710氏その6
/第4章・vs肉の賢者
「はぁ、はぁ…っ、ん、ぁ…」
まるで今のアリシアの為に作られたような、薄い階段を一歩ずつ登るアリシア。
薄くなった分、距離は長くなっていて… 永遠とも続くような気がする螺旋階段を、
アリシアは息を切らせながら、全身をタップンタップンと波打たせ、時折転び。
そんな自分の身体に屈辱を感じながらも、今更戻れないと、只管に…
たった数十メートルの距離を1時間以上かけて、アリシアは漸く階段を登り切り。
そんなアリシアの目の前に、漸く城らしい… ベッドやクローゼット、
それにテーブルなどが完備された個室が現れた。
「…っ、ぁ…ここ、は…」
「…げ、ぷぅ… ようこそ… に、肉の賢者、ローランの部屋へ… 歓迎します。
うぅ… ど、どうして私の二つ名だけ… うげぇっぷ…っ、こんな、恥ずかしいのなんですか…」
そして、アリシアの耳に、唐突に… ゲップの音と共に、そんな可愛らしい言葉が聞こえてきた。
見れば、部屋の中央には… 縦よりも横に広がった、正しく肉塊と呼んでもおかしくない姿があり。
ブビィッ、と肉塊は身体を揺らしながら、大きく音を立てて放屁すると…
豚のようなマークが刻まれたドレスに包まれた身体を、恥ずかしそうに、僅かに竦ませた。
「…通して、貰うぞ… 悪いが、もう… なりふり、構っていられないんだ…
何だって、するから… 通してくれ…」
「けぷ…ぅ… そうです、ね… では、下の階でもそうであったように… ここでも、代価を支払って…
げぇっぷ! …失礼、払って頂きましょうか」
ゲップを何度も繰り返しながらも、それを恥ずかしがり… そして、
何処か気品を感じさせる話し方をするローランに、アリシアは小さく苦笑する。
そんなアリシアの様子を見ながら、ローランは小さく息を吐くと… 再び、勢大に放屁をして。
それと同時に、アリシアの前に二つの小箱を差し出した。
「…これは… これを、どうしろと言うんだ?」
「どちらかを選んで、下さい… げぷぅ…っ、片方は外れで、片方は当たりです。当たりを引けば、無償で此処を通して差し上げます… うげぇっぷ…っ、ですが… 外れを引いた時は… 解りますね?」
セフィリアの持つ小箱を見る。
どちらも全く同じ形で、どこにも違いが無いように見えるが…
アリシアは迷っている暇もない、と右の小箱を受け取った。
それと同時に、ローランはクス、と小さく笑い… そして、口を開く。
「確率2分の1を引きましたね… ようこそ、私と同じ、世界へ… げふ…っ、歓迎、します…♪」
「え…っ、うわぁっ!!」
ローランは心底嬉しそうに表情を歪めると、ブウゥッ、と体を揺らしながら放屁して。
アリシアは匂いに思わず顔を顰めるが… 次の瞬間、手元にある小箱が勝手に開き…
それと同時に、アリシアの身体を光が包み込む。
そして、アリシアが小箱に吸い込まれたかと思うと… 小箱はしっかりと蓋を閉じ、床に落ちた。
そんな様子を見ながら、ローランは感嘆の息を漏らし。
「はぁ… やっと私にも… げぇっぷ…っ、仲間が出来るのですね…♪」
そんな事を呟きながら、その場から空気に溶ける様に、姿を消した。
「…っ、く… な、何だったんだ、今のは…?」
ドスン、と大きな音を立てながら尻餅をつき… アリシアは、周囲を見渡した。
見れば、そこには先程まで居た部屋では無く…
自分の姿を映す鏡が4方に張り巡らされているのみで。
鏡に映った自分の… 信じたくはない、滑稽な姿に、アリシアは… 思わず目をそむけた。
「…くそ…っ、何とか、これが終わったら解呪しなければ…」
そう言いながら、忌々しげに鏡を叩くと… その瞬間、鏡が光り…
鏡に映る、アリシアの姿が変化し始める。
手足はより短く、体は縦に潰れ… まるでそう、先ほど見たローランの姿のように、
肉塊に成り果てていくのを見て、アリシアは思わず、ひ、と小さく悲鳴を上げた。
それと同時に… 唐突に、アリシアの視点が下がり始める。
「え… ま、まさか、そんな… いや…っ、やめ、やめろ… 止めてくれぇぇっ!!」
バンバン、と鏡を叩くが、次第に腕は鏡に届かなくなり。
腹はブクブクと、見る見る内に前に、横に張り出していって。
腕も自然に真横に開き、下に降ろせなくなっていって… 足も肉に埋もれて行き。
尻肉は地面にべったりと付いて、しかし直膨らみ続けて行き。
…そして、とうとう、ローランよりも縮み… そして、横にだらしなく広がった身体になると、
アリシアは絶望したような声を上げたまま、顔を横に振ろうとして…
それさえも肉に邪魔されて出来ず。
「あ… あ、あぁ… そん、な… 嘘、だ… こんなの… 嘘、だぁ…っ」
そう言いながら、アリシアはとうとうボロボロと泣きだした。
そうすると、当然の如く鏡に映る、余りに丸々とした肉塊もまた、ボロボロと涙を零し始めて。
眼の前の姿が今の自分なのだ、とアリシアに認識させるように… しかし、それだけではアリシアに起こる変化は止まらなかった。
「う、ぐぅ…っ、げふぅ…っ!?」
喉から空気がせりあがってきたかと思うと、口から勝手に、下品にゲップが出始める。
それだけでは無く、アリシアは自分の身体の中で、どんどん膨れ上がっていく物を感じていた。
いや、いや、と首を左右に振るも… それは収まる事なく膨れ上がり… そして。
ぶぼぶうぅっ、ぶすうぅぅっ!! と、勢大な音を立てながら、
アリシアは全身を揺すりながら放屁してしまい。
その瞬間、体を駆け巡る甘ったるい感覚に思わずアリシアは声を漏らしてしまった。
「あひぃ…っ、あ… な、何だ、今の… わ、私… 何で… うげぇっぷ… んあぁっ!!」
ゲップを思わずしてしまうが、それをするだけでも
アリシアの身体は甘ったるい感覚に支配されてしまい。
全身をタプタプと波打たせながら、アリシアは…
ぼぶぅっ! と再び放屁をすると、表情をだらしなく蕩けさせて。
「んへぁっ、ぁ… なんで… げぇっぷ… なん、でぇ… こんな事、が… 気持ちいい、なんてぇぇ…っ!!」
次第に癖になり始めたのか、アリシアはだらしなく、
蕩けた表情を浮かべながら放屁し、ゲップをして…
仕方なくではなく、自分の意思でするように、なっていってしまい。
そうして、再び光に包まれたかと思うと、アリシアの姿は小さくなり… そして、消えた。
(ステータス変化)
名前:アリシア・キール
性別:女性
年齢:23歳(実年齢は不詳)
身長:125cm
体重:314kg
3サイズ:154/204/268
備考:
下半身を中心に太ってしまい、その姿はさながら鏡餅のよう。
ローランよりも縮み、更に横に膨らんだその姿は最早滑稽そのもので、
誰ももう彼女とは認識出来ないだろう。
ローランと同様に、放屁とゲップを自然にしてしまう身体になってしまうが、
ローランとは違いそれを快感に感じるようになってしまった。
最早自分の意思で放屁とゲップを繰り返す様になり、心も折れ掛けている。