710氏その3

710氏その3

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/room 1st・ナツメグ

 

うーん、何となくきたこの部屋だけど、何だか楽しくなってきたなぁ♪
綺麗なおねーさんに、きつそうなおねーさんに、大きなおねーさんに、普通のおねーさん。
どれもみんな良い人みたいだし、からかいがいもありそうだし…♪

 

「さて、それじゃあ先ずはこの部屋から出ますわよ? 取りあえず、扉は一つしかないし…
まあ、私が開けますから貴女方はそこで見てると良いですわ」
「あ、はい… お願いします、ティラミスさん」
「気をつけろよ、ティラミス… 仕掛けがあるとか言ってたからな」
「危なくなったらすぐに扉から離れるのよ?」

 

ボクがそんな事を考えてると、いつの間にかティラミスが扉に近付いて、
恐る恐る空けようとしてた…
そうだ、まずは手はじめに…っと♪

 

「…それじゃあ、行きますわよ…」

 

ガチャ、とティラミスが扉を開けた瞬間…
ボクは、ぴゅーっと、勢いをつけて部屋の中に飛び込んだ。
そうして、あ、って顔をしてるティラミスに笑いながら、指をさして。

 

「いっちばんのり〜♪」
「ちょ、ちょっと! もう、もし何かあったらどうするのよ、ナツメ…」

 

…で、次の瞬間… 扉が勢いよく閉まって。
ガチャン、って音と一緒に、ティラミスの声が途切れちゃった。

 

「…って、え?」
「な…っ、鍵がかかって開かない…っ!?」
「そこをどいてくれ、ティラミス! 私がこじ開ける!!」

 

ドォン、ドォン、ってまるで大砲のような音が向こうの部屋から響いてくるけど、
ドアは全然開かない。
っていうか、これ…ひょっとして、閉じ込められちゃった?絶体絶命?

 

「ちょ…っ、ちょ、ちょっと冗談じゃないよー!!
幾らなんでもいきなりそんなトラップとかありえないでしょー!?」

 

喚いても、ドアは全然空く気配が無くて…
多分ランジェさんが向こうで体当たりしてるんだろうけど、ドアは壊れる気配もなくて。
最悪の事態を想像して、青ざめてたボクを更に追い打ちするみたいに…
天井から、変な白いガスが噴き出し始めた。

 

「わ…っ、わあああああっ!?」
「ナツメグ!? どうしたの、ナツメグ、返事なさいっ!!」
「けむりが、煙がきてるんだよぉぉぉっ!!」

 

扉の向こうのティラミスの声に、ボクは必死に答えて…
その間にも、煙は部屋を包むような勢いで噴き出してくる。
…嘘、まさかボクの人生これで終了?

 

「…落ち着いて、ナツメグ。その部屋に何処か出口はない?」

 

そんなボクの耳に、突然… 冷静な、エヴァンジェの声が聞こえてきた。
そうだ、そういえばパニックになってばかりですっかりそれを忘れてた!
周囲を飛び回ってみると… 良く見れば、扉と反対側の壁に穴がある… そこに入れば!
煙を吸い込む事になるかもしれないけど、少しならきっと大丈夫なはずだし…
そう思ったボクは、迷うことなく一直線に、穴に飛び込んだ。
どうやら穴は隣の部屋に通じていたらしく、ボクは床にぶつかる様に、勢いよく滑り込んで。
息を切らせながら、振り返ると…いつの間にか、ボクが飛び込んできた穴は無くなってて、
その代りにさっきの部屋で見たようなドアが置かれてた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ… た、たすかったぁ〜…?」

 

ほっと一息ついて、胸をなでおろすボクの手に、ぶにょって、なんだか妙に柔らかいモノが触れる。
何となく気になって見下ろしてみると…そこには、なんだか見慣れないものがあった。
…あれ、何で… ボクのお腹、膨らんでるんだろ?

 

「え…え、えぇっ!?」

 

って何これ、お腹がどんどん膨らんで… っていうか、ボクの腕も、足も、膨らんできてる!?

 

「わ、わ、わ…っ、うわああああぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

/room 1st・佐藤 奈美

 

『わ、わ、わ…っ、うわああああぁぁぁぁぁぁっ!!?』
「え… ナツメグさんっ!?」
「退け、ティラミス、ナミ!」

 

悲鳴も何も聞こえなくなった隣の部屋から、突然ナツメグさんの声が聞こえてきました。
他の3人にも聞こえたのか、ランジェさんは力強く体当たりをして…
すると、先程まではびくともしなかったはずの扉は、いともたやすく開いてしまいます。
中にはナツメグさんの言っていたような煙は影も形もなく…
そして、部屋の真ん中には、何かが転がっていました。

 

「…あ、アレってもしかして… ナツメグですの!? ナツメグ、しっかりなさい、ナツメグ!!」
「…あ、あぅぅ〜…」

 

我先に、とティラミスさんは心配そうに、部屋の中央に転がっていた何かの駆け寄って…
そして、拾い上げて。
私とランジェさん、それにエヴァンジェさんもそれに続くように、
ティラミスさんの拾い上げたモノを見て…
思わず、言葉を失ってしまいました。

 

「…え… ナツメグさん、ですよね?」
「う〜… そうだよぉ… あ、あんまり見ないでよぉ…」
「これまた… 随分なトラップもあった物だな…」
「悪趣味なんてレベルじゃありませんわ… もし私が入ってたら、と思うと…うぅっ」

 

思わず言葉を漏らす私とランジェさんに、まだ言葉を失ったままのエヴァンジェさん、
そして背筋を震わせるティラミスさん。…ティラミスさんの手に乗せられたナツメグさんは…
そう、まるで風船のように、まんまるに膨らんでしまっていました。
それも空気を噴きいれたようにではなく、まるで脂肪をぎゅうぎゅうと詰め込まれたかのように、
柔らかそうに。

 

「…あ、でも何だか気持ちいいですわね、これ」
「本当ね、何だか温かいゴムまりを触ってるみたい」
「ひゃぅっ! ちょ、ちょっと、ボクであそばないでぇ〜っ!?」

 

ぷにぷに、むにむにと思い思いの感想を述べながら、エヴァンジェさんとティラミスさんは
ナツメグさんの身体をつついたり、触ったりしていました。
それにつられて、私も思わず… ちょっと、ナツメグさんに触れてしまいます。
…あ、なんだか… おっぱい、触ってみるみたいで… どきどきする…

 

「う〜… もう、ティラミスに持たれると危ないから、ボク、ナミにもってもらう!」
「あ… あら、御免なさいね、ナツメグ… 余りにさわり心地が良くて、つい… 許して下さいまし」
「ふふ、そんなに拗ねないの、ナツメグ」
「…いや、流石に今のは二人が悪いだろう… なあ、ナミ?」
「え… は、はい…」

 

そんな事をおもってると、ナツメグさんはまんまるな身体を、重たげにぷかぷか浮かせながら…
私の手に、納まる様に乗ってしまいました。
そんなナツメグさんに、ティラミスさんは申し訳なさそうに謝って…
私は、どこか役得感を感じながら、ナツメグさんの感触を、両手で楽しんでいました。

 

 

/ステータス変化
・ナツメグ
 種族:妖精
 年齢:不詳(覚えてない)
 身長:30cm
 体重:2kg
 3サイズ:ボンボンボン。球体っぽい。
 備考:悪戯好きな妖精。
    肥満化ガスを吸いこんでしまい、まんまるに膨らんだ肥満体形に。
    短距離ならば飛行も可能だが、非常に疲れる為、奈美の手の上にのっている。
    因みに触れると凄く気持ちいい。

 

 

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