伝助の妄想劇場4

伝助の妄想劇場・キョウコ編

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#エイケン

 

 今日も部室に向う伝助、しかし、最近奇妙な感じがする。
 何のために部室に向うのか、少々疑問を感じ出す。

 

(何のために…… 部室に行くんだっけ?)

 

 そうやって考えていると、なにやら機会音が聞こえてくる。

 

「ん? ああ、あなたか」

 

 一人乗り極地仕様ロボ『グスタヴ・ツヴァイン』に乗ったキョウコが伝助の目の前に現れた。

 

「ちょうどいい、新しい実験の実験台になってもらいます」

 

 そう言って、いきなりグスタヴで伝助を掴み、持ち上げる。

 

「え、ちょ、ちょっとまってよキョウコちゃん!!!」

 

 わしづかみ状態で移動するなか、京子を見て伝助は思う。
 中学生にしては小柄すぎるからだ。
 ユリコと同じ歳のはずなのにここまで違うのもすごいものだ。
 といっても、ユリコが極端な肥満体なだけだが、
 今日、見かけたら階段でぜいぜいといって昇っていた。
 まあ、一段上るたびにお腹に足が当たって、足でお腹を持ち上げてるようなものだ。

 

 最近、学校の椅子が壊れる数が増えているらしい。
 それはそうだ。学校の女子の半分は100キロを超えている子ばかりだ。
 おかげですれ違うたびにどこかの肉に触れている気がする。
 まあ、初等部にいるコモエなど、移動するたびに教室を破壊し、
 廊下に汗の道をつくりだしている。 

 

 そういえば、最近、グスタヴから下りた姿を見た記憶がない。
 何で下りないのだろうとじっとコックピットを見る。
 ゆったりとした白衣の下にぽっこりとしたお腹が服を押し上げている。

 

 うん、いつもと変わりようはない。

 

55・45・60 → 58・70・60

 

 

『おや、また会ったね』

 

 グスタヴにつかまれて移動する最中、伝助はあの男子生徒とであった。

 

「あ、どうも」
『これはまた…… 情けない姿だな』

 

 そんな伝助の姿を見て、男子生徒は苦笑いしている。

 

「…… 誰ですか?」
 沈黙していたキョウコが男子生徒に口を挟む。
『だれって…… この学校の生徒だよ、まあ、有名人に名乗るほどのものではないから……』
「そんなはずがない、この学校の生徒、教員、全員のデータ…… といっても、一人を除きますが、
 全員のデータを持っていますが、今検索しても、あなたのデータは存在しません」

 

そう断言するキョウコに伝助は困惑する。

 

「キョウコちゃん、そんなことはないって、僕だって何回かあってるし、
 そんな言い方は無いと……」

 

 伝助の言葉が途切れる。

 

『まったく、キリカも不安要素だったが、まさか君もか……
 幸いアッチはまだ大丈夫だからいいけど、君はまずいな』

 

 男子生徒は無表情のまま、キョウコを見つめる。
 あまりにも表情が無く、あまりにも不気味にたたずむ男子生徒を見て、
思わず持ち上げていた伝助を手放し、構える。

 

『そんなに身構えなくてもナニモシナイさ、まあ、ソッチが仕掛けてくるなら別だが……
 なあ、伝助くん?』

 

 男子生徒が伝助に向けて声をかけたと同時に、ぐったりとしていた伝助が立ち上がり、
 男子生徒の隣に歩み寄る。

 

「そうだよ…… キョウコちゃん?」
 振り返り、キョウコを見た伝助の顔には…… 狂気という言葉がぴったりな顔をしていた。

 

「な……」
『なあ、伝助くん、彼女は何でそのロボットから降りないんだい?』

 

 男子生徒の問いかけがキョウコに恐怖を与える。

 

「だって、キョウコちゃん、グスタヴのコックピットの中にお菓子のくずとか、
 ごみがイッパイ落ちてて、見られたくないもんね?」
(何を…… 言っているんだ? そんなわけが無い……)

 

 突拍子の無い伝助の答えを心の中で否定していると、
 自分の足元でカサっと何かがつぶれる音がした。

 

「!!!」

 

 キョウコが足元を見ると、お菓子のごみが落ちている。

 

『そんなにお菓子を食べるのか? あの子は』

 

 問いかけが続く。

 

「ええ、放っておいたらどんどん食べるんですよ、尋常じゃないくらいだし、
 指先や口元にカスをイッパイつけてるんですよ?」

 

 コックピットの足元には大量のお菓子のごみが転がっている。
 なぜか、尋常じゃない満腹感に襲われる。
 指先がどこと無く脂っぽいし、口元に手を当てると、カスが付着している。

 

「な、そんなわけ無い!! 自分は……」
『へーじゃあ、そんなに食べてて、運動しないのって絶対太るよね?』

 

 キョウコの言葉をさえぎるように、男子生徒の新しい問いかけが始まった。

 

「ええ、この間見たときなんて、僕より小さいのに、どう見ても僕より重そうなんですよ……
 ねえ? キョウコちゃん」
(何を…… 何を言っている!!!)

