魔王の愉悦と、王女の…
「…セフィリア、しゃま…」
「あ…あ、ぁ…っ、き、気に… なさらないで、下さい… おねがい、します… どうか…」
如何に気丈なセフィリアと言えども、3人の前で醜態を晒した事と、
今の自分の身体にショックなのか…
アーリアの心配そうな声に、そう返したきり俯いて、無言になってしまった。
パージャとニーナはアーリアに触れると、首を横に振る。
…アーリアも、これ以上言葉をかけても駄目だ、と悟ったのか、
サイコロを掴むと自分の不甲斐無さからくる怒りをぶつけるように、地面に叩きつけた。
サイコロは天井と床で何度もバウンドし… そして、唐突に、地面にくっついたかのように止まる。
「…6… まっててくだしゃい、セフィリアしゃま…
しゅぐに、こんなあくしゅみなもの、おわらしぇましゅから…っ!」
そう言いながら、アーリアは自分のコマまでまっすぐに、止まる事なく突き進んで。
そうして、自分に下されるモノを、不安を抑えつけながら待った。
暫くして、アーリアと3人の前に、魔力で描かれた文字が現れる。
『試されるのは己の知識。違えたならば、貴女の姿はそれ相応のモノになるだろう』
浮かび上がる文字からして、恐らくは謎解きか。
こういったものはパージャの方が得意なのだろうが…
しかし、アーリアも騎士団に勤めている人間だ。
一般人よりは圧倒的に知識を持っているし、何より常日頃の努力を怠らない彼女ならば、
些細な問題ならば軽く解けるだろう。
パージャもそう思い、肩代わりを選択せずに… アーリアは、静かに問題を待った。
…そうして、アーリアの前に現れたのは… 横になった椅子と、天井につるされたバナナだった。
ある意味典型的で、そして明らかに此方を小馬鹿にしたような問題に、
アーリアは思わず剣を落とし…
そして、乾いた笑いを浮かべた。
「…ば…っ、ばかにしてりゅのかっ!!!」
そして大声で叫ぶと、アーリアは怒り心頭と言った様子で椅子を立てて、
天井につるされたバナナを取ろうとする。しかし、その瞬間… パージャは、大きな声で叫んだ。
「駄目、アーリアさん! それじゃ失敗しちゃう!!」
パージャの言葉に、え、と振り返るアーリア… だが、その言葉は聊か遅かった。
天井のバナナを取ろうと、椅子に足をかけて、体重をかけた瞬間…
椅子は、あっさりと潰れてしまったのである。
…当然と言えば当然だ。
今のアーリアの体重は200kgをゆうに超えており、そんな重量を普通の椅子が支えられる訳がない。
リーンにかけられた補助も、飽くまで筋力の増強と言うだけなのだから…
この結果は傍から見れば当然だった。
しかし、普段のアーリアならばこれで正解だった上に… 今はリーンの補助によって、
自重もそれほど感じていなかったのだから、アーリアの行動もいた仕方ないとも言えよう。
だが、それとは関係なしに失敗は失敗。
途端に、アーリアの顔は顔ざめて… その瞬間、アーリアの姿が変わり始めた。
「あ… まて、まってくりぇ… こんな、こんにゃのぉ…っ!!」
必死になって懇願するアーリアだが… それを拒絶するかのように、アーリアの身体が縮み始めた。
まるで服の中に吸い込まれていくかのように、アーリアの身体は小さく、
そして幼いモノへと変わり始めて。
手足はどんどん短くなり、それに合わせて巨大だった乳房もしぼみ。
指先も、ぷくぷくとした子供のそれに代わりながら、顔も丸く、幼いモノへと変わっていき。
先程までパツンパツンだった服は、あっという間にブカブカになり…
アーリアは、布地の鎧の中に埋もれる様になって。
有る程度身体が隠れたかと思うと、布地の鎧はアーリアの身体に纏わりついて…
丁度、ニーナの今の格好のように、幼い子供が着るようなスモックに変化すると、
大きなお尻は可愛らしいオムツに包まれてしまい。
