針小肥大
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「ん〜っ!!!!」
声にもならない感覚が全身を走る
そう感じた瞬間にお腹がぷくぅっと膨張し始めた
「お腹が、お腹があああぁあ」
急速にお腹が膨れ上がっていく、何か強い力がお腹を引っ張るような感覚だ
「う、う〜んっ!」
ぶくっ!ぶくっ!ぶくっ!
そんな音が聞こえそうな程、ぼこぼこと突発的に肉が至る所から膨れ始めた
彼女の視点からでは胸とお腹の肉が膨れ上がり垂れていく様しか見えなかったが
背中には巨大な餅のような肉がずぶずぶと盛りあがり
脇の肉が膨れ上がり、その肉が二の腕を押し上げていた
「ふひい〜ぃっ!、あづい、あづいよぉ」
顔の肉が急速に成長し、口の動きを阻害する
のどにも肉が付きつつあり声がよどみつつある
「お、おながをどうにがじないどぉ」
急激に贅肉が彼女のお腹を中心に増えはじめており、
肺を圧迫し、胸を押し上げ視界を阻害させ、ふとももにお腹の重みがドン!とのしかかりつつあった
ひととおりは覚えている肥大した感染者の生活を思い出し
おもいっきり足の股と股の間を空ける
股からお腹の肉が股と股の間にずれおち、弾力性のある肉が
「だぽっ、たぽっ」と音を立てて股の間にずれ落ちる
股の間に肉が収まったと思ったが、足りないといわんばかりに肉がついていく
「んーっ!んーっ!おながのにぐが、にぐが伸びるよ”ぉーっ”いやだぁあ」
どぷんっ!どぷんっ!
ぷるんっ!ぶるんっ!!
体の何処かが膨らむ度に体中が揺れる
ベットも膨れる度に軋むが、肥大化を想定しているために早々に壊れない
「ふひーっ、ぷひぃっぶひいい」
体が重くなると同時に息も荒れてくる
「ごんなに、ひ、肥大化がづらいなんて…ぁあん!」
顔が更に膨らみ、首がなくなり完璧な二重顎になっていた
その顎の肉が胸の谷間に、ずぶずぶと向かい始め、顔中の他の肉も顔の周囲360度全方向に
垂れてゆく
(か、体自体はつらく無いけど、精神的につらい、ただ…)
「ぁぁああああん!んぁああああああああああっ」
肥大化中、体の変化に伴い神経が性感を刺激し性的快感が彼女を襲う
「ぎ、ぎもぢいいいって本当だっだんだ…んん〜っ!♥」
尻がぶるぶると震え膨らむ、同時に、私の腹もぶるぶると震え、
ついに巨大だったはずの病依から、お腹の肉がはみだし始めた
腹が病依を延ばし、肥大化用に作られ先程まで、
まるで巨大な着物のようだった病依が今ではちょうど良い服にも見える
しかし
「ま、まだふぐらむのぉおおおおおおおお!?」
思い出したかのように呼び出しボタンを押そうとしたが、
振り袖のようになった二の腕と脇の肉が動きを阻害しじゃまをする
その時だった、急に視界が宙に向いた
ベットを支える支柱が曲がり後ろに体が倒れたのだ
お尻の肉がクッションになり彼女を衝撃から守る、
そしてベッドからはみ出した始めた尻肉は床を覆っていく
「だれ”がぎでえぇええ」
気力を振り絞り、人一人分の肉はついたであろう二の腕を上げてようやく呼び出しボタンを押した
「ふひぃーっ!、や”、や”っ”だぁ」
けれどもボタンを押した事で、人が来る、そしてこの姿を目にする事の事実が彼女の心に突如
湧き出てきた
いやだ、いやだいやだいやだ、あの写真のような姿が見られるなんていやだ!
