もわからない貴方様の一撃はちょっと・・・」
ちなみにカサレリアには100以上計れる体重計は無く、その100Kまでの体重計が2年前にヘレンの体重で押し潰れて以来、ヘレンは体重を測っていない。
「・・・そんなに押し潰されたいのかしら、ハンゲルグ?」
「・・・すみませんでした」

 

自分のベッドに戻り横になるヘレン。
ベッドからは耐えずミシミシと聞こえるが、補強してある為そう簡単には壊れない。
横になるとヘレンの体の肉はベッドから溢れ出ている。
「安心しなさい、この私が潰すのはあの馬鹿魔王だけだから」
「姫、まだ魔王を潰す事を諦めてなかったのですか?」
ダイエットの意味無く体重が100を超えた時、ヘレンは『増えた体重で魔王を潰す』のを理由にダイエットを完全に止め、政治を全て側近のハンゲルグに任せて自分はただ太るのみになった。
食べずとも太るヘレンは国の迷惑にもならず、ただひたすら己の野望の為太るだけだった。
「当たり前、当たり前! 当たり前!! 青春人生をブン投げてでもあの馬鹿魔王はこの私がぶち潰してやるわ!」
『相変わらず気の強い姫君だ、襲撃したあの時も私をひっぱたいただけはあるね』
「「!?」」

 

突然部屋の端の暗がりから男の声がした。
2人がそちらを向くとさっきまでは居なかった男、魔王アーガイルが居た。
「ゲェ、魔王!?」
「・・・飛んで火に入る夏の虫、噂をすればなんとやらですわね!」
ベッドに横になってたヘレンが起き上がり(体の割には)颯爽とベッドからおり魔王に走り寄る。
もちろん魔王を潰す気である。
「この私の体に潰されてしまえ!!」
「・・・なんでかね。最近女性に詰め寄られてばかりな気がするね。私は何も悪い事はしてないのに。まったく・・・」
魔王は突然両手を胸の高さに持って行き、指揮者の構えをとる。
そして力強く開幕の構えを取ると、ヘレンが走るのを止めた。否、走れなくなった。
こける事無くその場に特大の尻餅をつき、部屋が軽く揺れる。
「!? 重・・・ 体・・・ 立・・・ ない?」
突然ヘレンが感じた『身の重さ』『喋りづらさ』『視界の悪さ』etc・・・
このためまったく身動きが出来ず、首すら捻れない。
「今姫君の呪いを解いたところさ。つまり、ただ肥っているだけ。健康的にとか歩行可能とかそんなチャチなものじゃない、ただ肥っているだけのシンプルな答え・・・ ところで、姫君は今の体重をご存知かな?」
魔王が深呼吸をするとヘレンの目線の前に『000k』と出る。

そして魔王の滑らかな指揮が始まると同時に数字が1ずつ増えだす。
ヘレンは数字の意味を把握したらしく、肉でほとんど開いてないような目をつむろうとするが、何故か出来ない。
「や・・・ さい、こ、わた・・・ な、にを・・・」
うまく喋れない間にも当たり前の様に数字は60を超え、増えるスピードが早くなる。
逃げようにも足が動かない。目を隠そうにも手が顔に届かない、もといほとんど腕を動かせない。
「〜♪♪〜♪」
魔王はヘレンがジタバタする様子を楽しそうに見ながら指揮をしている。
そうする間にも数字は200を超える。止まる気配はまだない。
「ハ、ルグ、な、を・・・」
ほとんど出ない声で後ろにいる筈のハンゲルグを呼ぶが、聞こえないのか返事が無い。
無事を確認したいが首がまったく回らない。数字は300を超え、384で止まる。
「体重384・・・ 巨人族やオークでも歩行に支障が出始め、人サイズ程度のドラゴンやゴーレムより重い。姫君、なかなかのスペックで・・・」

 

指揮をしながら喋る魔王。今すぐ殴りたいが動く事の出来ないヘレン。
「しかし、呪いで肥ったから良いものを、もし姫君が食べて肥ったなら・・・」
右手を降ろし左手のみで指揮をし始める魔王。すると突然、ヘレンの様子が変わる。
「!?・・・ く、rしい・・・ でm・・・ お、か、減った・・・」
腹が異様に減る。しかし息苦しく、のたうち回りたくなるような胸の痛みに襲われ、体からは大量の脂汗が流れ始める。
突然体から強烈な食べ物の臭いがし始め、体に汚れが現れる。
「・・・とま、この様に体が汚くなるし3年も食うだけでは食べ物が無いと不安になるだろうし、なにより体が持たない。かと言って薬か何かで肥らせても・・・」
今度は右手のみで指揮を始める魔王。
ヘレンの体の変調は元に戻ったが、間を置いて再び様子が変わる。
「・・・ひ・・・ あ・・・?」
なぜこんなにも醜いのか、なぜ男の前で裸をさらしているのか、なぜ自分のようなただ太っているだけの醜いデブが動く事も出来ないのに生きているのか、なぜ、なぜ? どうして? 何の為に?
「・・・・・・・・・」
「・・・と、この様に精神が持たない。姫君はすばらしい環境で肥って来たのですよ、分かりました?」
魔王が両手を降ろし、指揮を終えるとヘレンが元に戻る。
話せる様にもなったが、まだ動けないままである。