変化が終わる頃には… 知らない人が見れば、丁度ニーナの姉妹じゃないかと思われるような、
ぽっちゃりとした幼児がそこに居た。
「…ぁ… あ、あぁ… こんな… こんなのって…ぇ…」
自分の変わり果てた姿と、余りに大きくなった周囲の物にアーリアは恐怖を覚えながら…
その場にへたり込む。
セフィリアに続いて、アーリアまでもが変わり果てて…
パージャもニーナも、かける言葉さえも思い浮かばずに俯いた。
(ステータス変化)
・6マス目
名前:アーリア・ケイロン
年齢:5歳
身長:72cm
体重:65kg
3サイズ:76・92・75
備考:騎士団でも有数の実力者である、長身の女性。
両手剣を片手で扱える程の腕力を持ち、その一撃は甲冑すらも両断する。
余りに幼く、そして無力な存在へと変わってしまった。
唯一の救いは、体に合わせて体重も変動した事だろうか。
絶望しつつも、心の奥底では羨んでいた小さい姿になれた事に喜びを感じている。
「…まった、パージャ。つぎはわたしがやるよ」
絶望しながらもサイコロに手を伸ばしたパージャに、ニーナはそう言ってサイコロを拾い上げた。
そんなニーナの様子に、パージャは心配そうにして、ニーナを見下ろす。
「だ、大丈夫なの…? 何か、自信がある様に見えるけど…」
「なぁに、ちょっとおもったことがあってね… ためしてみたいだけさ。
もしわたしのかんがえがただしければ… もしかしたら、いけるかもしれない」
ニーナはそう言いながら… サイコロを、軽く投げた。
「1」
サイコロの目が出るよりも早く、ニーナはそう言って一歩歩きだす。
…すると、ニーナは弾かれる事もなく、マス目の上に立って。
そして、その後にサイコロは一の面で止まった。
「え… す、凄い、どうやったの!?」
「さいころのめんくらい、わたしにかかりゃあかんたんにあやつれんのさ。
で… よそうがただしければ、このますはうすいはずなんだけど…」
そこまで言った瞬間、ニーナの身体を暖かな光が包み込んだ。
幼かった身体はグングンと伸び始めて、元の大人らしさを取り戻し。
肉に塗れた身体は、リーンに太らされた時ほどまで萎んでいって。
「あ… あ、あ… ニーナさん、元に戻ってる!!」
「…おや、思ったより紳士的じゃないかい、魔王様。気付きさえすりゃあ、
此処で元に戻れたんだねぇ… いや、今までもそうか… って… あ…!!!」
漸く、ニーナの身体は元の… よりはかなり太いが、年齢を取り戻し。
…しかし、その身体には、可愛らしいプリントをされたオムツと、
巨大な乳房までしか隠していない、可愛らしいスモックしかつけられておらず。
その余りに恥ずかしい格好に、ニーナは顔を一気に赤く染めて。
身体をたぷんと揺らしながら、その場にうずくまってしまった。
…うずくまったところで、オムツに包まれた巨尻を振っているだけに過ぎないのだが。
「…で、でもこれで、元に戻れたんだ…っ、多少はセフィリア様や、
アーリアのも引き受けられる…」
顔を耳まで赤く染め、涙目になりながらも、ニーナはそう言って瞳に炎をともした。
(ステータス変化)
・1マス目
名前:ニーナ・ヴァルナ
年齢:28歳
身長:167cm
体重:88kg
3サイズ:87・78・89
備考:外せない鍵は存在しないと言われている女盗賊。
戦闘能力を取り戻し、4人の中では唯一まともな身体に戻った。
…しかし、その格好は余りに恥ずかしい物ではあるのだが。
誰かに危機が迫った時、その肩代わりをする決意をする。
「…えっと… 確か、こうやって…?」
「あー… いや、たぶん無理だからやめときな。それに、私は無意識で出来るけど…
意識してイカサマやっちまったら、どうなるか解ったもんじゃないよ」
ニーナの真似をしてサイコロを投げようとするパージャを、そう言って止めるニーナ。