「ぷふぅう、どうじようぅ、どうじよ”う」
-7-
考える間もなくコールに気付いた同僚がやって来る
「先輩っ!大丈夫ですか!?」
よりによって一番親しい後輩が来た
「いやーっ、見ないでぇ見ないでよぉお」
少し私の姿を見てぎよっとした様子だったが、後輩もこの病に関しては同じ研究者であり
知識があったので取り乱しはなかった
「お、落ちついてください!大丈夫ですか!?」
「う”う”ぅ、ぷひぃ〜…だいじょおうぶだがら、い”い”ってい”うまでぞどにいでぇ」
「…わかりました、終わったら呼んでください」
「う”、う”ん、おねがいいぃぃいいいいいいいっ!!!」
返事が終わるのを待つ事無く、今までで一番大きい肥大の波がやってきた
「ぶひぃぃいいいいいいいっっ!」
豚のような鳴き声を大声で叫ぶ
「んぁああああああああっ!あぁああん!!あん!!」
同時に性感が非常に高ぶったせいで、卑しい声を大声で響き渡らせる
「だずげてぇえ、きもぢいいのっぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「はやぐはやぐででいっでぇ、ごんなづがだ、あぁあああん!、見られだぐない!」
「先輩っ!」
「はやぐ!ででっでぇ」
「は、はい」
後輩が出て行くと、少し安心ができたのか
「ぶ、ぶひいいいいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい”い”っ”!!!」
声を荒げて体をぶるぶると震わせる
「アァアア!アーッ!ンァああーっ!」
皮膚が伸び、肉が増え、ぶるんっ!どるんっ!と体が震える、
その衝撃の度に彼女は体を引っ張られるのを抵抗するが如く声を上げる
体のあちこちの肉が垂れ下がり行き場をなくした肉から通常ではありえない方向に飛び出て行く
胸は米袋2つ分がくっ付いたかのような様相をしめし、膨れ続ける彼女の顔に密着し始めている、
お腹は巨大な布団が1枚まるまる詰まっていそうだ、
お腹は前方のベットの足が折れてないため上に押し上げられ、
そのため垂れ下がった胸も押し上げることになり彼女の顔を圧迫していた
その顔も頬と顎、そして首の肉が繋がった巨大な贅肉を垂らし膨らんだ顔に変貌しており、
顔だけでも太る前の彼女の体重分付いていそうだった。
「ぷふぃーっ、や、やっど止まっだ?…」
かろうじて動かせそうな腕を動かしてみる
「う”でだげで、何キロあるんだろ”う”…ふんっ!」
「お”、重い!」
上げると、腕についた贅肉達が重力に負けて下に、だるんと垂れ下がる
揺らしてみると、肉同士が当たり「ちゃぷちゃぷ」という音がした、
指は倍以上の太さに膨れており、なんだか赤ちゃんの手のように太く短い形になってしまっていた
(指の間に隙間がないよぉ)
二の腕はおもいっきり腕を上げても常に脇腹に垂れていて、腕の動きを阻害している
足も見ようとしたが全身の肉に視界が遮られ、見る事は叶わなかった。
ただ動かそうとしても腹と尻の肉に挟まれ太もも自体も動かせそうにない事だけは感覚でわかった。
(いまの時点でわかるのはこのくらいかぁ)
少し深呼吸をし、意を決して後輩を呼んだ
「あい”っでい”い”よ”ぉ〜」
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「先輩、腕と足、胸にお腹、全て固定したので持ち上げますよ!」
「…うん、おね”がい」
七時間後、ドアの一部を壊し、小型の起重機を持ち込み、彼女を持ち上げようとしていた。
先程の肥大化で壊れたベットを新しくより頑丈で肥大した人間に
負担がかからないようなモノに取り替える必要があったからである
ベットを変える合間に1tまで測れる体重計で彼女の体重を量る