 

「さて、本題と入ろう姫君。今日この日、なぜ私が来たか? それは私が作ったゲームに姫君を御招待しようとここに参った訳です」
「・・・ゲームですって?」
「はい。もし姫君がゲームをクリアする事が出来たのならば・・・ 姫君の呪いを解きましょう。どうですか?」
「良いでしょう! 受けて立ちますわ!
 (この私の幸運にゲームで挑もうとは・・・ 魔王、この私をナメてますわね!)」
「では・・・ そのお体では何かと不便でしょうし、一度戻しましょうか」
魔王が指を鳴らすとヘレンの体が一瞬で痩せる。
先程まで裸だったのが純白のドレスを纏い、3年前の美しい姿に戻る。
「ゲーム参加中は本来の姿、と言うことで。では行きましょうか」
「(痩せさせた事を後悔させてやる!) ・・・ハンゲルグ! 行ってまいりますわ!」
しかし、返事は無かった。軽やかに振り向き部屋を見渡すが、ハンゲルグの姿は無い。
「ああ、姫君の従者なら姫君にいろいろしていた時に私の部屋に飛ばしました。うるさかったのでね。もし姫君が参加を嫌がっていたら彼を人質として使ってましたよ」
「・・・ちゃんと戻しなさい」
「もちろん。姫君が勝てたらね・・・ では、行きましょうか」
魔王は再び指を鳴らした時、部屋に人の姿は無かった。

 

続く

 

―― 『ヘレン』を二人目の参加者に認定しました、初期パラメーターを記憶します ――

 

身長 158cm
体重 384kg→40kg
B 391cm→73cm
W 482cm→57cm
H 432cm→79cm

 

状態(初期) 『ただ肥り続ける』呪いと『平常通り動く事の出来る健康』の加護が
混ざった特殊な呪いにかかっている。
状態(後) 呪い解呪。筋力は常人より低め。
肉付き(初期) 普通の人間なら歩行不可。相手によっては圧死することも可能。
肉の壁により投石やデンプシーロール程度ならノーダメージ。胸は無い。
肉付き(後) 絶壁。カップサイズダブルエー。胸が無いのを気にしている。
追記(肥) 食事量は常人と同じ。室内には生活に必要な物(トイレとか)があり
完全に引き込もれる様になっている。体重の都合上ベッドはかなり補強されていた。
前は夜に城内を歩き回り、城内に小刻な揺れを起こしていたが、
ある程度肥ってた(180前後)時に自分の玉座にはまって抜けなくなってからは頻度が減った。
その後(ごく最近)夜歩こうとした時に扉に挟まり、何とか抜けたが外出不可が確定した。
以降、ハンゲルグに愚痴を言うのが唯一の楽しみとなった。
追記(通常) 二面性あり、って言うか、国民(特に子供)に優しく部下と嫌いな奴にはとことん厳しい。
好きな食べ物はゼリーみたいな物。ハンゲルグとは長い付き合い。
尋常じゃない幸運の為国民も参加するクジや賭事やゲームには参加しない。
そのためよくハンゲルグを相手に遊んでいる。

ちなみに実力9割のゲームでもハンゲルグは勝った事がない。
運も凄いが内政や知識も完璧。が、運動能力は皆無。
知識も勉学系より雑学系でいわゆる頭良い馬鹿。
見た目(共通) アイカラーも髪も青。アホ毛の無いこなたとでも。胸が無い。
見た目(肥) 慣れてない人が見たら腰を抜かすような見た目。
しかも全裸の上に汗が垂れてポタポタと断続的な音がして
全身汗と脂でヌラヌラして髪がベットリと顔にかかっている為
思わず『魔物!?』と言われそうなそれ。
更に床に体の肉が触れて肉を引きずって動いている為
(足がちゃんと動いているが垂れた腹肉と尻で見えない)
まるで、『(大人の男にとって)小さな一部蒼い肉の塊が
ヌラヌラとした体液を垂らし体から湯気(ヘレンの暑さで勝手に出る) を出し
「フゥー、フゥー・・・」と言いながらズルズルと迫ってくる』と、
B級ホラー見たいな状態になっている。
ちなみに本人に自覚無し。ハンゲルグも慣れてしまっている為気にしていない。
見た目(通常) 白いドレスと金のティアラ、腕には右手に金のわっか、靴はちょっと底が高めに出来ている。

見た目はただの姫様。ちなみにこの設定は私服。
――以上、保存完了しました。もう少し詳しい情報は わっふるわっふる と打ち込んで下さい――

 

 

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