710氏その2

710氏その2

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/一階・宿直室を探す

 

カポ、カポ、と、暗闇に包まれた館の中に、どこか間の抜けた蹄の音が響く。
それに合わせるかのように、ぴちゃ、ぴちゃ、と言う、水滴が滴る音も、僅かながらに鳴り響き。
その音の源である、ランジェは…苦しさからではなく、どこか恍惚とした表情で
甘く息を漏らしていた。
良く見れば、ランジェの口元は白い液体で濡れており…そして、
ベビー服に包まれた、ぽんと突きだした三段腹にのっかかっている乳房の先からも、
白い…母乳が、腹肉を伝いながら、床へと滴っているのが判る。
しかも、乳房は母乳だけではなく… そう、どこか人の口の形にぬれていて。

 

「ん、はぁ…っ、ぁ… がま、ん… 我慢しない、と…っ、んひっ、ぁ…っ♪」

 

何処か虚ろに視線を彷徨わせながら、ランジェはそう呟くと頭を左右に振り。
その動きに合わせるかのように、腹肉と、尻肉… そして、
一際巨大な乳房がたぷんたぷんと波打ち、母乳の飛沫を撒き散らし…
ランジェは、彼女らしからぬ… 雌の声を、あげた。
そして、その瞬間…我慢の限界と言ったように、ランジェは自分の乳房を、
たぷつく両腕で掻き抱くと、はしたない音をさせながら夢中になって吸いつき始める。
口の端から母乳を零し、自身の母乳を貪る様に吸いながら…
ランジェは甘い快感に身を焦がし、そして贅肉に塗れた身体を揺する様に、
たぷんたぷんと波打たせた。

 

「ん、じゅるぅ…っ、んむっ、ん…っ♪」

 

身体を波打たせるたびに、自身の情けなさに何処か陶酔するかのようにランジェは表情を緩ませて…
母乳を啜りながら、喘ぐ。
ベビー服から飛び出した尻尾は千切れんばかりに左右に振れて、
ランジェの感情を如実に表していた。

 

「ん、じゅる…っ、ぅ… ぁ… あ、あぁ…」

 

そうしてひとしきり母乳を吸い続けて…
不意にランジェの表情に正気が戻ると、ランジェは慌てるように、乳房から手を離し…
そして、口元を拭う。
袖に付く、甘ったるい香りのする液体に… ランジェは顔を青くして。
そして、正気を保とうとするかのように頭を振ると、また蹄を鳴らしながら、歩き始めた。

 

歩くたびにランジェの身体はたぷんたぷんと波打ち、甘い声を漏らして…
そして乳房からも母乳が溢れだす。
乳房からだけではなく、最早身体が贅肉に塗れてる事さえ快感になり始めている事に、
ランジェは薄々気付き始めていた。

 

「…っ、ダメだ、このままじゃ…っ、少し、落ち着かない、と… 本当に… おかしく、なる…」

 

快楽に流れようとする頭を必死に抑えつけながら、ランジェは…
すぐ近くにあった部屋に駆け込むように入ると、床にどすん、と座り込んだ。

 

「…っ、はぁ、は、ぁ… あ、ひぁ… ん…♪」

 

座り込んだ時の衝撃にさえ、体は敏感に反応し… しっかりと意識を保たないと、
今にも乳房を抱いてしまいそうな程だったが、ランジェは甘い声を漏らしながらも、
必死に自分を保ち。
そして、ひんやりとした床の冷たさで、火照った体を覚ましながら…
次第に、息も落ち着き始めて。
漸く人心地ついたのか、冷静になったランジェが周囲を見回すと…
そこは、まるで洋館の中にあるとは思えない光景だった。
木製の洋館の一室の筈なのに、床は冷たい、つるりとした白い石が敷き詰められていて…
部屋の奥には、こじんまりとしたベッドが配置されている。
そして何より、そこは先程までとは打って変わって、光に包まれていた。
ランジェが天井を見上げると、そこには白く光りを放つ、細長い何かが有り…
それを見た瞬間、ランジェは再び顔を青ざめさせる。

 

「…っ、また… 何か、起こるのか…?」

 

身体を怯えに竦ませながら、ランジェは恐る恐る立ちあがり…
カポ、カポと部屋を歩きながら、周囲を探り始めた。
…しかし、10分経っても、何分経っても部屋に変化はなく… ランジェは不審そうに首を捻る。

 

「…おかしいな… 宿直室には、何もないのか…?」

 