 

 ポッコリしているお腹が、音を立てて太っていく。
 狭い洋服をはじき出し、自己主張するかのようにせりでたお腹が顔を出す。

 

「なぁ!!!!」

 

 動揺してお腹をつまむとやわらかく、弾力があるブヨブヨした自分の贅肉が震える。

 

「いつもいつもコックピットで足が窮屈そうですし、短い足の割りに太いですからね」

 

 ごみに触れないように少しあげていた足の負担が増える。
 見てみると足の太さが眼で分かるほどの速度で太くなっていく。
 さらに足の長さが押しつぶしたように、径を増やす分短くなる。

 

『あはは、短足チビデブか救いが無いな』
「ええ、それがばれたくないからコックピットから降りないんですよ、
 まあ、下りなくても分かるのに」

 

 そんなわけ無い。そんなことは無い。嘘だ!! そんなのは伝助の妄想だ!! 
 声を大にして言いたいのに、それ所ではない。
 レバーを握っている指が太くなる。
 腕がすそに食い込んでしまい、括れができてしまう。
 シートを占領するお尻の割合が増えてくる。
 お腹がコントロールユニットに当たり、冷たさを感じてしまう。
 しゃべろうと口を動かすが、顎の、頬の肉がズズズと増えて圧迫される。
 でも、胸だけはただ周辺に脂肪が纏われるだけで、アンダーバストが増えているだけだ。

 

 廊下に置かれた鏡を見たキョウコは我を忘れてしまう。
 ロボットに乗った豚のように肥えた自分がそこに居た。

 

58・70・60→ 80・99・80

 

 

『あはは、醜いね、諸岡キョウコ、なあ、伝助くん、彼女は豚だな。食べ続ける豚だよね?』
「ええ、四六時中、お菓子を食べていないと居られない豚ですよ、」

 

 空腹が体を襲う。
 自分の意思とは関係なく、お菓子を掴み、口に運んでいく。鼻が脂肪でふくらむ。
 いくら食べてもお菓子は存在し、いくら食べても満腹にならない……

 

(こんなの…… 自分は…… 違う……)

 

 食欲に支配されそうな意識の中、キョウコは必死に訴える。

 

『でも、お菓子ばっかりなの?』
「ちがいますよ、見てください。
 グスタヴの背中にあるバックパックはあま〜〜〜い生クリームが詰まってるんですよ」

 

 グスタヴの背中からチューブが伸び、キョウコの口元に近寄る。
 甘い匂いに誘惑され、そのチューブを口に咥えた。
 吸わなくても生クリームが口の中に流れ込む。

 

「こんな…… ゴブ…… ちが……う」

 

 生クリームを飲みながら、お菓子を食べながら、必死に今の自分の姿を否定するキョウコ

 

「なに言ってるの? きょうこちゃん キョウコちゃんは始めから豚だったよ?
 はじめてであったときからず〜〜〜と食べ続けて、太ってる」

 

 体中に圧迫感に包み込まれる。
 コックピットの中で体が一気に肥えていく。
 出会ってから今までずっと食べ続け、太り続けていたことを事実とするように。

 

「だって、グスタヴから下りないんじゃ無くて、下りれないんでしょ?
 もう太りすぎて狭く窮屈なコックピットにはまって動けないんでしょ?」
『あはは、もう、体の一部だな、そのロボットは……』

 

 しゃべれない…… 口の中に常にお菓子が入っていて、食べていて、飲んでいる。

 

80・99・80→ 90・180・200

 

 

 ブヨブヨで張り詰めたお腹がコックピットにめり込み、
 全身の肉がグスタヴのボディと一体化したかのように膨れ上がる。
 お菓子のカスと、よだれが付いた顎が、頬が振るえ、眼にはもはや光が無い。
 つまめばもう掴みきれないほどの弾力のお尻にぶっとい足はコックピットで拘束されている。

 

『ふふふ、かわいそうだから面白いもの見せてあげようか?』

 

 そう言って男子生徒は一枚の写真を取り出した。
 それはエイケンヴのメンバーがみんなで取った記念撮影のものだ。

 

「見れば分かるけど、あの巨漢デブの東雲姉妹もコモエもみんなこんなにかわいかったんだ、
 そう、3日前までね」

 

 写真に写る3人も、自分もすっとやせている。

 

『まあ、ここにいる彼が全部悪いのさ、俺は…… いや、僕は何もしていない。
 全部彼がそう思ったからそうなった』

 

 段々と意識が薄れていくのをキョウコは感じ取った。

 

『なあ、伝助くん、君も、彼女も今の事を覚えていないよね?』
「ええ、次に気がつけば忘れてますよ、どうせ、こんな妄想は」

 

 その言葉を聞き、男子生徒は笑う。そして、二人の意識が無くなった。
 伝助が眼を覚ますと、グフタヴに握られていた。

 

「あれ? どうして……」
「私の…… 実験…… に…… 協力…… してもらう…… ためです」

 

 グフタヴのコックピットに座る? 
 いや、コックピットイッパイに広がる肉塊のキョウコがお菓子を食べながら、言い放つ。

 

「キョウコちゃん、なんの実験?」

 

 コックピットの中で圧迫されているのか、苦しそうにするキョウコに
 心配そうな表情で伝助は尋ねた。

 

「グスタヴの改造…… です…… でないと、もう自分は操縦が殆どできなくなりますから」

 

 その言葉と同時にグスタヴのコックピットに亀裂が入り、砕ける。
 相当な内圧がかかっていたのか、ハジケ飛ぶ破片にあたりながら伝助はキョウコの姿を見た。
 短くて太い足を開き、腹の肉でしまらない股を開け放ち、
 しりもちをついて身動きが取れないキョウコ。
 スライムのように広がる彼女の体に目立つまるで五つ子でも妊娠しているかのように
 膨れ上がった腹。まるで、ピラミッドだ。ぶっとい足にはちきれんばかりの腹、
 そのままなだらかに斜線となっている胸。
 そして、肥えて、お菓子のカスが付いたブクブクと豚と見間違うほどの顔。
 こうなると移動させることができない。
 仕方なく伝助は携帯電話を取り出し、キョウコの母へと電話をかけた。

 

 娘さんがまた身動きが取れなくなりましたと、告げるため。
 グスタヴアインをお願いしますと、言うため。

 

  90・180・200→100・600・800 身長138→130センチ(座ると160センチ)

 

 

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