この七時間の間、トイレに行く事も出来なかったので、
同僚数名でお腹の肉を持ち上げ尿と排泄物をとってもらうなどし、彼女にとっては
散々であった七時間であった
一人きりになって泣きたい心境であったが、ぎりぎりの所で彼女の精神は耐えていた
「お腹から上げますから、何かあったら言ってください」
「はい”」
「上げますよ〜」
(お腹が持ち上がっていく…、自分の身になって経験するとこんなに恥ずかしいなんてぇ〜)
しばらくするとお腹と胸、尻が持ち上がり、足と腕をひっぱり体全体を持ち上げていく
お腹を持ち上げるとかいていた汗が垂れて水の流れとなりそれが水滴となってぽたぽたと
垂れ落ちていく
「床をよごしぢゃってごめん…」
「い、いいんですよ先輩」
肥大後、油混じりの汗が体中から常にでており、何をしなくても汗まみれになっていた
汗まみれになりたくない所だが、体が熱を放出してる証拠でもあるので、どうしようもない
少し宙に浮いた所で、起重機を止める
もしもの時に備えて、接着式のおむつを後輩が肉を掻き分けてくっつける
「も、もうぢょっとデリケートにおねがい」
「ごめんなさい、あまりこういうの慣れていませんので」
肉を掻き分けられる他人の手の感触が中々慣れないのだ、
そもそも人に介護される事自体慣れてないから当然だ
「先輩の肉質、やわらかいから付けるのも楽で助かります」
「ぞんな”に”やわらがいの?」
「はい、もしかしたらこの身体でも、肉がやわらかいおかげで足を動かして
歩けるかもしれませんよ、まぁ歩行器が必要ですが」
「ぷふぃ、じ、じゃあ、前にわだじが作った歩行器を自分で実践でぎるわね」
歩けるかもしれないと思うと少し心が躍る。
肉を揺らしながらでも彼女にしてみれば歩ける状態にはようにはもっていきたかった。
おむつを付け終わり、更に持ち上げ体重計に彼女を移す作業に入る
「手がいだい!」
「我慢してください、もう少しで移動が完了しますから!」
ひんやりとした銀色の台の上に垂れ下がったふとももから着地し、順に尻、腹と乗っかっていく
体が常に蒸し暑くなってしまった彼女にとっては少し嬉しいサプライズだ。
「ふひぃ、ちょっと冷えててぎもちいいわね」
「そういえば先輩、朝より発音が流暢に戻ってきましたね」
「まだ慣れ”でないげど、ちょっとしたコツがある”の」
喋るときに垂れた頬肉を左右にぶるぶると震わせると、
圧迫されている口に隙間ができる。発音によって上手く頬肉を揺らせば良いのだ
「では体重を計ります、じっとしててくださいね」
「…」(じっとしたくなくても動けないんですよーだ)
「計測結果が出たんですけど、今すぐ聞きたいですか?」
一瞬迷ったが
「ぎぎたいわ、何kgあるの?」
「その、…838kgです」
「…想像じてた以上の体重になっでる…平均的なふどりがだよりは肥大化しだどおもっでだけど」
「先輩、気を落とさないでください、研究者としては今の状態は色々とやりがいが
あるじゃないですか」
「りぐつではそうだけどねぇ…」
溜め息が自然にでる。無理もない彼女の予測では600kgまで太るだろうと思っていたからだ
彼女の溜め息が深いのと比例するかのように体がぷるぷると震えている。
それがより彼女の気持ちを暗くさせる
「先輩自身は体の感覚はどうですか」
そう後輩は呟くと背中にある胸のような贅肉を鷲掴みしはじめた
「ひゃぅう、なにずんよぉ」
「触った感じとか皮膚の感覚とか体全体大丈夫か確認しようと思いまして」
「大丈夫だから、そんな掴まないで!」
そう言うと後輩はさも残念なように手を離す
「こ、このおながも、脇腹も、尻もちゃんと感覚あるがら」
「は、はい、じゃあ後は、ベットの取り付けに少しは時間もかかりますし立ってみますか?」