ランジェは意識もせずに、知り得る筈もないこの部屋の名前を呟きながら…
そして、椅子にそっと腰掛けた。
ミシ、と軋む椅子にドキっとしながらも、尻肉を椅子から左右にはみ出させながら座り、
そして机の肘を付くと、息を吐く。

 

「…しかし、すっかり夜も更けてしまったな… 私は… あれ、私は何で、こんな所に…?」

 

…ランジェはそう呟くと、首を捻った。
何かを忘れている気がする… 何か、とても大事な事を忘れている気が、する、と…
頭の中で疑念を持ちながらも、それが何なのか、深い霧に包まれているかのように、
見えそうで見えてこない。
そう、気付かぬ内にランジェは、この部屋の罠に完全にはめられてしまっていたのだ。
今までのように目に見えるものではなく、思考に直接作用するそれは、最早どうする事も出来ずに…
ランジェは唯、これから起こる事を予想する事さえできずに、受ける事になる。
そんな自分の悲惨な状況など露知らず、ランジェは部屋にある本を取ると、もくもくと読み始め…
そして飽きた、と言うかのように直ぐに机の上に置き… 不意に見えた、自分の身体を抓んだ。

 

「ん、ぁ… ぅ… いい加減、なんとかしないとな… うぅ…」

 

自分の贅肉に塗れ… そして、巨人族ですら無くなった身体を恥じるかのように顔を赤らめると、
ランジェはため息を吐く。
その原因は自分に無い、という事さえ忘れてしまっているのか、自分の不摂生を恥じて…
そして、体から手を離した。
そんなランジェの居る宿直室に、唐突にノックの音が響く。

 

「ランジェ先生、ランジェ先生。まだ起きてますか?」
「ん… ああ、どうぞ」

 

先生、と呼ばれたにも関わらず、ランジェはそれが当然と言うかのように受け答えて。
扉の向こうで僅かに含み笑いが起きた事など、気付く事さえなく、来訪者を部屋に招き入れた。
ガチャ、と扉が開くとそこには…教師の姿をした、エヴァンジェの姿が有った。

 

「おお、エヴァンジェ先生じゃないか… どうしたんだ、こんな夜更けに?」
「ええ、校長先生から通達がありまして… 今度、教師全体で学力テストをするそうですから、その連絡を、と」

 

エヴァンジェの言葉に、ランジェは思わず顔を顰める。
…ランジェは学力テスト、という言葉も、校長先生が誰なのかも知らないのに…
その言葉自体を不審がる事もなく受け入れていた。
そうして、エヴァンジェが机の上に書類を載せると、不思議そうに首を傾げる。

 

「エヴァンジェ先生、これは?」
「私の作った問題です… ほら、やっぱりランジェ先生にも良い点を取ってほしいですから♪」

 

クス、と悪戯っぽく笑みを零すエヴァンジェに、ランジェは思わずきょとんとして…
そして、同じように笑みを零した。
そんなランジェの様子に、エヴァンジェは内心でガッツポーズを取り… そして、口を開く。

 

「今回のテストの要点を纏めたプリントです… 良かったら、今からやってみませんか?
ほら、今なら丁度私もいますし… それに、ランジェ先生も暇だったでしょう?」
「ん… そうだな、時間を持て余していたし… それじゃあ、宜しく頼む」

 

エヴァンジェの提案に、ランジェは何も疑う事もなく頷いて。
そして、エヴァンジェは網にかかった獲物を弄ぶかのように、歪んだ笑みを浮かべ…
ランジェの前に、座った。

 

カリカリ、とペンを走らす音が宿直室に響く。
エヴァンジェはプリントを解くランジェを見つめながら、ニヤニヤと頬を緩ませていて。
ランジェはそんなエヴァンジェの様子になど気付く事もなく、プリントを解く事に集中していた。
そうして暫く経ち… ペンを走らせる音だけが響いていた宿直室に、エヴァンジェの声が響く。

 

「はい、それじゃあそこまでです… 採点しますね?」
「ん… ああ、頼む… テストなんて本当に久しぶりだ…」

 

疲れた、とでも言いたげなランジェにエヴァンジェは苦笑しながら…
そして、プリントを採点し始める。
…そして、終わった事で身体を弛緩させ…腹と乳房を机に乗せながら
ぐったりとしているランジェに、エヴァンジェはため息をついた。

 

「…あの、ランジェ先生… これ、真面目にやりました?」
「え… あ、ああ… 一応、真面目にやったつもり、だが…」

 

