FGI氏その6 召集編
『ラスト・ターゲット』
―魔王の遺跡―
「・・・天然キャラ、高飛車王女、グラマラスな巨女、ボインな翼人・・・ さて、あと一人くらいは欲しいがどうしたもんかねぇ・・・」
魔王、アーガイルは悩んでいた。双六のメンバーが決まらないのである。
「リクしたのは良いけど、人よりもマス効果優先で来ちゃったし、イマイチ人のリクにも答えられて無いし、まったく話 た ならんわ!アッハッハ!」
何もない空間から突然マックスコーヒーを出し、飲みながら笑う魔王。ちなみに た は誤字ではない。
「・・・すまない、あの人(?)はいつもあんな感じなのか?」
「はい。私が居る居ない関係無くあのテンションです。素、らしいです」
「あれが・・・ 素!? 魔王・・・ 恐ろしい子!」
説明が遅れたが、現在魔王の部屋には合計4人(『家具』除く)居る。
由香の登録と同時に連れて来られた由香の彼氏、芦屋。
無理矢理連れて来られて言動が変になっているハンゲルグ。
そして普段通りの体型でメイド姿のサラ。
違う世界からきたのに冷静に茶を飲む男と違う国から来ただけなのにパニクる男。
悩み、笑い、考え、落ち込む忙しい部屋主と顔色変えずにお茶を入れるメイド姿で紅一点の肉塊。
はたから見ればカオスである。
「・・・で、すんませんが・・・ 魔王・・・ さん? なんで俺は呼ばれたンっすかね? なんか、ここに普通の一般ピーポーが居るのは場違いな気がするんすけど」
「ま、魔王! ・・・さん。あの、私はせめて姫様のお側に居たいのですが、何故この場所に? まさか・・・ 男色!? く、食われる!?」
芦屋とハンゲルグが言う。彼等はまだ『双六』の事を知らない為無理はない。
「とりあえず落ち着きたまえ君達。何もとって食おうとか、掘ってウホッ! とかじゃなくて、君達には今から行われる『双六』を特等席からの見物かつ、『視聴者参加』してもらう予定さ」
「「双・・・ 六?」」
「良く分からんけど、ンな事の為にわざわざ遠いってレベルじゃねえ所から呼んだのか? ・・・ずいぶん暇なんだな、アンタ」
「・・・(予測してない一言に頭が真っ白になっている)」
ある意味当然の反応だが、次の一言でその場の空気が変わった。
「『かわいい女の子を強制肥満化』・・・わかるかね?」
「「・・・!!!」」
その名前・・・ スレ名(全世界共通)をただ一言言った、それだけで場の空気は説明しにくいまがまがしい物に変わった。
その空気にただ一人、サラだけは「やれやれです」と言った。
「ふむ・・・ 良い反応だ。では、双六が一体何なのかについて説明しよう」
―魔王説明中。この時二人は黙ってサラの入れた茶をすすりながら真剣に聞いてました―
「つまり君達には『参加者が踏んだマスの効果』を指定して貰いたい。三人揃えばなんとやら、すばらしい案が生まれるだろう? その代わり、双六の状況をリアルタイムで見せてあげよう。Do-Dai?」
二人の前に手を差し出しちょっとアメリカンに聞いたアーガイル。その手の上に芦屋が手を差し出した。
「俺の彼女を好きに肥らせたり、美女を肉塊に出来る・・・ 断わる理由は無い。乗ったぜ、魔王の旦那」
芦屋の手の上にはゆっくりとハンゲルグの震える手が伸びる。
が、芦屋の手に乗った時は震えは止まっていた。
「・・・姫様が呪いにかかり少しずつ肥り往く姫を見て、私の中の何かが弾けました。・・・今までは抑えておりましたが・・・ 今日、己に素直になりましょう!」
三人の手が重なり、三人の気合いを入れる声が重なる。
部屋に響く男達の雄叫びをサラは小声で一言「シュール」と評した。
「・・・で、旦那。最後の一人なんだが、俺の回りに一人候補が居るんだが、そいつでも良いか?」
「ん? 誰かな? あまり他の世界から無理矢理人を連れてくるのは駄目なんだがな」
これは魔王達の回りにある取り決めで『むやみに他世界からの物の略奪、人の呼び出しを禁ずる』とあるためである。
魔王曰く「これがなければ米からウッハウッハなんだがねぇ」とか。
「『無理矢理』は駄目なんだろ? ・・・なら大丈夫だ。住所言うから魔法とやらで飛ばしてくれ」
「ほ〜う、良く分からんがまぁ良いだろう。座標を教えてくれ」
芦屋の近所の地図を広げ、二人で地図を見てその住所を探す。
ハンゲルグは特にする事が無く茶を飲んでいた。