…確かに、生まれてからずっと盗賊を続けてきたニーナと、天才魔術師であるパージャでは、
その技術には天と地ほどの差がある。
それを今ここで見よう見真似で、というのは確かに無理があるだろう。
「まあ安心しな、余りに酷い内容だったら、私が肩代わりするさ」
「うー… ど、どうか1が出ますように…っ!」
ニーナの言葉に、パージャは堅く目を瞑りながら、ふわっとサイコロを放り投げる。
ぽむ、ぽむと軽くバウンドしたかと思うと… サイコロは、無情にも3の面で止まってしまった。
「…うぅ… サイコロの、馬鹿ぁ…」
パージャはそう文句をいいながら、たっぷりと肉の付いた身体をゆらしながら、
3マス目まで歩いて行く。
ニーナはそんなパージャの様子に苦笑しながらも、何時でも身代りになれるように、
心を落ち着かせていた。
そうして、パージャが3マス目に辿り着くと… 茫然自失としてる2人と、
未だ意識のしっかりとしている2人の前に、魔力の文字が現れた。
『その様はまるで縛られたハムのよう。羞恥には塗れるが、ある意味幸運であると言えるだろう』
「…嫌な予感しかしないんだけど… っていうか、何で私だけ問題じゃなくて決定なのよ?」
「ま、まあ… その分軽いって事だろうな、きっと…」
「…大丈夫、きっと私たちよりは、軽い筈ですよ…」
「そう、でしゅよ… わたちよりは、いいはじゅでしゅから…」
文句を言うパージャだったが、どこか投げやりになったセフィリアとアーリアの言葉に乾いた笑いも出て来ずに。
小さくため息をつくと、覚悟したのか、その場で待って…
そして、少し時間を開けてから、パージャの身体を光が包み込んだ。
「く…っ、もう、何でも来いって言うのよ…っ!? え… ちょ、ちょっと、何…」
光に包まれたと同時に、パージャが着ていた魔術で作られたローブがバラバラとほどけて…
あっという間に、パージャは裸にされてしまったのである。
肉に塗れ、無数の段を作っている自分の身体を晒されて、
途端にパージャは顔を耳まで赤く染めて、悲鳴をあげた。
「きゃ… いやあああああっ!! 見ないで、みないでぇ…っ!?」
そう言いながら、体を隠そうとするパージャだが…
肉に塗れた手足では、まるで隠す事も出来ずに。
逆に歪む腹肉や揺れる尻肉を見せつけるような形になってしまって。
その柔らかな、どこか官能さえ感じさせる身体に、3人は少し顔を赤くしながら…
チラチラと、パージャの身体を見つめていて。
そして、今度は… パージャの身体を、太い縄のような物が締め付け始めた。
「え…っ、な、何コレ、いやっ、何するのよぉ…っ!?」
パージャに痛みこそない物の、柔らかな素材でできた縄はパージャの身体を次々と締めつけて行き。
締めつけられた個所から肉がはみ出す様に絞り出され、
乳房も尻肉も、腹肉までも強調するように、パージャは縛られていき。
身体中の肉を絞り出すかのように、縄はパージャの身体中を締め付けると…
そこでようやく、光は収まった。
「う、うぅ… な、なによぉ… なんなのよ、これぇ…っ!!」
全身の肉を強調され、余りの羞恥にその場で泣きだしてしまうパージャ。
しかし、3人は…その、恥ずかしくも官能的な姿に少しだけだが見とれ、
慰める様にパージャに言葉をかけたのである。
(ステータス変化)
・3マス目
名前:パージャ・リリン
年齢:15歳
身長:146cm
体重:205kg
3サイズ:120・150・130
備考:若い身でありながら、時期魔術局長との呼び名の高い天才魔術師。
その実力は既に魔術局最高と噂されるほどで、本人もそれを鼻にかけている節がある。
身体中を縄で縛られて、肉を強調させられるような格好にさせられてしまった。
乳房も尻肉も、腹までも完全に露出しており、その姿は文字通りハムのよう。
だが行動には全く支障はなく、ニーナ以外の3人では一番幸運な結果だった。