ランジェのその言葉にエヴァンジェはやれやれ、と言ったように頭を振り… そして、口を開く。

 

「…100点満点中、9点です。こんなに酷い点を取るなんて、ある意味芸術ですよ?」
「な…っ、きゅ、9点!?」

 

その言葉に驚いたかのように、ランジェは跳ね起きて…
身体をたぷたぷと波打たせながら、信じられない、といった表情をエヴァンジェに向けた。
そんなランジェの様子にエヴァンジェは内心ほくそ笑みながら…
溜息をつき、新しいプリントをランジェの前に差し出す。

 

「仕方ないですね… 今回の課程は18歳向けだったんですが…
それじゃあ、今度は13歳向けの問題をやってみてくれませんか?」
「…あ、ああ… 判った…」

 

まだ信じられないのか、少し呆然としながらも…
ランジェは、渡されたプリントを黙々と解き始めた。
…因みに、エヴァンジェの持っていたプリントには… もう、何も書かれては居なかった。
まるで、初めから何も書いていなかったかのように… シミ一つない、白紙。
実際にはほとんど正解が書き入れられていたにも関わらず、それさえも残らずに…
ランジェは、今のプリントを解くのに必死になっていた。
本来のランジェならばスラスラ解ける筈のその問題は、何故かとく事が出来ずに…
ランジェは数問ごとに頭を悩ませながら、描き進めていく。

 

そうして漸く終わったのか、ペンを机に置くと…
エヴァンジェはそのプリントを手に取り、採点の真似事を始めて。
そんなエヴァンジェの様子をランジェは不安げに見ながら… 身体をもじもじと揺すっていた。

 

「…100点満点中、12点… ランジェ先生、幾らなんでもこれはひどいですね…
生徒がやってる問題も解けてないじゃないですか…?」
「そ、そんな… そんな、馬鹿な事…」

 

落胆したかのように言葉を漏らすエヴァンジェに、
ランジェは信じられないと言うかのように首を振り…
そんなランジェに、エヴァンジェは耳元でそっと囁く。

 

「…これはもう、先生も一回生徒から… 子供たちに混じってやり直すべきですかね…?」
「そ、それは… それだけは、勘弁してくれ…っ、そんな事、出来ない…!」

 

子供たちに混じって、肥満体である大人の自分が一緒に授業を受けているのを想像したのか、
ランジェは必死に、懇願するようにエヴァンジェに縋りついて。
そんなランジェの様子に震えながら、エヴァンジェは口元を歪め… さらに、言葉を紡いだ。

 

「それじゃあ、このプリントならどうですか… これなら流石のランジェでも、解けるでしょう?」
「え… あ、ぅ…」
「さあ、テスト開始ですよ?」

 

口籠るランジェに、エヴァンジェは冷たくそう言うと… ランジェは慌ててプリントに向き直った。
そこに書かれているのは、幼い子供がやるような… 単純な足し算や引き算、掛け算や割り算に、
ごくごく基本的な字の書き方の問題で。
しかし、ランジェは… 足し算や引き算はかろうじて解けても… 掛け算や割り算、
それどころか書く文字までもが、まるで子供のような大きく、稚拙な文字に変わり始めていた。
枠の中に字は収まらず、よれよれになった線を必死に描き直しながら…
次第に、ペンを握る様に持ち始めて。
そうこうするうちに時間が過ぎたのか、エヴァンジェは再びプリントを取り上げた。
そこに書かれているのは… 間違いだらけの解答と、そして幼稚な文字だけで…
エヴァンジェは思わず笑いながら、ランジェに話しかけた。

 

「あーあ、全然駄目ですねー… もう、幼稚園からやり直した方がいいかもしれないですよ?」
「あ… あ、あぅ… そんなこと、ない… そんなことない、わたし、わたし…
ちゃんとできる!せんせいできる!!」

 

エヴァンジェの言葉に、ランジェはまるで子供のように、反論にもなっていない反論を叫んで。
机を叩きながら、全身を揺らし… 喚き始めた。

 

「そう? でも今のは幼い子でもできちゃう様な問題なんですよ?」
「わたしだってできる! ちゃんとできるもん!!」
「でも実際出来なかったじゃないですか…
もう、栄養が全部身体にいっちゃってるんじゃないですか…?」
「ん、ぁ… やあぁ…っ!」

 