「(いくら同じ性癖とは言え、あそこまで仲良くなるとは、彼は本当に人間なのだろうか・・・)」
そして若干失礼な事を考えていた。
「ふむ。君の家の近所だな。君の彼女以外は調べて無かったから知らなかったな」
「俺の周りには昔から特殊な奴ばかりでね。工場に萌えるやつとか、犬耳至上主義のやつとか、擬人化しか愛せない奴とか・・・」
「工場・・・ 燃えますが萌える事は無いですね、私は」
「犬耳はなかなか良いと思うがね。私はデブケモ(メス)も好きだからね。後、ガンダムの擬人化はなかなか可愛いよ。何故カプルやゾックやドムなんかの擬人化が肥ってないかツッコミたいがね」
「・・・ま、その幼馴染みも特殊なののひとつさ・・・ で、ワープ頼めるかい?」
「よろしい。結果に関係無く終わったら上を向いて私を呼びたまえ。回収するから」
「おう。頼むぜ、旦那」
突然芦屋の目の前に現れた魔法陣に「うおっ」っと多少驚きながらも入り慣れているかの如く入る芦屋を見て「・・・すごい男だ」とハンゲルグが言った時、芦屋の姿は無かった。
再び日本。由香の家からそう遠く無い二階建て、一階二階共に二部屋のちょっと古いアパート。
その二階奥の部屋が芦屋が一人で暮らす部屋である。
そしてその丁度下の階の住人、華鈴【かりん】が『候補』の人間である。
「〜♪」
華鈴本人曰く『軽く散らかった』足の踏み場も無い部屋。
その中でパソコンの前で鼻唄を歌いながらコントローラーを握る女が居た。
口にはポッキー、横には大コーラ、そして座椅子。
部屋にはエアコンとゲームするには最高の状態である。
「・・・お! ナイス援護! 流石は赤魔、前衛も後衛もこなせるねぇ〜♪ いやぁ、強い強い!」
立つと太股くらいまでありそうな黒髪超ロングヘアに『生まれつきある』らしいアホ毛。
身長は小学生くらい。顔に二重顎の出来かけたどこかデブと言うよりは幼児体型気味な女性である。
あきらかに幼児体型よりも太いが。
自分の顎を指でたぷたぷさせてニヤニヤしながら他人の操作を誉め、素早く自分は盾として前に出て戦う。
「あんまり前に出ると死ぬよ暗黒騎士さ〜ん? 攻撃力上がってる=死兆星が見えてるなんだからね〜って、ちょ! ラストリゾートすんな! タゲ取んな! 白魔ヘルプー! 暗黒騎士が特効するからケアルが足んない〜!」
やってるゲームは説明不要だろう。デカイ敵を相手に即席パーティーで奮闘している。華鈴はこのゲームの古参ナイトである。
「ふぅ、ハイ終わり〜♪ ベヒんもス討伐完りょ〜! 守りの指輪は〜・・・ ですよね〜・・・ せっかく出たのに〜」
メールで知り合いから誘われ知り合いの仲間達含む合計6人で討伐に行き、ベヒーモスを狩りつつ運よく出たら討伐する。
もはや慣れた作業である。出ない時が多いが。
「さ〜て、11ばっかりじゃなくてたまには違うゲームでもやろっかね〜♪ せっかく隣の大家も旅行でどっか行ってるし、ダンレボでも久々にやろっかな? ダンレボの専コンは肉が揺れる揺れる♪ んっふっふっ」
自分の腹を摘み、叩き、揺らし、横から両手で押さえる。
ぶにゅっと余った肉が前に出る。自分についたぜい肉をイジり、ちょっと悦になり始める。
「(またクフィム島でキングベヒーモス狩り)か・・・ 毎回聞くが、自分の肉触って楽しいか?」
「ア〜シャ〜、似たような趣味なのになんで分かんないかな〜、他人のが由香以外触れないから自分の肉を、ってアレ?珍しいねこんな時間に、学校は?」
突然後ろに居た芦屋にも驚かず、むしろ平日昼間にここに居ることを驚く華鈴。
普段から『勝手知ったる他人の家』とばかりにノックもせずに入る仲だからこそである。
「学校は・・・ まあ、フケた。お前は・・・ 普段通りだな」
「もち、のんびりネトゲだよ! また一緒にヴァナを旅しようよ〜♪」
「大分前に引退したしな・・・ まさか竜騎士があそこまで普通にされるとは思わなかったし。今までの不遇は何だったんだか・・・ ってももっかい育てんのはちょっと・・・」
華鈴はいわゆるニート・・・ とでも言うのだろうか? 本人は仕送以外でもあの手この手で稼いでいるらしい。
滅多に家から出る事もなく、普段はピチピチの肌シャツとジャージを食い込ませ、たまにパンツ一丁と言うアバウト過ぎる服装である。
「はぁ・・・ だから、一応ズボンは履けって・・・ 後シャツも変えろ。臭いし腹が出てる」