クスクスと、小馬鹿にするようにランジェを嘲ると、エヴァンジェはむにぃ、と腹肉を摘み…
ランジェは思わず甘い声を漏らしながら、悶えて。
楽しそうに、腹肉だけではなく乳房も、太腿も、腕も…
そして、顔もぷにぷにと撫でまわし始めた。

 

「ほら、こんなにたぷんたぷんして… ふふ、ランジェは、
全部脂肪にいっちゃってるんですよ、きっと…♪」
「ち、ちがう…っ、ちがう、もん… そんなこと、ないもん…っ、んはあぁ…っ♪」

 

駄々をこねるように否定するランジェに、エヴァンジェはほくそ笑みながら…
たぷんたぷんと、ランジェの身体を波打たせて。
それだけでランジェは、肉を揺らす快感に溺れながら母乳を机に撒き散らし、喘いだ。

 

「ほーら、ランジェの脳みそがどんどん出ちゃってますよ〜♪」
「や、ぁ… だめぇ、だしちゃだめなのぉ…っ、んもおぉぉ♪」

 

エヴァンジェの言葉を信じるかのように、ランジェの口調からは知性がどんどん失われていって…
その様子に満足したかのように、エヴァンジェはランジェの耳元で囁いた。

 

「…これで、貴方の心はもう強くもなんともない、ただの子供… 戦士でもなんでもない、
ただの子供…♪ 後少しで…私が守ってあげられる、ランジェになるわ… これは、おまけよ♪」

 

何処か恍惚とした様子のその言葉を、知性を殆ど失い、快楽におぼれているランジェは…
ただ、意味のない言葉として聞いて。
身体を包む布の感触が変わるのさえも、気付かずに… ランジェはゆっくりと、意識を手放した。

 

 

/宿直室

 

「…ん、ぁ…?」

 

床の冷たさに、ランジェは目を開く。
気付けば、そこは暗闇に包まれた洋館の一角だった。
ランジェはそこに、いつの間にか座り込み… そして、壁に背を預けながら、寝ていたらしい。

 

「…そ、だ… しょうねん、さがさないと…」

 

たどたどしく、どこか幼さを言葉に混じらせながら、ランジェは立ち上がると…
違和感に、首を傾げる。
そして、下を見れば… そこには、先程までのベビー服ではなく…
まるで人形に着せるような、ピンクのフリフリとした服に包まれた、ランジェの姿があった。

 

「な、なにこれ!? こ、こんなのぬがなきゃ…」

 

慌てたように服を脱ごうとするランジェだが…当然の如く、服は脱げるはずもなく。
暫く苦闘していたものの、諦めたかのように息をつくと…
甘い声をもらしながら、乳房をゆっくりと抱え、口に含んだ。

 

「ん… んく… じゅる…おい、ひ… みるくのんで、おちつかなきゃ…♪」

 

ゴキュゴキュと、喉を鳴らしながら自分の母乳を貪る様に飲むランジェに、
最早知性という言葉はなく。
ただ、快楽の赴くままに… 自分の乳房も心行くまで吸いながら…
腹を、下半身を… そして、乳房までもを膨らませて。

 

「…けぷ… ん… それじゃあ、しょうねんをさがさないと…」

 

口元を母乳で汚しながら、ゲップをすると… 知性を失いながらも、それだけは忘れないのか、
ランジェは再び… フリルと体を揺らしながら、蹄を鳴らし、歩き始めた。

 

 

/ステータス変化
・パルヴァ=ランジェ(種族・牛人族)
年齢:25歳
身長:215cm
体重:185kg
3サイズ:187・180・193
装備:呪いのベビー服・紙オムツ・カウベル・ミノタウロスの鼻輪
備考:母乳体質+定期的に母乳を接種しないと耐えられなくなった為、継続的な体重増加。

・パルヴァ=ランジェ(種族・牛人族)
年齢:25歳
身長:215cm
体重:197kg
3サイズ:190・187・200
装備:呪いのフリルドレス・紙オムツ・カウベル・ミノタウロスの鼻輪
備考:知性が幼稚園児〜小学生程度まで退行。

    快楽を耐える、という発想さえなくなり、母乳中毒度が著しく上昇。
    知性の退行に伴い、戦闘技術の全てを忘れてしまった。

 

 

A:一階・大広間を探す(変化系)
B:一階・ダンスホールを探す(変化系(鬼畜))
C:家畜小屋を探す(変化系(鬼畜))
D:二階・遊戯室を探す(精神・肉体変化)

 

 

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