「この腹が気持ち良いんだって! それに、外に出る時はちゃんと服着るし、今は下着姿で良〜じゃん!」
「へいへい・・・ っと、ところで華鈴。ちょっと聞きたいんだが・・・」
「ん?」
長くなるのでさっさと本題に入る芦屋。
内容含めて双六についてを全て話し、参加してほしいと言う事を伝える。
「流石に無理かな」と言う芦屋の考えとは逆に、華鈴の目は輝いて居た。
「のった!」
「(まあ、信じるとは思ってたが) ・・・聞いて置いて何だが、本当に良いな? 下手したら肉塊だぞ?」
「ま、そんときはそんときで。それよりも他の女性が肥るってのが魅力的だよ!」
百合の気がある華鈴には自分の体型など些細な問題らしい。現実離れした話も既に完全に信用している。ひとつ溜め息を吐き上を見る芦屋。
「旦那、話はついた。そっちに転送頼むぜ」
すると部屋の角、唯一床が見える場所に魔法陣が出現した。
「これに入るぞ。多分気付いたらあっちだからな」
「夢にまで見たワープ装置・・・ wktkがとまらないよ・・・ っと、その前に着替えなきゃ!」
そして服を脱ぎ、乱雑に投げてある私服に着替え始める。芦屋の前で裸になるのも当たり前である。
ちょっと体型にあってないジーンズと大きめのTシャツに着替える華鈴。
「ラフだな。相変わらず」
「だって洒落た服とか嫌いだしさ・・・ よし、レッツゴーアシャー!」
自分の腹をパァンと叩き魔法陣に先に入る華鈴。後ろからやれやれと芦屋がついて行き部屋に誰も居なくなった時、人知れず魔法陣も消えたのだった。
―魔王の遺跡―
「おかえり芦屋君。中々良い娘を連れてきてくれたね、すばらしいよ、うん」
「・・・んあ? 着いてんのか。アレ、華鈴は?」
「彼女は既に『待機状態』にしてある。君達はここでのんびりと観戦したまえ」
「・・・あ、はい!」
「・・・あいよ」
「・・・さて準備は出来た。では諸君・・・ 開幕と行こう!」
双六編に続く
―― 『華鈴』を五人目の参加者に認定しました、初期パラメーターを記憶します ――
身長 142cm
体重 83kg
B 82cm
W 93cm
H 90cm
状態(初期) 太り気味。引きこもり気味。
状態(後) 常人の域では既に立派なデブだが本人と芦屋的には『ぽっちゃり』。
わざと小さめの服で肉を食い込ませており、
動くたびに服から余った肉がぷるぷると揺れていれる。
揺れる肉を体感するために音ゲーは専用コントローラーでやるのが基本。
後述のコスプレ服が着れる様にこの体型を維持している。
自分の身長ではこれくらいにしとかないとコスプレが楽しめない
(作る、注文するのが面倒になってくる為)。
追記(肥) 典型的オタク。1年前は体重35kg、B69W52H73。
運動神経は抜群だが面倒なので動かない。
高校に進学せずちょっと前まで仕送とバイトで稼いで暮らしていた。
今は完全に引きこもりだが内職+仕送+あの手この手で稼いでおり、バイト時代より稼いでいる。
芦屋、由香とは幼馴染み。昔から肥っていた由香の体を構って楽しんでいた。
が、高校に行かなかった為由香にあまり会えなくなり
「自分で肥ればいいじゃん!」と閃き引きこもりに。
中学では体育の授業のみ、以降はバイト以外動かなかったのがまったく動かなくなってしまった。
そしてあっと言う間に肥って行き、今では立派なデブとなった。
外出は買い物と遊びに行く時のみである。
趣味は自宅コスプレ。露出高いのや食い込むの限定。カメラ担当は芦屋。
今までのコスプレは『大道寺きら』『遊び人(DQ3)』『キャミィ』『綾波レイ』『リリス』『ライダー(fate)』『フェリシア』『クーラ・ダイアモンド』『このは』他・・・ 分かりませんかね?
この時取った写真は一枚を除いてその手の趣味の人に売っており、
手元に置いてある一枚は大事にアルバムに入れてある。
ひとつのコスプレで何枚か違うポーズで撮り、一枚500円、送料別で売っている。
芦屋のバイト代は写真+売れた数×100。
そして百合派。あんまり他の女性に近付き過ぎるとルパンダイブしたくなるとか。
学校に行かなかった理由のひとつ。ただし、この理由は一割くらいで後は『面倒だから』である。
――以上、保存完了しました。もう少し詳しい情報が欲しい場合は普通に質問して下さい――
――全プレイヤーの登録を完了しました。システム起動、プレイヤーのステータス変化を常に表示、保存します――